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2Mbps÷1323人=1.6Kbps!? [気になるモノ・コト]

JR東海とJR西日本は、平成19年夏から、次世代新幹線「N700系」という新型車両を営業運転に投入する予定ですが、このN700系、東京⇔新大阪間で無線LANによる車両内インターネット接続サービスを提供することになったそうです。

東海道新幹線の新しいサービスについて~N700系 インターネット環境の充実などについて~(JR東海のプレスリリース)

3月に発表された量産仕様決定のプレスリリースを見た時も、「グリーン車全席&普通車窓際全席に電源コンセント装備」「座席テーブルのA4ノートPC対応レベルまでの大型化」というモバイラー向け仕様の充実ぶりに驚かされたのですが、ついに車内無線LANサービスも現実として動き出しました。

その仕組みはJR東海の資料を見て頂きたいのですが、

このようにN700系車両内に無線LANのAPを配置し(汎用性を考えると802.11bか?)、LANケーブルとルータで通信用移動局にまとめ、列車無線用に線路と並行して走っている電線(LCX=漏洩同軸ケーブル。ものすごく平たく言うと、東京-新大阪間に全長500Kmのアンテナが設置されてるようなものか。)と移動局がデジタル通信することで、携帯電話やPHSと違い高速走行中も安定した接続が行えるんだそうです。

1列車あたりの通信速度は下り最大2Mbpsの上り最大1Mbps。東海道新幹線でAirEDGEによる128Kbps接続に、途切れ途切れになりながら挑戦し続けた経験のある僕には、夢のような通信環境がついに!と嬉しくなってしまいました。

でもフッと冷静になってみたのですが、N700系の編成定員は、普通車1123人+グリーン車200人の1323人(運用上今走っている300系や700系と同じになる)。仮にその全員がPCを持ち込み、同時に通信すると…

2Mbps÷1323人=1.6Kbps

なんと一人1.6Kbpsという昔の音響カプラ時代のような(^^;)通信速度になってしまいます。

ま、それは100%起こりえない仮定なので、もう少し現実的な計算として、1323人のうち10%がPCを持ち込み、そのまた10%が同時に通信したとすると、使用者は13人ですから、

2Mbps÷13人=158Kbps

う~ん、それでもAirEDGEよりは速いという程度になってしまいますね。

このサービスの開始は今から3年後。通信業界は進化がとてつもなく速いので、3年たつとAirEDGEや3G携帯電話もどこまで進んでいるか(HSDPA=3.5G携帯電話とかもエリア広がるでしょうし)。この車内インターネットがどこまで役に立つか、もうちょっと1列車あたりの通信速度あげられないかな、と思ってしまいました。

 

それとこのプレスリリースで興味をひいたのが、東海道新幹線の全車両にPHSの基地局が設置されること。

どうやら乗務員の人たちの連絡用みたいですが、この車内PHS基地局も乗客に開放してくれませんかねぇ。これでデッキでPHSによる安定した音声通話が出来るようになれば、携帯電話のアドバンテージである「高速移動に強い」という部分が消えて、ますますPHSに有利になるのでは?とPHS派としては期待してしまうのですが。

それにしても、速くて・快適・安全と、やっぱり国内移動は新幹線が一番ですね。長崎や北陸の方には申し訳ないですが、個人的には早いとこ北海道新幹線を優先着工・完成させて、札幌にのんびり新幹線で行ってみたいです。


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コメント 10

arkstar

新幹線だんだん顔つきが変わってきてますねぇ(^_^;)
0系→100系→300系は正常進化?って思いましたけど、
500系、700系は何か違うぞって感じで、N700もまた趣が違いますね。

車内のPHS電波開放して欲しいですね。
AIR-EDGEカードで安定接続できるのなら、無線LANよりそちらの方が良いのですが。
by arkstar (2006-06-30 20:14) 

Riever

1列車あたりの通信速度、1Mbpsくらいになればいいですね。でも1323人にこの環境を与えたら1323Mbps・・・1.3Gbpsで、光の100Mbps(多いもので1Gbps?)でも足りませんので、現実的でないですね。それ以前にルーターの費用もありえないことになりますし。でも、移動中に誰もがオンラインアクセスが出来るなんていうことは非常に便利なので、それだけでも便利ですね。って3年後ですか。う~ん、その頃には携帯電話の通信速度のほうが速くなっているような気がしますが。
by Riever (2006-06-30 20:53) 

floss

N700(NはnewのN?)は顔つきがカモノハシからずいぶん精悍になった感じですね。
まあ、1割もの人がいっぺんにネットに繋ぐようなことはまずない気がしますが、PSPでも(DSでも)無線LANでインターネットが出来る時代ですから、3年後はそうなっているのかなぁ。しみじみ。
ところで新幹線、島根まで来ることはないんだろうなぁ・・・。
by floss (2006-07-01 00:26) 

 三年後ですか、家電と違って車両組み立てに時間がかかると思うので、最新スペックの無線LAN環境整えるとなると、組み立て期間中にも仕様変更に伴なう設計変更が必要になりそうですね、電気&機械設計の人たちが大変そうなかんじですね。

それにしても、新幹線の写真を見るとこれだけ大きな生産物なのにもかかわらず、車体側面の塗装(ライン)がビッシっと一直線になってますね、これは車体の組み付けやレールの施工等の精度の高さを物語っていますよね。妙なところに驚いてしまいました。
by (2006-07-01 01:37) 

ahtoh

北海道でもやってくれないかなあ。
新千歳から札幌の間でも、一部電波のなくなる場所があるんです(;´Д`A ```
by ahtoh (2006-07-01 21:08) 

akoustam

>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

トンネル微気圧波対策のために、先頭形状を解析を元に追及していったら、ああいう摩訶不思議なデザインにたどり着くみたいですね。それでもJR東日本のE4系あたりに比べれば、おとなしい感じがしますが。
by akoustam (2006-07-03 21:10) 

akoustam

>Rieverさん
コメントありがとございます。

一人1Mbps確保するには、一列車あたり10M~20Mbps欲しいですね。でも新幹線は同時に何本も走っているわけで、全列車でそれだけの通信スピードを保つとなると、基幹ネットワークは10~100Gbpsは必要になりそうな予感。それだと儲からないんでしょうね。
by akoustam (2006-07-03 21:12) 

akoustam

>ふろすさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

島根に新幹線ですか、とりあえず特急やくもで我慢ってところなんでしょうね。僕が実家に帰るときは智頭急行のお世話になっていますが。山陰新幹線なんて夢のまた夢。
by akoustam (2006-07-03 21:14) 

akoustam

>シマリスさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

新幹線の精度の高さは異常ですよね。確かレールの高さも0.何ミリ単位で管理されてるはずですし。零式艦上戦闘機も全体重量の100万分の1単位まで管理して、軽量化を目指すことをやっていましたし、日本人のきめ細やかさの象徴のようです。
by akoustam (2006-07-03 21:17) 

akoustam

>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

新千歳・札幌間にトンネルなんて見当たらないので、普通にアンテナが立ってないのでしょうか。北海道はどうしても高密度にアンテナが立てられないので、移動中使用はきつそうですね。
by akoustam (2006-07-03 21:20) 

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