それでも走り続けるために [メキシコちょっと贅沢自転車旅行記]
ヒューストン空港ですったもんだあったものの、乗り込んでしまえばそこはANAのファーストクラス、あとは日本に帰るだけの快適空間が待っています。
行きは2A席だったので、帰りは逆方向の2K席にしてみました。
乗り換えの苦労に関する話をCAさんにしながら、今回もウェルカムドリンクはオレンジジュースに。
1Aから1Kまでの4席は埋まっていますが、自分のいる2列目は誰も居ないので、横を見ても向こうまで見渡せます。
なおファーストクラスのうち、1列目進行方向左の「1A」はVIP専用席で、一般人は予約することが出来ませんが、個人的に2列目のほうがオススメ。
なぜかというと、1A席の前方にはトイレと操縦席、1K席の前方にはギャレー(いわゆるキッチン)とCAさんの待機席があるため、どうしてもざわつきがちなのです。
2列目ならそういう喧騒からも離れられますし、隣の席が空いていれば椅子とベッドを別々に持つという2席専有とう贅沢も出来ますんで、空いている2列目のほうが快適ですよ。
離陸して水平飛行に移ったら、しばらくはアメリカ本土をテキサス州からコロラド州のあたりにむけて飛んで行きます。
さぁ帰りの機内食の始まりです。
またもやちゃんとしたカバーに包まれたMENUを開くと、
ドリンクと食事に分かれて出てきます。
まずは食前酒。…と言ってもこれはもう一つしかないでしょ。
■クリュッグ・グランド・キュヴェ
酒の飲めない僕でも美味いと思うシャンパンですよ。
アミューズも出てきて、ラインナップはこうなります。
■パテ・ド・カンパーニュ
■エリンギ茸のパルメザンチーズ風味とズッキーニのアグロドルチェ
■スモークサーモンとゴートチーズの薔薇仕立て
■チーズペッパーバー
特にスモークサーモンとゴートチーズが美味。優れたチーズってほんと風味がいいんですよね。
で、今回も和食か洋食か選ぶわけですが、海外発は食材の入手性から考えて、洋食を選ぶのが機内食のセオリー。ですが、さすがに3週間のメキシコ料理漬けで白いご飯が恋しくなった僕は、
和食を選びました。ならば日本酒とか焼酎のいいやつを飲むのが本来の姿でしょうが、行きの寝落ちの失敗があるので、お酒はここで断念。
かわりに行きですっかり気に入った
■千疋屋の温州みかんジュース
をいただくことにしました。これほんとコクがあって濃厚で「みかん」の甘さが引き出されたジュースなんですよ。そりゃ高いわけだ(笑)
和食は先附と前菜からスタート
(先附)
■蛍烏賊沖漬け
(前菜)
■帆立貝有馬煮
■モッツァレラチーズ西京漬け
■海老袱紗焼き
■鴨葱照り焼き
■山桃煮
■菊花大根
奥にあるのが沖漬けですが、もうこれがたまらん。「あー日本人でよかった」と思えるお味でした。これで酒飲める人で日本酒とともにいったら格別なんだろうなぁ。
続いて熱々のお椀
(お椀)
■蟹真丈湯葉巻き
メキシコの濃い~サルサとかソパばかりだった生活に(それはそれで美味しいんだけど)、こういう繊細な味の熱いお椀が戻ってくると、和食のきめ細やかさは再認識されます。
料理は続いてお造りに
(お造り)
■ロブスター湯引き
■烏賊湯引き
■鮪の炙り
これはちょっと残念。冷凍食品感が微妙に残っていて、食材の入手に苦労してるのがにじみ出てしまってました。お造りは難しいよね。
ここでまた一瞬寝落ちしかけましたが、酒を我慢したので踏みとどまって主菜です。
(炊き合わせ)
■牛肉と茄子の田楽味噌
(酢の物)
■鰻と長芋の生姜酢
(主菜)
■鮭西京焼き
(御飯)
■福岡県嘉麻市産 元気つくしの炊きたてご飯
■味噌汁
■香の物
白いご飯に、お味噌汁に、焼き鮭に、田楽味噌ですよ、もう泣きそう(笑)日本に帰るんだなぁ。
こうして和食をフルコースで楽しんだんで、まずはブレンドコーヒーを一杯いただいて、
デザートは和でも洋でも選べるのでこれにしました。
■あたたかいラズベリーフィナンシェ バニラアイスクリーム添え
優雅なデザートですな。
さらにカフェオレを一杯とプティフールで〆。贅沢なお食事タイムはこれにて終了です。
ところが今度は行きと逆の失敗をします。コーヒーを二杯も飲んでしまったので、
寝れなくなりました(爆
仕方がない機内エンターテインメント装置でプレイリストを作成し、MDR-10RNCで音楽を楽しみながら時間を潰します。
眠気が来そうなときに洋食デザートのフルーツとコンポート、それに香るかぼすジュースを注文。
ファーストクラスはこういうわがままが言えるんですよね。これで体を落ち着けて、ベッドメイキングしてもらった隣の席で3時間ほど横になって眠りにつきます。
起きたら小腹がすいたので
■浅蜊佃煮茶漬け
を注文します。しかもお茶漬けのお茶も機内のドリンクラインナップ
■宮崎新緑園の「宮崎煎茶」
■静岡白形傳四郎商店の「ほうじ茶」
から選べるという徹底ぶり。ここでは濃い目のほうじ茶をお願いしました。
お茶漬けに満足したら、今度は紅茶をいただきましょう。
■シンガポールTWG Teaのロイヤルダージリン
どれ位蒸らすかはお好みで、とCAさん砂時計まで渡してくれます。
この砂時計かっこいいから、おみやげにもって帰りたいな(笑)
気分もよくなってきたので、水を飲んだらさらに3時間ほど休みます。
ヒューストン発NH173便は予定よりかなり早く、14時間のフライトが13時間弱まで短縮されたので、いつのまにやら北海道東方沖まで進んできました。
最後にお食事をいただいて日本帰還に備えます。ここでは洋食を選択。
温められたブレッドとクロワッサンが絶品。行きも帰りもパンは美味しかったなぁ。
メインはワンプレート
■シーフードと野菜のソテー オニオンハーブドレッシング
ここまでいただいて全て食事終了。着陸態勢が近づいてきます。
成田空港には16Rへのアプローチのため、一旦茨城県南部上空を進み、
日本時間8月5日14時27分に無事ランディングしました。これでファーストクラス体験も完全に終了。一生の想い出として行き帰りともにいい時間を過ごせたのもANAのCAさんのおかげです。
入国審査はハンコを押すだけ、後は荷物を受け取って税関通過して(今回はテキーラの一本も買わなかったので、申告何も無し)…のはずでしたが、最後の最後まで自転車のトラブルはつきません。
まず荷物の受取にやたらと時間がかかって、プライオリティなのにまったく自分のが出てこず待たされることに。
さらに出てきた自転車も梱包状態がかなり怪しくなっていたのと、行きで起きた問題は伝えておこうということで、ANAの窓口に行ってその場で自転車を組み上げてみます。
自転車はまたもや壊されていました(涙
行きと同じくリアディレイラーが曲げられて、チェーンのギアへのかかりがおかしくなっています。
さすがにこれには落胆。ANAの方は「スポーツ用品は破損免責の規定があるので、どうにも出来ません」の一言で何もなし。あとは海外旅行傷害保険が適用できるかの書類だけ書いてもらって撤退するしかありませんでした。
ファーストクラス扱いなのは乗客だけで、荷物は“ファースト”な扱いはしてもらえないのね…今後の自転車運搬方法を考えなきゃ。
著しくテンションを落としながら税関を通過して正式に帰国。成田エクスプレスで自宅最寄駅へ帰ります。
自転車を組んだら、生きているギアに設定して自走して自宅まで。
以上「メキシコちょっと贅沢自転車旅行記」はこの記事をもって完了です。
今回は自転車トラブルのオンパレードでした。
行きの段階で自転車を走れないレベルまで壊されたのは初、850kmほど走る間に5箇所もパンクしたのも初、あげく帰りにまで自転車を壊されるとは、ちょっと呪われてる感すら有りましたね(笑)
そんな中でもメキシコはすごく良い国で「治安が悪い修羅の国」というイメージは間違っていたことを思い知らされました。
みんな陽気で、楽しく、いつでも元気いっぱいのメキシコの人々は、まさにラテン!という印象そのものです。
道の悪さや高速道路走行を強いられること(他にまともな道路がない区間がある)、酸素が薄い中央高原の高所、などなど自転車旅行にはハードルが高いので、ある程度の経験者でないとつらそうですが、メキシコそのものを旅するのは超オススメ!見どころあるし、メキシコシティの一部以外は治安も悪くないし、メキシコ料理(特に本場のタコス)は美味いし、活気ある国を行くのは元気でますよ。
一番良かったところは、実はユカタン半島のメリダの街かな(笑)。
色んな遺跡や世界遺産に移動する基地になるし、カンクンほど観光地化されていないので、「これぞユカタン」はメリダでみれると思います。
最後に今回の旅で活躍してくれた、VAIO Pro11/α99/Distagon T* 24mm/Planar T* 50mm/Cyber-shot DSC-RX100M3/ActionCam FDR-X1000V/ポータブルバッテリCP-V3Bという各製品を生み出してくれたSonyの皆様に感謝です。
特にα99とレンズは旅行記中にもある通り、フロントバッグの中で財布内の硬貨が熱せられるほどの酷暑にさらされながら(多分バッグの中の気温は50℃超えてたはず)、それでも全く壊れることなく最後まで撮り続けることが出来ました。
バックパックのVAIOとともに、過酷な環境で壊れないというSony製品の強さを改めて証明してくれたと思います。
そしてこの3週間の旅にお付き合いいただき、たくさんの応援をしてくれた全ての読者の皆様、
本当にありがとうございました。
Blogに載ってない細かなtwitterのつぶやきはこちらにまとめてありますので、そちらもどうぞ。
ファースト、ビジネスならば洋食と和食の好みのメニューをお願いする「クロス」もできます<品切れの場合は断られる場合もありますが> 2度と利用できないなどと言わずに次回ぜひ。
リポートで触れられてませんでしたが、個人的に興味あるのはアメニティのケース。行きはサムソナイト、帰りはリモワに見えましたが??
中の化粧品は、じつは資生堂の一般店では売っていない最高級のものが使われてます。未使用のものはヤフオクで1~2万円で取引されるほどです(笑)
by iTaLiA (2015-08-07 13:15)
お疲れ様でした。
とても楽しい?旅行記読んでいて楽しかったし、
飛行機ファーストクラスやカンクン、遺跡など
どれも私には新鮮でした。
次回の記事楽しみにしております。
by Santa (2015-08-07 15:03)
カンクン自転車旅行拝見しました。
大事にされている自転車の破損は残念でしたね。ただ輪行袋では多分ダメだろーなーと思っていました。彼らは本当に自転車を「投げる」「踏み付け」ますからね。一昨年私はSFO経由でPDXまで自転車を持ち込んだのですが(はい、値段は片道200ドル!)経験のある自転車屋さんにさんざん脅されて、自転車を梱包してあったダンボール箱に分解して外せる部品はとにかく外し、当て物をして、これでヨシッ!と出したのですが、NRTからSFO、サンフランシスコの通関時、出てきた箱のあてキズだらけ、見るも無残な様に愕然!(幸い中身は大丈夫でしたが)世界でもこんなに荷物を大切に扱ってくれるのは日本だけなんだと実感しました。https://goo.gl/UaU3XZ
ではまた。
by 井上 喜雄 (2017-03-03 21:09)