PlayStation Vita PCH-1100AA1 Review 開梱篇 [Sony・PlayStation]
あのPSPから7年。PSP Goからは2年。ついに後継機Next Generation Portableこと「PlayStation Vita」が発売となりました。
PlayStation Vita (jp.playstation.com)
今回僕が購入したのは3G通信機能搭載版の「PCH-1100AA01」。WiFiオンリー版PCH-1000ZA01のほうが19g軽いので、いつもの僕ならばWiFi版を買うところなのですが(実際PSP Goも“軽いから”買ったわけで)、今回のPS Vitaは今までのPSP/PSP Goと違って、「ゲーム機」ではなく「5インチ級タブレットコンピューティングデバイス」として運用するので、3G機能は必須だという結論に達し、3G版の購入となりました。
そのためパッケージにはでかでかとdocomoのロゴが入り、パッケージ裏面の内容物にも「SIMカードが本体に挿入済みですよ」の文言が入っています。
パッケージはかなり平たく薄い形状で、立方体に近かった初代PSP-1000や、かなり簡素で小さなパッケージだったPSP Goとはかなり印象が異なります。
BDパッケージと比べると、結構底面積が広いのがわかります。
ただ佇まい全体は安っぽくて、今ひとつ「これから新しい世界が始まるんだ」というワクワク感はあまり外見からは感じられません。こういう箱の意匠にも気を使って欲しかったなぁ。
向かって左側面には、docomoのプリペイドプランに関する説明と、QUALCOMMのロゴが入っています。つまり中の3GユニットはQUALCOMM系のモノということか。
開梱は上面の蓋が大きく上に開く方式。
中蓋には「ようこそ、“プレイステーション”の世界へ」というメッセージ。こういうもてなしは嬉しいですが、是非ともユーザーみんなが喜ぶような、素晴らしい「プレイステーションの世界」の構築を急いで欲しいものです(現状はまだまだ不満だらけ、特にゲームの少なさと他のSony製品との連携という意味で)。
で「ようこそ」と書かれたここを開いたらPS Vita本体が出てくるんでしょう?と思ったら、その中ぶたの下には、本体ではなく付属品が収められてました。
お~い、どんな肩すかしですか!(笑)
というわけでまずは付属品から。
説明書類が一式。特に3G通信に関するものがいくつも入っています。本体を譲渡した場合など、色々とSIMカードの扱いが面倒になるからみたいです。
とりあえずこの標準でついてくるプリペイド3Gプランに関しては、通信速度がDL128Kbpsだとか、半年間で100時間という時間制だとか、色々と突っ込みどころはありますが、なんといっても「一度期限が切れてから再度契約すると、また事務手数料が2100円発生する」という、プリペイドの意味をなくすようなケチくさい料金設定がされているのがいただけません。
本来「先に払った分だけ使いたいとき使う」というのがプリペイドの利点なのに、更新せずに期限が切れたらは再度事務手数料とか全く意味不明です。
しかも更新や再契約時の料金はクレカ払いか、後始まると言われているドコモケータイ合算払いのみ。ここはゲームやビデオのようにPS Storeのワレットから払えるようにすれば、PlayStation Network Cardなどから払うことが可能となり、もっとユーザーフレンドリーになるかと思います(iTunes Cardに比べて流通量が圧倒的に少ないという弱点がありますが、そこはSCEがもっと頑張るべきでしょう)。
いずれにしてもこのプリペイド3Gプランに関しては、折角の3G通信を全く活かせていないので、ドコモ・SCEともにその施策には、かなり再考の余地ありですね。
ACアダプタはPSP Goと同じくアウトプット5V/1500mAのものが入ってます。
しかしPSP Goのようなウォールマウントアダプタ的なものがなく、ただのメガネケーブルが付属するため、可搬性はPSP Go以下です。幸い全く同じ仕様のPSP Go用ACアダプタがPS Vitaの充電に使えるので、こっちは自宅での充電用。持ち歩きはPSP Go版を持ち歩こうかと考えてます。
そしてPSP Go用ACアダプタに続いて、USBジャックのところに妙な突起がついていて、普通のUSBケーブルがささらないという謎仕様がそのまま残っています。
こうなると、PS Vitaのためだけに専用のACアダプタを持ち歩かないといけないわけで(逆に他のACアダプタでPS Vita/PSP Goを充電できるモノは極端に少ない)、色々と事情があるのはわかりますが、何とかして欲しいものです。
この真ん中の凹みが恨めしい…
そして機器側の端子はPS Vita専用でPSP GoともWalkmanとも違うもの。ここらへんのユニバーサルさにかけるのもSonyグループの悪い癖ですねぇ。そこらへんは素直にAppleのDock端子を見習ってください>Sonyグループ各位
「ようこそ」の側ではないスペースに収められているのが、クイックスタートガイドとアプリケーションガイド。
この二つの細長いマニュアルの下に、待望のPS Vita本体が収まっています。
ではまず本体を見ていきましょう。
スーパーオーバルデザインと呼ばれるこの形状は、PSPを正常進化させたような印象で、より高級感を感じさせる精緻さがあります。
そういえば元ネタであるPSPをデザインした小笠原氏(その他にもSO210i/SO504i/CLIE UX50/VAIO C1/初代VAIO U等をデザイン)は、現在Sonyを退社されたとかいう噂が…今回のPS Vitaはどなたがデザイナーなのでしょう。すでにPS1/2/3をデザインされた後藤氏もSonyを離れられているそうですし(涙)
大きさはかなり大きく感じられます。PSP-1000/PSP Goと比較するとこんな感じ。
PSP-1000よりは薄いのですが、幅がひろいのでかなり大柄に感じられますね。ただ持ちやすさはよく考えられているので、あまり重さは感じないです。
iPhone 4と比べるとこの差。
やはりジャンル的には「小型タブレット」ですね。完全にSony Tablet Pのほうがライバル。
外縁を縁取るシルバーのパーツはグロス塗装がされていて、かなり美しくなっています。
内蔵スピーカーも左右きっちりとユーザーに向かってつけられているので、音は思ったより良いです。
PSボタンはもう少し大きいほうがユーザーには良かったような(事実上のホームボタンなので、かなりの頻度で押します)。
底面にはUSBケーブル接続端子とヘッドフォン端子。
ポケットに縦向きに入れて音楽プレーヤがわりに使うときのために、ヘッドフォン端子はここではなく側面の方が良かったですね。
上面にはパッケージソフト用のPS Vitaカードスロットと電源ボタン。
電源ボタンは妙に高級(笑)。
さらにアクセサリー端子とVOLUMEボタンも上面にあります。
PS Vitaカードスロットと、アクセサリー端子はむき出しではなくカバーを開ける仕様になってます。
背面にはPS Vitaの特徴である、背面タッチパネルがあります。
静電タッチパネル方式のためでしょうか、この部分がテカテカのグロス塗装となっていて、使い出すとかなり指紋が目立って、ちょっとカッコ悪いです。
タッチパネル部はPSファミリーお得意の○×△□のドットパターン。
底面にダウンロードデータや音楽・ビデオデータを保存しておくメモリカードスロットがあるので、PS Vita専用となっているこのメモリカード、
蓋を開けて、
このように挿入します。
正直何をやるにも必ずこのメモリカードの挿入を要求されるので、メモリカードの購入は必須です。
容量が好きなモノが選べるし、後々64GB/128GB/256GBとかが出てくることを期待すると、この仕様も頷けなくはないですが、やはりWalkman/iPod/iPhoneのように内蔵固定型のほうが、ユーザーにはわかりやすかったんじゃないかなと思います。
本体を持つときの左手側側面に問題のSIMスロットがあります。
SIMカードは引き出しトレイ式。
ドコモSIMロックがかかっているので、海外に持ちだして使うときに現地SIMを使ったり、SoftBank SIMを使ったりは出来ませんが(ドコモの料金が本体の値引き原資とかになってるわけでもないのに、なんでSIMロックをかけてるのかは全く謎)、ドコモ系SIMなら何でもいけるので、動作保証外ですがb-mobile SIMやイオンSIM、So-netモバイルSIMなんかも使えるのは間違いなさそうです。
僕も試しにXiのデータ通信SIM(L-09C購入で入手)をさして、mopera UのAPN設定を行ってみましたが、全く問題なくFOMAモードで動作しています。しかも2~3Mbpsで動くなどかなり速い!こっちのほうがタブレットコンピュータ運用では快適です。
APN設定も、プリペイドSIM用、ドコモ定額データ通信SIM用の他に、「APN手動設定」という項目が最初からありますし、『わかってる通信マニア君はお察しで使ってね』というSCE側のメッセージが伝わってきます(笑)
以上、開梱篇をお送りしてきましたが、このあと電源を入れて立ち上げてみたところ、
「PSNアカウントの設定にはシステムアップデートが必要」
「システムアップデートにはPSNアカウントの設定が必要」
という無限ループメッセージ状態に入ってかなり焦りました。
これは自分の手持ちのPSNアカウントを設定するのではなく、まずゲストアカウントでPS Vitaの初期設定を完了させ、それでシステムアップデートを行った後、改めて自分のPSNアカウントを設定することで回避できます。
ギリギリまでシステムのブラッシュアップを行なっていたためでしょうけど、さすがにこれは初心者の人には全く意味不明な動作なので、SCEはなんとかすべきだと思います。
その後はtwitterクライアントやニコニコ動画クライアントを落としたり、Webブラウザで遊んだりしましたが、動作はさすがゲーム機だけあってすこぶる機敏ですし(下手なAndroidスマートフォン・タブレットなんて霞んで見える快適さ)、ページをめくるというかメモ帳を破り捨てるようなイメージで、実行中のタスクを終了させるインターフェースなど、なかなか使っていて楽しいコンピュータです。
ただ惜しむらくは、色々な操作がタッチパネル操作オンリーになってること。
せっかくゲーム機としてハードウェアのボタンが沢山あるのですから、もっとこれが活用できたほうが、タッチパネルに頼りっきりのスマートフォンと差別化出来て、誤タッチに悩まされて、タッチパネルが好きでないというユーザーにも喜ばれたのではないでしょうか。
そこらへんはSCEお得意の鬼のアップデートで何とかしてくれることを期待です。
次はゲームでも買ってみるかな(ヲイ)
最近のゲーム市場はスマホゲームとの死闘だとか。ゲームをしない私には分からないのですが、こういった新たなゲーム機の登場で据置型のゲーム機の衰退が進みそうですね。
それにしても、プリペイドで手続き料2千円超えって酷い話にビックリしました・・・。そんなのあり!?って感じですね。
by as (2011-12-18 09:28)
5インチ級タブレットコンピューティングデバイスとして運用するという書き込みを見て、ナルホド!と思ってみたんですが、
PSVITAだとPDF見られないっぽいんですよね。
具体的にどうやってPSVITA使っていくつもりです??
by NO NAME (2011-12-19 00:12)