驚愕の三段オチ [Sony・MobileCommunication]
今年も世界最大の携帯電話ショー、Mobile World Congressがスペイン・バルセロナで始まりました。一昨年はXPERIA X1、昨年はSatio(発表当時はコードネームIdou)を発表したSonyEricssonですが、今年は一気に三機種の投入を表明、その発表会も笑いの趣向を凝らした三段オチの展開で楽しませています。
今までのSonyEricssonは、このMWCに合わせて新製品の大きな発表を行っていたため、例年11月~2月頭ぐらいはあまり製品が発表されることがなかったのですが、何故か今シーズンは11月の頭にXperia X10、1月にSatioの妹分にあたるSymbian S60搭載でHD動画撮影が売りのVivaz、2月頭にWindowsMobile6.5.3搭載の前面QWERTYキーボード機Aspenを発表していて、「これでMWCに新しいタマはあるのかい?」という疑問がぬぐえませんでした。
実際にプレスカンファレンスも、既に発表済みのXperia X10やVivazの話題で進んでいきます。
ところがVivazのプレゼンが一通り終わったところで、「フルタッチスクリーンは素晴らしいが、メッセージングやテキストインプットにはやっぱりQWERTYキーボードが優れている。このVivazにキーボードが付いたらテキスト主体の人には使いやすいんじゃないかと思ったんだ。」と話が広がっていきます。
SonyEricsson「だから本当に作っちゃいました、QWERTYキーボード付きのやつも。その名もVivaz Pro!」
Vivaz Proはコードネーム“Kanna”と呼ばれていたらしいので、Satio(コードネーム“Idou”)、Vivaz(コードネーム“Kurara”)に続く日本チーム企画の端末と思われますが、残念ながらNOKIA撤退の影響もあって、日本ではS60機の需要が少ないので、国内投入されることは無さそうな雰囲気です。
元ネタとなったVivazが厚さ12.5mm/質量97gなのに対し、Vivaz Proは厚さ15.0mm/質量117gと、スライド式のQWERTYキーボードが付いたにもかかわらず、2.5mm/20gの増加に抑えこんでおり、SonyEricsson技術陣の苦労が伺えます。
スペック的にはSatioとほぼ同じ、よりコンパクトでQWERTYキーボードが付く分、日本へ輸入して日本語化にチャレンジするにはVivaz Proのほうがハードルは低そうです(同じQWERTYキーボード付きであるNOKIA N97のノウハウが活かせる可能性があるため)。
そして一通りVivaz proのプレゼンが終わったところで、話は次に進んでいきます。
「Xperia X10は素晴らしい製品に仕上がった。Androidだからオープンで、Timescape/Mediascapeで新しいユーザー体験も提供できる。でも、スマートフォンは皆大きい。これが小さくなったら人々にスマイルを提供できるのではないかと思ったんだ。」
SonyEricsson「だから本当に作っちゃいました、Xperia X10の基本はそのままに小さくしたやつも。その名もXperia X10mini!」
Xperia X10mini (英SonyEricsson)
Xperia X10miniはスリーサイズが83 x 50 x 16mm/質量88gと、本家Xperia X10の119 x 63 x 13 mm/質量135gに比べ、高さが26mm、幅が13mm減と大幅にコンパクトになっており、今までのフルタッチスマートフォンには無い軽快さを実現しています。
その分、液晶画面は2.55インチの240×320ドット、カメラも500万画素と機能もコンパクトになってしまっていますが、Timescapeなどのユーザーインターフェースはmini用のものに変えられており、小さな画面でも問題ないように設計されています。
そして白/黒の2色展開だった本家X10とちがい、よりカジュアルなユーザーを狙って、白/黒/銀/ライム/赤/ピンクの6色展開になっており、日本に導入すれば今まで「スマートフォンは大きすぎて」という層にも十分リーチ出来そうな感じです。
ちなみにOSはAndroid1.6、このサイズの本体にA-GPS/Wi-Fi/Bluetoothと各種無線機器・アンテナが収まっているのは驚異的としか言いようがありません。これぞ何でも小さくしてしまうSonyスピリットといった感じで、かなり僕も欲しくなってきました。実際カンファレンス会場でも、発表の瞬間にプレスからその小ささに驚く歓声があがっており、世界的にも十分売れそうな雰囲気です。
しかし話はここで終わりません。
「メッセージングにはQWERTYキーボードがあったほうがいいし、コンパクトなのもいいよね。そうだよね。だから我々は考えたんだ、QWERTYキーボード付きの小さなスマートフォンがあったら、もっとみんなにスマイルを提供できるんじゃないかって。」
SonyEricsson「だから本当に作っちゃいました、Xperia X10miniにQWERTYキーボードを付けたやつも。その名もXperia X10mini pro!」
Get Compact and Clever with Sony Ericsson Xperia X10 mini and Xperia X10mini pro (英文プレスリリース)
Xperia X10mini pro (英SonyEricsson)
さすがに僕もこの発表には声を出して笑いました。まさか本当にこんなモノを作ってしまうとは。
Xperia X10mini proは、スリーサイズが90 x 52 x 17mm/質量120gと、Xperia X10miniに比べ、高さが7mm、幅が2mm、厚さが1mm、質量が32g増と、重さが大幅に増加している以外は外形もほとんど同じサイズを実現しており、QWERTYキーボード付きのスマートフォンとしてはかなりの小ささとなっています。
色はさすがにX10miniより少なく、黒/赤の2色展開。大きさ以外のスペックはX10miniと同じで、こちらもOSはAndroid 1.6、ちなみにminiシリーズは、どちらもCPUは本家X10の1GHz SnapDragonより処理能力が下の、600MHz MSM7227が採用されており、ちょっと処理がもっさりするかもしれません。
それでもmicroSDスロットも外さずにこのサイズの中に収めているのですから、いやはやこれはSonyEricssonやってくれたなと感心してしまいます。なお、3機種とも発売は今年の第二四半期(4~6月)を予定しており、夏ぐらいには確実に出てくるようです。
以上今年のMWCに合わせて発表されたSonyEricssonの新スマートフォン3機種をお伝えしましたが、今年もまた魅力的。特にX10mini/mini proは、4月に出る予定(グローバル版は3月?)のX10の購入を躊躇してしまうかもしれないぐらい面白いと思ってしまいました。
最近世界市場ではすっかり影が薄くなって、世界5強の座も危うくなってきているSonyEricssonですが、今回のユーモアたっぷりのプレゼンとか、社内も明るくなっているようですし、この調子で復活を遂げて欲しいですね。ただその前に、Android/Symbian S60/Windows MobileとOSを三つも並立させてる混沌状態を、どうにかすべきだと思いますが。
それにしてもX10miniは6色展開で好きな色が選べるし、どのみちiPhoneと併用することになるんだから88gという軽さは捨てがたいなぁ、もうここでXperia X10miniの購入宣言してしまおうかしらん。別に日本版が出なくてもグローバル版を輸入するだけのことだし(笑)
はっこうです。
興味深く読ませていただきました。
ありがとうございました。
by はっこう (2010-02-15 06:56)
mini proじゃなくてふつうにX10 proが出てくれればと思ったのは私だけでしょうか(^^;;
でかくても良いのでX10ベースでQWERTYが・・・・・・うーん、欲ですねこれは(爆)
by Riever (2010-02-15 09:11)
Xperia X10miniがドコモから出たらBBBを簡単に手放すかもしれない!
by sundayblue (2010-02-15 14:40)
じゃあおいらはXperia X10mini proで(爆)
by かつぽん (2010-02-15 16:51)
おもしろいラインナップだとはおもうんです。
でもappleも内部じゃ、噂にもなったiPhone nanoとか規格もあるんだろうに、そういうラインナップをせずにシリーズ1つに集約するっていうのは、やはり他メーカーからみたら危ない博打をしてるって感じなのですかねー、、、iPadも噂になったサイズ3ラインナップも内部じゃいろいろつくってはったと思うんですよねえ。なのに1つしか出さない野蛮さ。
by モーリタイザー (2010-02-15 23:35)
次にどれを「開発した事にする」のかdocomoにリクエストしないと…(笑)
by 蔵三 (2010-02-16 07:51)
スマートフォンではなく、ドコモの普通のガラ携でX10mini出してくらないかな(プラじゃなく、それなりの質感で)
素直にこのデザインはいいと思います。
それと、ソニーさん相変わらずですね。
まだXperia自体販売してないのでしょう。
しかも、まだまだ改良の余地あるじゃないですか。
そちらをほったらかして、次々に新製品ですか。
この調子なら、このデザイン自体もコロコロ変えるのかな。
せっかくのデザインが、そんなにコロコロ変えられると、デザイナーも気合いはいらないでしょうし、お客様もまた変わると引いてしまいますよ。
僕がiPhoneに変えた理由は、デザインをコロコロ変えないというのもあります。
by ショウヘイ (2010-02-16 10:18)