CASIOに先をこされてどうするよ [Sony・Cyber-shot]
ドイツで開催中のエレクトロニクス製品展示会“IFA”で、CASIOが超高速連写デジタルカメラの試作品を出展しています。
決定的瞬間を逃さない60枚/秒の超高速連写
世界最速の連写ができる次世代デジタルカメラを開発
目に見えない動きを捉える300fpsのハイスピード動画撮影機能も搭載(CASIOのプレスリリース)
有効画素600万画素、光学12倍ズームのコンパクトデジタルカメラでありながら、連写性能は60枚/秒という超高速。画素数を落としVGAレベルにすると、300コマ/秒という業務用特殊カメラのような、ハイスピード動画撮影が出来るので、いわゆるスポーツ中継の「スーパースロー」のような動画を簡単に撮ることが出来るようになります。
それがどれほどのものかというと、ここのサイトに動画のサンプルがあります。
“瞬感・美速”ソニーのCMOSセンサー(sony.co.jp)
もうお分かりですね。このCASIOの試作機の心臓部、CMOSセンサーはSony製です。
もともとこの「超高速CMOS」は、2006年の2月半導体の国際学会であるISSCCで発表され、当時Sonyの技術力の高さに驚きの声で迎えられたものです。
その時講演番号27.1で発表された論文に出ていた、CMOSセンサーの仕様はこんな感じです。
以上の資料は日経Tech-On!の記事(要登録)から引用しています。
この記事ではSonyから「2007年中には量産したい」というコメントがあったと記載されており、今回のCASIOのカメラが発売時期未定といいながら、ここまでの完成度を達成しているところをみると、CMOSの開発そのものは計画通りいっているようです。
それにしても不思議なのはこの試作カメラがCASIOから出てきたこと。
自社内のイメージングデバイス部隊で開発中のモノなのですから、技術情報はSonyのCyber-shot部隊/α部隊/Handycam部隊が一番先に手に入れることが出来るはず。それなのにSonyからは何の音沙汰も無し(この前日経の記事になってましたが、正式なプレスリリースもなく、2-3年後を目処になんて悠長なことを言ってます。)で、他社からデバイスを活用した製品を先に公開されてしまうとは、いったい何をやっているのでしょう。
Sonyのサイトにあるように、このセンサーが実用化されると、ビデオカメラとスチルカメラの垣根が完全に取り払われ、一台でシームレスに動画・静止画が同時撮影できるカメラを作ることが可能になります。Cyber-shotとHandycam双方で、世界のトップクラスに君臨しているSonyだからこそ、このセンサーを使用したカメラの一号機を出すべきではないでしょうか。
こんなことを言いつつも、ただ公開していないだけで、水面下ではものすごい新世代カメラを開発していることを期待したいです。何せここ数年のCyber-shotはあの体たらくですから…
うーん、研究部門と実働部隊に溝がければいいのですが。
あのハリウッドも類、希なるプロデューサーが仕切るからこそのヒットの図式と同様、SONYにも敏腕プロデューサーの出現が必要条件なのかもしれません。
要は図々しくて人なつっこい奴ですよ。
by Virgo (2007-09-01 03:35)
こんなスゴイデバイスを持ってながら…アレですかっ!
by 蔵三 (2007-09-01 07:05)
>一台でシームレスに動画・静止画が同時撮影できるカメラ
EUに輸出する際に関税がかかることになってしまう事になってしまうでしょうから、二の足を踏んでいるんじゃないでしょうか。
by 靖ゆき (2007-09-01 10:12)
現在も練りに練って開発していることを願っています。
せっかく開発したデバイス、有効に使わないともったいないですから。
by Riever (2007-09-01 18:10)
確かNikonのセンサーも・・・
う~ん・・・
by かつぽん (2007-09-03 01:22)
初めてコメントさせてもらいます。
非常に興味深いブログ、数日かけて読破(多分...)させて頂きました。
この記事を読んで、"もったいな!!"と思ってしまいました。
自分を含め、何も知らない一般人には"CASIOってすごい。"で、Sonyには触れないまま終わっちゃいますよね。もったいない。
どうしようもないコメントで申し訳ないです。
by itokins (2007-09-03 11:42)
こんにちは
あっ、と驚くような新製品を発表してもらいたいですぅ
by くまにぃ (2007-09-03 13:55)