SSブログ

Sonyの次世代技術はまだまだある [Sony・全般]

フランスのリヨンで、センサーとアクチュエータに関する国際学会「14th International Conference on Micro-Sensors, Actuators and Microsystems(通称「Transducers’07」)」が始まっています。

この学会で、Sonyがまたまた次世代ディスプレイデバイスの新技術を発表しました。

【Transducers】ソニーが次世代ディスプレイ「GxL」のコントラストを3万超に(日経Tech-on!)

この「GxL(ジーバイエル)」というデバイス、名前を聞いたことは無くても、実際の映像を見た方はたくさんいらっしゃると思います。実はGxLを使ったレーザープロジェクションシアターを、2005年の愛知万博にSonyが出展しているのです。

50メートル、600万画素の大迫力・高精細映像を実現する「レーザー ドリームシアター」を"愛・地球博"に出展

残念ながら僕は愛知万博に行けなかったので、実際に目にすることは出来ませんでしたが、縦10m横50mという超巨大スクリーンで、さぞすごい映像が流れていたんだろうと思います。

ちなみにGxLの心臓部となる「GLV(GratingLight Valve)」素子の発表は、2002年に行われており、

高精細・高コントラスト・広い色再現が可能なディスプレイデバイス「Grating Light Valve」を開発
~プロジェクターやプロジェクションテレビ向けに開発を加速~

このときはデバイスコントラストは3,000:1となっていますから、5年かけてコントラスト比は12倍に向上したということになります。

で、このGLVとは何ぞや?と言いますと、

マイクロリボンアレイ(極小の短冊形状鏡の列)という極小な鏡を縦一列に並べ、そのリボンが電気信号を受けて動くことで光の回折量を変化させ、映像の明暗を作っていくという素子です。GxLの場合、このリボンが縦に1080画素分並んでおり、これで縦方向に1ドットの映像が出来るので、走査ミラーを使って、左から順に高速に描いていくことで、横方向1920ドット分の映像を作り出し、結果1920×1080ドットのフルHD映像となるわけです。

光源の光を鏡で反射して映像を作り出すというと、TIのDLPが思い出されますが、DLPは光を反射しているかしていないかの二つの状態しかなく、プラズマテレビと一緒で時間積分的に明暗を生み出していきます。

それに対し、GxLは光の回折量をミラーの動きでアナログ的に変化させていくので、デジタル的なDLPよりも、滑らかで綺麗な画像になることが期待出来ます。

2002年のGLV発表時の目標に比べると、スケジュールは大幅に遅れており、現時点では民生用に使えるようなレベルではありませんが、おなじみのSXRDと並んで、将来の高画質ホームシアターに十分応用がききそうな感じがします。

それにしても液晶・プラズマでは今ひとつだったSonyも、その次の技術はやたらと持ってたんですね。有機EL、SXRD、GxL、(スピンアウトはしてしまいましたが)FED、と何でもござれ。今後技術トレンドがどう転んでもOKなぐらい切り札を持っています。

Sonyの未来はやっぱり明るい?


nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。