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弁解の余地は無しかな [Sony・全般]

Sony製のリチウムイオンバッテリを搭載したDellのノートPCで、ごく稀に過熱・発火の可能性があるとして、Dellが全世界で410万台のバッテリの回収・無償交換を行うことになったそうです。

デル、ノートPCのバッテリを無償交換~極めてまれに発火の怖れ(impress PC Watch)

その他の報道からえられた情報によれば、過熱・発火の原因は、Sonyの工場での電池製造工程で、微細な金属粉が紛れ込んだことだそうで、最悪の場合、Sony製のリチウムイオンバッテリを採用している、Dell以外のメーカーのPCにも問題が波及する可能性もあるようです。

Dellの回収費用は大半がSonyの負担となり、その額は最大500億円規模に行くとも予想され、一部のアナリストからはSonyの業績への影響までささやかれ始めました。

去年のCCD問題もそうでしたが、リチウムイオンバッテリを製造できる技術を持った企業は世界的にも限られているため、Sonyがかなりの世界シェアを持っており、うまくいっている時は「Sonyが世界に誇る製品」となりますが、こうやって一度問題が発覚すると、各方面に多大な影響が出てしまいます。

とにかく人身にかかわるような発火・火災となると、「不具合・不良」の一言ではすまないので、今度ばかりは弁解の余地は無し、速やかに問題が解決されることを願います。

ちなみにSonyグループでリチウムイオンバッテリを担当するのは、ソニーエナジー・デバイス株式会社

Sonyの世界戦略の一翼を担う重要な会社ですが、僕にはこのソニーエナジー・デバイス、前身のソニー・エナジーテック時代の1995年に工場火災を起こして、全世界的なリチウムイオンバッテリの供給不安を引き起こしかけた、というネガティブな印象が残っているので、「また何やってるんだか…」という思いもあります。

それにしても今年頭の松下電器のファンヒータ問題や、最近のパロマ工業の湯沸かし器問題、トヨタ自動車のリコール増加問題に見られるように、場合によっては人の命にかかわるような重大な欠陥が、品質世界一を誇っていた日本企業の製品から見られるようになったのは大変残念な気がします。

今一度日本の製造業全体が、気を引き締め直さなくてはいけませんね。特にブランドが大切なSonyには、他の企業以上に頑張ってもらわねば。


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Virgo

こういう問題は、人の生き死にに深く関係しますので、金額の問題ではなく、真摯な態度で臨んで欲しいです。半年強前のクリスマスに腰の携帯のリポ電池が焼き餅のように膨れて、本体破損された経験と中学生の時に実験に失敗して、学校のズボンに見事な伝線を作った人間としては、充電池、甘く見ないでねと作る人にも、使う人にも言いたいですね。

これリチウムイオンなので、こんな感じですが、リポだと洒落になってませんから。
by Virgo (2006-08-17 01:41) 

arkstar

やれコスト削減だ、やれ海外製造委託だと、品質管理をおざなりにしている部分で、
「日本製品=高品質」という図式が崩れてきている気がします。
戦後しばらくは「日本製品=安かろう悪かろう」だったのを、
高度経済成長期に世界に誇る高品質に押し上げたのに、また過去に逆戻りなのかな?って感じる事が多いですね。

繊細な考え方や、製品作りが取り柄だったのに、大量生産で、不具合も大量生産な流れになっている所は、気になりますよねぇ。
by arkstar (2006-08-17 08:07) 

武蔵

私もブログを作成しましたよろしく
【話題じゃなくてすいません】
http://blog.so-net.ne.jp/sonydaisuki333/
by 武蔵 (2006-08-17 12:04) 

Riever

この問題は真摯に対応すべきですよね。
ノートPCのバッテリ部分が焦げて黒くなった写真を見ましたが、結構真っ黒で悲惨な状態でした。
こういう事故はPCに入っているデータのみならず、人身事故にまで発展する可能性があるので速やかな対応を期待したいところです。
MacのPCにも一部ソニーエナジーデバイスのリチウムイオンが使われているそうで、Dellユーザーでなくても油断はできなさそうです。

ブランド回復が課題なのに、これではちょっとまずいですね。
by Riever (2006-08-17 12:18) 

 CCDの件そして今回のリチウムイオンバッテリ問題の報道を耳にして、改めて最先端基幹部品のSonyへの依存度の高さを垣間見ると共に、製造工程や管理の難しさを感じました。まずは事の重大さを真摯に受け止め、誠実な対応を願うばかりです。
そしてバブル崩壊以降のリストラ、早期退職などで職場を離れた、現場を良く知るオジサン、オバサンが激減した昨今、いかにしてノーハウを次の世代へ伝承して行くかが急務ですね。
by (2006-08-17 16:19) 

ahtoh

バッテリー問題だけだと断言はできませんが、DSC-P1のバッテリーがらみの問題は、問題が発覚してからかなり遅れての対応となり、希望者だけの対応という消極的な姿勢だったなんてこともありましたね(;´Д`A ```

ふと思うのですが、これが他社のPCのバッテリーだからこのように対応することになりましたが、もしVAIOのバッテリーに欠陥があった場合も同様に対応してくれるんでしょうかね?
SONYはそのあたりの対応が怪しい気がしています(;´Д`A ```
by ahtoh (2006-08-17 21:45) 

akoustam

>Virgoさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

電池ってなにげに危険なモノですから、あんまり安易に扱うのもどうかと思いますよね。Virgoさんのおっしゃるとおりリポだと洒落になりませんはな。とにかくSonyには対応に全力を尽くして欲しいです。
by akoustam (2006-08-19 01:38) 

akoustam

>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

どうも私的な利益優先で、「社会に貢献する」「みんなに役立つモノを作る」という公共心が失われてきてるのが、気になるんですよね。

多少のコストアップになっても品質管理を徹底させていれば、ここまで大量の回収問題にはならなかったと思うのですが。
by akoustam (2006-08-19 01:42) 

akoustam

>武蔵さん
コメントありがとうございます。

blog作られたようで、これから頑張って下さい。
by akoustam (2006-08-19 01:42) 

akoustam

>Rieverさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

バッテリの品質の問題もありますが、DellのノートPCの設計も発火に一役買っているようです。同じバッテリセルを起用した他社のマシンは発火しないみたいですから、熱設計の悪さも影響しているみたいですね。
by akoustam (2006-08-19 01:45) 

akoustam

>シマリスさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

CCDもリチウムイオンバッテリも、Sonyがハンディカムのために開拓してきた、世界に通用するデバイスなのですが、その二つがこう連続して問題を起こしたとなると、Sonyの変質ぶりが心配されます。

そういえば近年Sonyが熟練工の人たちをリストラしたなんてニュースを見た記憶もありますし、それも心配です。
by akoustam (2006-08-19 01:48) 

akoustam

>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

P1の問題、ありましたね~。あのときもえらい対応が遅かったような…。

個人的にはSonyの修理は迅速・的確という思いをしてきたのですが、そう考えると、あまりリスクマネジメントが、うまい会社とは言い難いのかもしれません>Sony
by akoustam (2006-08-19 01:51) 

Mr.アンチグローバル化

ソニーも本当に「グローバル企業」の仲間入りをしたということではないでしょうか、今回のバッテリー事故は。グローバル化というのは、要するにコスト削減収益拡大の世界的な動きが軸ですから、手を抜けると思ったところは全て手を抜かざるを得ませんね。つまりリスク管理になるわけですが、それを間違えると企業の存続そのものが危うくなると思います。日本企業は、下手にグローバル化路線を走らないほうが長い眼で見れば賢明だと思います。そういう意味で、欧米人をトップに置いておくのはいかがなものでしょう。彼らには品質重視の感覚が不足しているように思えてなりません。
by Mr.アンチグローバル化 (2006-08-26 23:59) 

akoustam

>Mr.アンチグローバル化さん
はじめまして&コメントありがとうございます。

>日本企業は、下手にグローバル化路線を走らないほうが長い眼で見れば賢明だと思います。

というお考えはたいへんよく分かるのですが、所詮競争というのは相手のあること、こっちが「イヤだ」と言っても、向こうがやる気なので、ある程度のグローバル化はさけられないと思っています。

それこそ江戸時代末期に、鎖国で別に何も困っていなかった日本が、黒船の来航で、否応なしに白人の帝国主義と対峙させられることになったのと同じで。

問題はグローバル化していく中で、魂に至るまで欧米的な企業になってしまうことではないでしょうか。

「和魂洋才」

今の日本人はこの言葉の意味をかみしめるべきだと思います。どんなに欧米式を取り入れても「大和魂」だけは忘れてはいけません。
by akoustam (2006-08-27 00:22) 

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