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Sonyの真髄 [Sony・全般]

昨日Sonyからデータプロジェクタが多数発表になりました。

薄型軽量なモバイルモデルなど、データプロジェクター6機種を発売
~ 電源を押すだけの簡単オートセットアップ機能などでプレゼンテーションを強力にサポート ~

プロジェクター/データプロジェクター(Sony Drive)

この手の企業向けプレゼンテーション用データプロジェクタは、仕事で使う人には大切なものですが、縁の無い人にはとことん縁の無い製品なので、Sonyの中では比較的地味な存在に思えます。

しかし心臓部となる3枚の液晶パネルは、Sony社内で作っているので、ある意味れっきとした「ソニーパネル」搭載製品。家庭用プロジェクタにも、使われる技術がたくさんありますので、このデータプロジェクタも目が離せないジャンルです。

そして、僕がこの薄型軽量データプロジェクタ「VPL-CX21/CS21」を見ると思い出すのが、日経ものづくりの記事。

ソニー復活の原動力は何か---誰も使っていない小さなオンリーワン技術の積み上げ(日経ものづくり)

法人向けのデータプロジェクタとは思えないほどスタイリッシュで、いかにもSonyといった感じのデザインと、ここまでの薄型軽量を実現できたのは、Sonyが採用した、大成プラスという会社の、「ナノモールディングテクノロジー(NMT)」のおかげなわけですが、その採用に至るまでの話が面白いんです

>「だが、どこへ行っても、『実績はあるの?』とばかり聞かれた。『実績があるなら使うよ』という反応だった」。

>「ソニーは違った。この会社だけは,『どこが採用したのか』とは一度も聞かなかった。むしろ,どこも使っていないことを念押しされた記憶がある」と成富氏は証言する。

>ソニーのこのプロジェクタの設計者は,大成プラスが提供したデータだけでは気が済まなかった。大成プラスが金槌でサンプルをガンガン叩く,先述の荒っぽい強度試験を自分の目で直接見に来たというのだ。だが,それでもまだ納得しない。そして,今度はソニーの設計者が金槌を手にし,自らサンプルをガンガン叩いて,壊れるまで叩き続けると,ようやく深くうなずいたという。「ソニーの設計者は,自分の手で壊してみる実感で,NMT技術が本当に使えるかどうかの判断を下したようだ」(成富氏)。

この話には僕も素直に驚嘆しました。Sonyが「世界初」「世界最小」「世界最軽量」な製品を多数生み出してきたのは、こういう技術者の方々の存在があるんですね。

特に「どこも使ってないことを念押しされた」というのは、すぐに「実績が」「採用例が」と言ってきて、冒険しようとしない、決断ができない企業や技術者との違いを感じます。

実績のある技術を使って、堅実で、信頼性の高い製品を作ることも必要だと思います。消費者だってとんがっている製品よりも、無難だけど壊れにくい製品のほうが幸せになれるでしょう。

でも、僕がSonyに期待しているのはそこじゃないんです。そんな製品は松○とか○芝とかに任せておけばいいんです。

多少難があろうが、今まで誰も見たことのない、すごくて、かっこよくて、憧れを抱くようなとんがった製品。こういう製品を発売して楽しませてくれるのがSonyの真髄だと思うんです。

このデータプロジェクタを生み出した、名も無き技術者のような方が、もっともっと活躍できるような会社になれば、Sonyの真の復活は実現されるでしょう。これから是非ともがんばって欲しいです。


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コメント 2

 そこまでやるんですか。凄いというかお驚きですね。
そういや、HDDウォークマンやハンディカムの衝撃保護システムの【Gセンサー】、【重力加速度センサー】をSonyさんと共同開発し、採用されましたと誇らしげにインタビューを受ける中小企業の社長さんが、私の居住地の地方新聞に載っている記事を思い出しました。(すいません企業名忘れました・・・汗)
by (2006-06-08 22:46) 

akoustam

>シマリスさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

この記事には、そこまでやるのがSonyという企業の強さの源なんだと、教えてもらった気がします。それに日本の中小企業の技術力はものすごく高いですからね。ただ自社開発すればいいってものでもないのもよくわかりました。
by akoustam (2006-06-13 08:23) 

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