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Private Hi-Vision [Sony・TV]

既報の通り、SonyのテレビBRAVIAに20~26インチの中型機「S2000シリーズ」が加わることになりました。

<ブラビア>オフィシャルページ

昨年の年末商戦に、それまでのWEGAのブランドを捨て、BRAVIAに進化したSonyのテレビですが、ファミリー向けが中心の年末商戦では、中型機はモデルチェンジのタイミングではないという判断か、単に開発の手が回らなかったのか、はたまたS-LCDの生産能力の問題だったのか、何故か全て32インチ以上の大型機だけのラインナップでスタートすることになりました。

結果26インチ以下は、デジタル対応スタンダードクラスがハッピーベガ、ハイグレードクラスは売れ残っていたベガHVX、デジタル非対応機は液晶ベガが併売されることになり、非常にわかりにくいラインアップになっていたことは否めませんでした。

そこで今回春の進入学商戦に合わせ、Sonyはプライベートハイビジョンと銘打って、20/23/26インチのS2000シリーズを投入してきました。これで20~50インチまで、Sonyのハイビジョンテレビは全て「BRAVIA」でブランド統一されたということになります。

昨年ここで宣言したとおり、家のテレビ環境を「普段小画面液晶、時々SXRDプロジェクター(リアかフロントかは未定)」という二方式併用でいこうと決めた僕にとって、このクラスは「普段小画面」のためのテレビとして、真剣に購入検討中の要注目カテゴリー。このBRAVIA S2000はどんな出来なのか早速見ていきましょう。

 

・新高画質回路“ブラビアエンジン”を搭載

以前から僕も嘆いていたように、この中・小型機クラスというのは、どうしても安く作ることが優先になりがちで、大型機に比べ安物の映像回路が使われることがほとんどでした。

実際前モデルのハッピーベガも、HD映像はなかなかの高画質だったのですが、いかんせん通常のSD映像がボケボケのひどい画質で、SD映像をまるごとHD画像並みの信号に作り替える(それっぽく見えるだけでHD画質になるわけでは無かったですが)ベガエンジンHDを積んだHVXシリーズと見比べてしまうと、「コストダウンしてま~す」というのが明らかに分かってしまう出来でした。

これから地上デジタルのエリアが広がっていけば、SD映像を見る機会も徐々に減少していくとはいえ、LDもDVDも全てSD品質。まだまだSD映像に触れる機会が多いのに、SDの画質がダメダメでは見る気もなくなるというモノです。

それはまずいと、さすがにSony開発陣も気づいたのか、今回のS2000シリーズでは「ブラビアエンジン」という名前で新しい映像回路を投入してきました。なにせ前の「ベガエンジン&ベガエンジンHD」がかなりの高評価だっただけに、このブラビアエンジンの出来は気になるところです。

Sonyによると、その特長としては、

1)より色鮮やかな映像を再現:カラープロセッサー

2)より奥行き感や立体感のある映像を再現:コントラストエンハンサー

3)MPEGノイズリダクションによりクリアな映像を再現:MPEGノイズリダクション

4)より精細感あふれる映像を再現:ディテールエンハンサー

の4点が上げられています。

どれも映像信号そのものをリマップ(一から構築し直す)するというDRCのコンセプトと違って、ある信号を補正するという考え方で出来ているようです。特にコントラストエンハンサーは、要は「ガンマ補正」でしょ?というようにしか見えないのですが…大丈夫でしょうか。

ついでにどういう処理を行うかのブロック図を比較してみますと、

ブラビアエンジン

ベガエンジンHD(現在はDRC-MFv2エンジンとして、BRAVIA Xシリーズに搭載)

ベガエンジンHDではCCP3が行っていたA/D変換と3次元Y/C分離を、別に名も無き通常品質の回路が行っているようです。またI/P変換はDRC-MFv2が、NRはIFPが担当していたのですが、それもブラビアエンジンの肝の処理を行う前の部分の回路が行うようです。

結局こういうのは、ご託を並べられるよりも実際の製品を見て判断するしかないので、ソニービル等での展示を待ってみないと結論は出せませんが、今のところ、ハッピーベガ以上、BRAVIA X & ベガHVX以下の画質になっているような気がします。

それでも23/26インチは、視野角178度、コントラスト比1200対1、応答速度8msのS-LCDパネルを使っているので、このクラスとしてはかなり画質に期待できるマシンではないでしょうか。僕としてはこのクラスにもBRAVIA X並の最高級回路を奢ったシリーズが欲しかったので、ちょこっと期待はずれですが。

・業界最小の奥行を実現した省スペースデザイン

これは素直に拍手です。なんたってInternational CESで参考出品された新SXRDリアプロが、55インチで奥行き30cmという驚異の薄さを達成しているのに、中型の薄型テレビが、スタンドに載せたら奥行き30cm以上では意味無いですから。

・「見やすく」「押しやすく」「使いやすく」なったシンプルリモコン採用

リモコンのボタン数を減らし、チャンネルボタンを大型化して使いやすいようにする、その考え方はよく分かるのですが、PC Watchで山田祥平氏が指摘しているように、そもそもボタンをずらずら大量に並べる「リモコン」というデバイス自体が、はたして本当に人に優しいインターフェースなのか再考する時期が来ていると思います。

コストをかけられず、XMBすら搭載できない今回のS2000シリーズに、こういうことを望むのは酷な話ですが、ほんの2年半前、Sonyはこんな素晴らしい次世代テレビインターフェースにチャレンジしているじゃないですか、これの成果はどこに行ってしまったのでしょう?「エアタクトシステム」。これこそ21世紀の新しいテレビリモコン像だと思うんですけどね。

・HDMI入力端子とともにニーズの高いPC入力端子を搭載し、接続性を強化

ようやくHDMI端子が全機種に装備されました。あのさんざ迷走したAACSにおいて、BDもHD映像をD端子・コンポーネント端子に出力しても良いということが決まったのですが、どうやら時限的な措置らしく、結局デジタル著作権保護が行えるHDMI端子じゃないと、HD映像を楽しむことが出来なくなる可能性が排除されたわけでは無いようです。

そんななかでHDMI端子無しなんてテレビを売るのは、そのメーカーの姿勢が問われかねません。ただこれではHDMI端子非搭載のBRAVIA S/Vシリーズの立場が無いんで、おそらくこの大型機2シリーズも、早晩(世界的球蹴り大会の前ぐらい?)モデルチェンジすると思われます。

PC入力はアナログ接続のD-Sub15ピンですね。しかし、こいつのパネル解像度は1,366×768。WUXGA(1920×1200)解像度でDVI接続もできるSDM-P234Bが15万円で買える時代に、こいつにPCつなぐメリットって「省スペース」以外あまり見いだせないのですが…


こうして見てきた今回のS2000シリーズですが、とにかく中型機としては「かなりいい!」という印象です。

前のハッピーベガが、ベガHVXの超高級路線の反動からか、Sonyらしからぬ、安っぽくてえらく手抜きな製品だったのと比べれば、ようやくまともな中型テレビが出たという印象です。

今後のお願いとしてはフルHD化とiLINKの復活を是非というところでしょうか。

これで来年あたりフルHDパネルで1080p対応可能となれば、PS3とセットで23/26インチが若い連中に爆発的ヒット、ということも期待できるかもしれません。

 

で、肝心の僕が買うかどうか…これは大いに悩んでいます。

とりあえずこれで候補は二つに絞られました。SonyのBRAVIA S2000か、ナナオのFORIS.TVか。

デザインはナナオの方が好み。

画質比較は今のところ保留。

値段はソニスタクーポンのためにS2000が圧倒的に有利。

あとS2000の方がコンパクトで軽いんですよね(プロジェクタを見るために頻繁に動かす可能性があるので、軽いというのは非常に重要なファクターなんです)。

プロフィール・プロが壊れ、東南アジア旅行のハイビジョン映像が大量にある今の僕は、まさにテレビ買い換えの絶好期なんです。

さぁてどうするか、悩む日々が続きそうです。


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arkstar

ブラビアエンジンに漠然と不安を感じています。
私の液晶WEGAは、DRC-MF(V1ですらありません ^_^;)が搭載されていますが、
アナログ地上波(SD画質)は終わっています(^_^;)
DRC-MF V1、V2搭載の液晶TVは所有していないので、店頭で見た限りなのですが、
HD画質は綺麗ですよね確かに。
でもSD画質に関しては違和感をもの凄く感じてしまいます(^_^;)
13年前に買ったブラウン管ワイドのキララバッソ(WEGAに変わる前のTV)の方が、
ナチュラルに表示してくれます(インタレースしているハンデはありますが)

あと、やはりフルHDパネルではないのでPC接続時にSXGAが出ない点はかなり痛いかなぁって思います。
by arkstar (2006-02-09 08:22) 

akoustam

>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

DRCもv1→v2と進化してきましたけど、結局のところは「他社よりはすごい」というだけで、固定画素ディスプレイに複数の解像度の映像を賄わせようということ自体が間違いなんですよね。

そういう意味では固定画素でないブラウン管の方が、よっぽど今の過渡期には最適なディスプレイである、という結論が導き出されてしまいます。

ほんとは23インチワイドで、QUALIA015並の超高級ブラウン管モニターを出してくれたら喜んで買うんですけど。

WUXGAのPCディスプレイにデジタルチューナー積めば、万事解決のはずなんですけど、どこもそれをやろうとしませんねぇ…
by akoustam (2006-02-10 04:35) 

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