HD Worldへの助走 [Sony・Handycam]
CEATECやA&Vフェスタと違って、完全に放送業界関係者向けの展示会のため、一般の人からあまり注目を集めないイベントなのですが、今年も11月16日から国際放送機器展、通称InterBEEが開かれます。
といっても放送・業務用機器は、Sonyが圧倒的な影響力をもつ、独壇場といって分野。僕らが目にするテレビ放送の未来も、ここでの動向が直接関わってくるだけに、Sonyの展示は要注目です。
『映画から報道まで、HDはソニー。』 ~ 拡がるHD制作に対応する最新機器をInter BEE 2005に出展 ~(Sony プレスリリース)
最近のInterBEEはその年の4月にラスベガスで行われる、世界最大の放送機器展示会「NAB」で、初披露・参考出品されたモデルが、今度は実際さわれるレベルまで作り込まれて出品される場になってきており、ここで初披露というような技術はあまりありません。
ちなみに今年のNABで、SonyはXD CAM HDを自由に触れない状態で参考出品しており、今度のInterBEEでは、触らせてもらえるレベルのモノを出品してくるものと思われます。
このXD CAM、Blu-ray Discの業務用版という感じの、「プロフェッショナルディスク」という容量23.3GBのディスクに、現行の放送レベルのSD映像を記録していくという、DVDカムのものすごいヤツみたいなシステムで、これのハイビジョン・HD対応機が出てくる(おそらく来年になれば、放送局・番組制作会社に正式投入と言われている)というわけです。
放送用規格のため、一般消費者にはまるで関係がないものなのですが、数年後にはこの技術が民生用にフィードバックされ、テープを使う「HDV」のディスク版「Blu-ray Handycam」として、僕らの前に姿を現すことになるのではないかと思われます。
実際CEATEC 2005のBlu-ray陣営のパネルディスカッションでも、松下の小塚さんが
> 「8センチメディアをBDで作ると1層で7Gバイト、2層で14Gバイトとなるので、放送レベルの画質だったら1層で45分、2層で1時間半の録画が可能。DVDカムコーダーが人気になったのは、録ってすぐにDVDレコーダーで編集したりDVDプレーヤーで再生できるという利便性があったからだと思う。 BDの場合はBD-RE/BD-R/BD-ROMの規格が統一されているので、規格が乱立した記録型DVDよりも互換性は高くなるでしょう」
と、近い将来のBlu-ray Handycamの可能性を示唆しています。
ちなみに業務用HDカメラでも色々な規格が争っていて、松下は「P2」という名のSDカードを使用したメモリーカード記録のカメラを提案していますし、ビクターはさすがHDVの元祖だけあって、「Pro HD」というHDVベースのテープ記録を提案しています。
最近の民生用カメラでも盛り上がっている、映像記録に適しているのは、テープか、光ディスクか、メモリーカードか、といった争いは、将来HDDも巻き込んで、次世代Handycamでも繰り広げられることになるのでしょうか?
個人的にはしばらくはHDVが普及していって、ある程度時間がたったところでPS3がPS/PS2並に成功して世界的に普及し、撮ったディスクがそのまま再生できるという利点から、Blu-ray HandycamがHDVと入れ替わりに主流になっていくのではないかと思います。メモリーカードはバカ高い、HDDは信頼性とリムーバブル不可という面で不利じゃないかなぁ。
放送、撮る・見る・残す、これら全てがHD化されたとき、どんな世界が待っているのか、その片鱗を見てみたい方は、小難しい展示会ですが、行ってみるのも面白いですよ。
僕は色々な事情から見に行けないのですが・・・
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