SSブログ

人は流れに乗ればいい [ベトナム縦断自転車旅行記]

3月3日朝8時20分、いよいよ自転車旅行スタートです。

DSC06962.jpg

まずはホーチミン市内の喧噪を抜けていくわけですが、既に9時前のこの段階で暑いことこの上ない。

そしてあふれるバイクの人々。

DSC06963.jpg 

こんな中を縫うように走り抜けながら、今日は一路東を目指します。

道はベトナムの幹線道路1A号線ですから、車もトラックもバイクもものすごい数。途中には料金場もあったりします。

DSC06964.jpg 

1時間ほど走ったところで、スーパーマーケットの側に出店があったので、そこのパラソルの下で休憩。

DSC06967.jpg 

ベトナムではこうやってパラソルと低い樹脂製のテーブルと椅子を置いた出店が、道ばたにたくさんあって、暑さにやられた人々を潤してくれます。

DSC06965.jpg 

20分ほど休んだら、さらに東へ走行開始。なんだか立派な建物がありましたが、これはあのカオダイ教の寺院か何かかな。

DSC06968.jpg 

しかし道路の混雑は相当のもの。ついには渋滞で身動きがとれなくなってしまいました。仕方ないので。橋の路肩に自転車を上げて、止まっている車やバイクの列を横に見ながら走っていきます。

DSC06969.jpg 

ただ一歩バランスを崩すと河に落ちそうでちょっと怖い(笑)

DSC06970.jpg 

さらに走ること1時間。今日二度目の休憩をとります。

DSC06971.jpg 

ベトナムのカフェではお茶が無料で出てくるので助かります。しかし車の騒音が激しくて、のんびり休んだという気分にもなれず…

車の流れに乗りながらさらに走ること1時間。昼の13時前ぐらいにはあまりの日射しにすっかりフラフラとなり、道路沿いのカフェに駆け込みます。

DSC06972.jpg 

ここで飲んだのはサトウキビを搾って飲む「MIA(ミア)」という飲み物。値段は安い(5000ドン=20円)ですし、味も想像よりさっぱりしていて(炭酸のないスプライトの薄いヤツみたいな感じ(笑))気持ちよく飲めます。

こうして延々と水分を採りながら進んでいくのですが、お腹を下すことがありません。どれだけ汗をかいてるのかってことですね。

ミアも飲み終わってのんびりしていると、目の前にバイクがやってきました。

「ガー!ガー!」

DSC06973.jpg 

何だ?と思ったら、アヒル積んでるんですね、このバイク。ホント、ベトナムの人はあらゆる物をバイクで運ぶんだから…

これで気分も和んだところで、今日最後の20Km走行に挑んだわけですが、ここからが長い長い登り坂。

DSC06974.jpg 

最終的には280mまで駆け上がることとなりました。

DSC06975.jpg 

風もずっと東からの向かい風だし、今日は距離の割に疲れる運命にあるようです。

それでも4時間少々、76Kをm走って、スアンロクの街に到着。

WS000000.JPG 

ここはベトナム戦争の最終盤、サイゴン陥落前の最後の激戦が行われたところで、街にもそれを象徴するかのような像が建てられていました。

DSC06982.jpg 

今は平和な小さな街で、学校が多く、街には生徒さんがあふれています。

DSC06979.jpg 

そんなスアンロクにホテルはあるのか?何も情報無しで来てみたのですが、一軒だけありました。

DSC06978.jpg 

この「ホテル616」他にも選択肢はないし、ぼったくられるかなと思ったのですが、25万ドン(1000円)で広い広い部屋に、エアコン・液晶テレビ・冷蔵庫・ホットシャワー付き、しかもホテル内無料無線LANで何でもつなぎ放題という、とんでもなく設備の整ったホテルでした。これはラッキー。

DSC06976.jpg 

シャワーも浴びて一息ついたところで、街に出てみます。

ここで気づきました、僕の左足、右側半分だけ日焼けで真っ赤になってます。

DSC06981.jpg 

今日は丸一に日にわたって東に向かうだけの日。つまり太陽はずっと自分の右側からあたっていたわけで、そうしたらこんなことになってしまうんですね。

街に携帯屋がたくさんあって、職業病で色々と話を聞いてしまいます。

DSC06980.jpg 

端末はNOKIA中心で、やっぱりこういうラインアップになるんだなぁ。Androidスマートフォンの展示は一台も無し。

DSC06984.jpg 

さて、街の散歩も終わってホテルに戻ると、ロビーで一人の若者から

「こんにちは」

と声をかけられます。え?こんな辺鄙な街に日本人?ここには観光資源は何もないし普通の人は通過するはずだけど…と思ったのですが、彼がここにいる理由は簡単でした。僕と同じ自転車野郎だったんです(笑)

この岡山から来ているS君。2月中旬にハノイからベトナムに入り、いったんベトナムを南下したあと、カンボジア→タイと抜けて、4月の中旬にバンコクから帰るという計画で走っており、ハノイ出発から20日目にして、ちょうどホーチミンの手前80Kmのこの街にたどり着いたというわけです。

彼の自転車はARAYAのランドナータイプ。ペダルはクリップもない普通のもの、ギアレバーもダウンチューブにあって、ブレーキはカンチブレーキ。

DSC06986.jpg 

とおよそ「若さと体力があるからこそ出来る」とでもいうような、クラシカルな装備でやってきています。

しかもこれが彼にとって初めての海外旅行。バイク乗りでツーリングの経験は豊富なようですが、初海外でベトナム・カンボジア・タイの三カ国を自転車で走り抜けようとは、なかなかの根性です。

そういえば僕の初めての海外は23歳になる年、それまで海外どころか飛行機にも乗ったこと無いのに、アラスカまで自転車担いでいって、未舗装のデナリハイウェイを走る旅でした。

彼は今年24歳だそうで、一円たりとも無駄にしないケチりぶりや、筋肉痛の塗り薬まで日本から持ってくるのに、雨具は全く持ってこないというアンバランスな装備など、まるで16年前の自分を見るような、元気さとちょっとした無謀さには微笑してしまいました。

僕も20歳で何の知識もなく北海道自転車一周したときは、現地で出会った自転車旅行のベテランさんに、

「君すごいなぁ、この自転車と装備で北海道走っちゃうんだ。体力あるからこその芸当だよ」

と微笑されたものです。

人間こうやって年をとっていくんですね。S君もじきに南米とか行っちゃう人になるんだろうなぁ(笑)


nice!(14)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 14

コメント 2

Santa

お疲れさまっす。
これからの無事な旅を祈っています。
日焼け痛そうですね。
by Santa (2012-03-04 10:30) 

as

日焼けは大丈夫ですか?ベトナムの日差しの強さは凄いものがありますね。日焼けは火傷と同じです。決して甘く考えずにケアしてくださいね。同じ日本人に出会うというのも何かの縁ですね。きっと彼も将来はakoustamさんと同じように世界中を旅するようになるんでしょうね・・・
by as (2012-03-04 17:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

準備完了熱中症気味 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。