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VAIO type P 開発者セミナー リポート まとめ篇 [VAIO P-ZERO]

VAIO type P開発者セミナー、今日は前回の基板篇で書かなかった部分をお伝えします。

VAIO type P (Sony)

VAIO type P (SonyStyle)

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っとその前に、みんぽすのお約束から。


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みんぽす

 

プロジェクトマネージャーである、“マスターすずいち”こと鈴木一也氏のプレゼンの中で公開されたのは、基板だけではありません。「真に手でつかみやすいPCの大きさとはどうあるべきか」を検討するために、通常のVAIOの倍は作られたというデザイン検討モックも、会場に持ち込まれていました。

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全部で20個ぐらいはあったと思いますが、たぶんこれらも検討されたデザインの中の一部なんでしょうね。

その中でやはり僕をひきつけたのは、このデザイン。

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VAIOの伝統と言ってもよい、シリンダーバッテリーデザインです。

モックの上に貼られている付箋に各モックの3サイズが書いてありますが、このシリンダーデザインタイプは、幅254mm×奥行き138.2mm×高さ11.5~21mmとなっています。

開いたときのデザインなんかも、まさに“現代版VAIO C1”といった趣き。

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これなら“いかにもVAIO”なデザインということで、昔からのファンには熱狂的に受け入れられたかもしれません。

しかしこの案は結局ボツになっています。

その最大の理由は、やはり「奥行き138mmでは、机の上においてある状態から、手でガバッと掴むことが出来ない。」ということに尽きるでしょう。実際、持ち込まれた各モックには比較的似たデザインで奥行きだけが違うものが多数あり、「人間の手が楽にモノを掴める奥行きサイズは120mmが限界。」という答えを導き出すまでに、何回も検討した後がうかがえます。

もともとシリンダーデザインは、バッテリー効率の優れた円筒形バッテリーを、あえて本体の下から本体の外に追い出すことで、より薄いノートパソコンを実現した、初代VAIO 505のデザイン哲学から来ているわけですが(それを考え出した人は、VAIOロゴやPLAYSTATION1/2/3をデザインした後藤禎祐氏。)、薄さの実現には最適解だったシリンダーデザインも、「掴めるパソコン」を目指すVAIO type Pには不向きなデザインだったというわけです。

実際にほぼ完成形に近いサイズとなっているモックだと、

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平均的な日本人より手が大きい僕なら、何の苦もなく掴むことが出来ます。

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こうして気軽に掴めるサイズにすることで、VAIO type Pは“手放せないPC”に近づいたんですね。

そしてデザイン検討はその他細部にも及びます。液晶サイズもベゼルいっぱいまで使った大きいものを考えていた形跡がありますし、先ほどのバッテリーも、長時間駆動のためにシリンダータイプはどうか?という検討もされていたようです。

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う~ん、しかしこの出っ張りではあのtype Pの美しさは出せませんね。ボツになるのも当然といったところでしょうか。

これらの黒いモックは、いわゆる3Dプリンタで作られたものだそうですが、本格的にデザインされた本物に近いモックになると、

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制作費は軽く100万円はいくんだそうです(全くの余談ですが、夜の懇親会が終わった後、開発者の皆さんが手分けして、これら大量のモックをかばんにつめて持ち帰ろうとしている姿が、なんとも最先端のパソコンの開発者らしからぬアナログな光景で微笑ましかったです(^^;))。

そうそう、鈴木氏のお話で何気に一番驚いたのが、今回のVAIO type Pは開発中に厳格な重量管理をしなかったということ。

普通はこういう“最軽量”なプロダクトを作るときは、まず目標となる製品の重さを決め、部品一つ一つの重量管理を徹底して、金属フレームの無駄な部分の肉抜きなど、それこそ0.1g単位で軽量化を目指していくもんですが(大東亜戦争中で軽量を武器に活躍した零戦の開発リーダー堀越さんは、設計初期段階から『機体重量の10万分の1レベルまで重量管理をする』と断言していた)、開発チームは「これぐらいの大きさを目指せば自然と軽いパソコンになる」ということで、あまり重さには気をつかわなかったんだそうです。

それで最軽量構成時588gのパソコンを作ってしまうとは…

 

その後は参加者全員に“店頭販売モデル”のVAIO type Pが配られ、ソニーマーケティングでPetaMapを担当されている佐藤氏と、元VAIO C1のソフトウェア担当であり、PlaceEngineの開発者にしてKoozyt,Inc.の社長末吉隆彦氏(何気なく書いてますけど、ホントすごいメンバーが揃ってるなぁ。)のレクチュアを受けて(そこらへんの話はみんぽすトラックバックセンターに集う他のブロガーさんの記事にお任せ(汗))、1時間の“カフェタイム”

なんとVAIO type Pを持って銀座の街を歩いて来い、というのです。

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出発前にVAIO 505 EXTREMEと大きさ比較。本当にVAIO 505 EXTREMEのキーボード部分が、メイン基板の上に乗っかって、全体の奥行きが縮まったようなサイズをしてるんですね。

で、銀座の街に出たものの、行くあてはあまりなし(笑)

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ていうかkozyさんVirgoさんと連れ立って行動しているので、発売前の小さなパソコンを持った3人の男が夕刻の銀座を練り歩くという異様な光景になってしまいました(笑)。

で、たどり着いたのはここ。

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って林檎のマークが見えていますが…

構わず店内まで入って、某空気なパソコンと大きさ比較をして遊んでしまいました。ていうかtype pと比べるとMac Book Airもデカっ!

このように実際に使ってみることで、VAIO type Pの使用感はどうなんだということを書け、というのがこのカフェタイムの主旨なんだと思いますが、何せ持たされているのは、最も遅いAtom Z520+HDDという組み合わせ、この構成のtype Pをレビューしてもあまり参考にならないでしょう。

まぁ一言使用感を書いておくなら、

“悪いことは言わないから、99,800円という価格に惑わされず、VAIO type PはOWNER MADEして、Atom Z540+SSDの組み合わせにしとけ!”

ということですね。

このカフェタイムでは、自前のXPERIA X1+WM WiFi Routerで常にネットに接続しておいたのですが、ネットサーフィン程度ならまだしも、少し重い処理を行わせようとすると、すぐに“待ち”の時間が発生します。これがZ540+SSDの組み合わせになるとかなり解消されますので(懇親会で特別に触らせてもらった)、type Pの真の実力はZ540とSSDがあって初めて発揮されると思ったほうがいいです。

以上、VAIO type Pの開発者セミナーの様子をお伝えしましたが、読者の皆様が一番期待していたであろう“実際の使用感”をお伝えできなくて本当に申し訳ございません。使用感に関してはモノが届く明日以降順次お伝えします(明日かよ!)。

 

なので、最後のまとめとしてVAIO type Pの製品の話ではなく、このセミナーと終了後に開かれた懇親会についての感想を。

上にも少し書きましたが、夜の懇親会には鈴木氏や末吉氏だけでなく、type Pのデザインを担当した詫摩智朗氏や、製品企画を担当された伊藤好文氏が、CES2009終了後ラスベガスから直行で参加されるというウルトラサプライズありました。

“開発者とブロガーの懇親会”と書くと真面目そうな会に見えますが、要は“製品を作った人がそこいらの素人達と飲み会を開く(もちろん僕らも会の費用は負担してます。)”という、一昔前は全く考えられなかったことが実現しているわけで、こんな会に呼ばれた自分が大変な幸運に恵まれたんだということと、インターネットの普及で世の中変わったんだなぁとしみじみと感じました。

OPUSを一日貸し切るなどSony側もそれなりの出費がかかり、決して良いことだけを書かれるわけではないというリスクもあるのに(セミナーの最初に「僕らは何を書いてもいい」というルールが伝えられています。)、ここまでのイベントをSonyがやるのは、もちろん検索ヒット率の高いブログというメディアに製品のことを書いてもらうことで、テレビCMなどよりはるかに安いコストで、VAIO type Pに興味を持つ人々に高いリーチを実現できるという“プロモーション”の側面もありますが、イベントを主導したソニーマーケティングの担当者さんいわく、今回は「ユーザーがどんな製品を求めているのか本音が聞きたい」という“フィードバック”の側面のほうが強いんだそうです。

実際セミナーから懇親会にいたるまで、開発者の皆さんが「どういう機能が欲しいですか?」「次はどうしたらいいですか?」という質問を、逆に僕らに投げかける場面が非常に多かったのが印象的でした。

その昔Sonyという会社は、「技術者が自分で欲しいものを作って、ユーザーがそれについていく。」という製品が多いイメージがありましたが、今やそれだけでは通用せず、「技術者の“俺はこんなのが欲しい”という欲求も、ユーザーの“こんなのがあったらいい”という欲求も、同時に満たすような製品を作る。」という製品作りに変わってきているようです。

ですから、これを読んでいる読者の皆さんも、これからVAIO type Pを買うという方も、是非ただカタログを見ているだけ、ただ使ってみるだけでなく、「ここが良かった」「ここが駄目だった」というユーザーからの声をどんどん表明していって欲しいです。それがまた次のより良いVAIOの誕生につながっていくことになるのですから。

さぁ、明日から忙しくなるぞ~(Blogだけでなくリアルの仕事も忙しくなるんですけどね(ToT))

 

最後に今回のイベントを開いていただきました、ソニー株式会社様・ソニーマーケティング株式会社様・Koozyt株式会社様、お誘いいただいたWillVii株式会社様、その他関係者の皆々様に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました!


タグ:SONY VAIO type P
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Riever

今回は重量管理していないんですか。いつも削りに削っているSonyなだけに、ここはかなり意外です。
筐体はもちろん基板部も小さいので確かに分からなくもないですが、それでも、いわゆる"500ミリペット"よりもちょっと重いよ、というだけの重量になるのはさすがですね。
by Riever (2009-01-15 22:05) 

かつぽん

もう本当に、本当に、行きたかったなぁ・・・
嗚呼、四十九日の馬鹿・・・(ToT)

それはともかく、でかいんです、Airも(^^;;;
typeP来たあとは処分かなぁ、やっぱり・・・
by かつぽん (2009-01-16 00:25) 

sundayblue

>VAIO type PはOWNER MADEして、Atom Z540+SSDの組み合わせにしとけ!

はい!(笑)
by sundayblue (2009-01-17 11:01) 

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