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予測不能のスタート　[Le Tour de France 2006] [編集]

ツール・ド・フランス、第一日目は「プロローグ」。お客さんへの全出場選手の顔見せの意味合いが強いこのステージは、7.1Kmという短い距離を、選手が一人ずつ順番にスタートしてタイムを計測する個人タイムトライアルステージです。

これでまだ誰もリタイアしていない状態で、21チーム189人の選手全員の姿を拝める…はずだったのですが、前日になってとんでもないことが起こってしまいます。

このツール・ド・フランスの直前、リバティセグロスというスペインのチームの名物監督マニューロ・サイスが、ドーピングに関わった容疑で、医師と共にスペイン当局に逮捕されてしまいます。

結果、スポンサーのリバティセグロスはチームから撤退。チームのエースであり、優勝候補の一角カザフスタンのアレクサンドル・ヴィノクロフが、地元カザフスタンからスポンサーを探してきて、なんとか出場しようと準備を進めていました。

しかし逮捕された医師がドーピングに関わった選手等のリストを持っていて、そのリストがスタートの前日になって公開されたのです。

そのリストに名前が載っていたのは、問題の旧リバティセグロスチームの選手5人（あのホセバ・ベロキも含む）、優勝候補の大本命ヤン・ウルリッヒとイバン・バッソ、山岳賞の有力候補フランシスコ・マンセボ、そしてT-モバイルのオスカル・セビリャと有名選手ばかり。

まだドーピングをしたという証拠は出ていませんが、結局これらの選手は出場辞退というかたちで、スタートする前にツールから消えてしまったのです（旧リバティセグロスは、出場選手が足りないのでチーム丸ごと除外）。

ヤン、バッソ、ヴィノクロフ、マンセボと確実に優勝争いにからんでくるであろう選手が消えてしまったツールは、もはや誰にも予測不能。王者ランス・アームストロング引退後は大戦国時代に突入して始まることになりました。

不祥事でこうなってしまうのは、ものすごく残念なことであるのですが、誰が勝つのかわからないという混迷状態は、見る側にとってはわくわくするのも事実。僕は気を取り直して、今年のツールを存分に楽しもうと思います。

で、今日の結果。短いタイムトライアルなので、爆発力のあるスプリンターが有利かと思いましたが、スプリント賞の本命の一人で、あまりタイムトライアルは得意そうでない、クレディ・アグリコル（通称「農協」（笑））のトル・ハスホフトが勝ちました。

僕が勝つだろうと予測したCSCのザブリスキーは3位。

それ以上に驚いたのが、次世代の王者と呼ばれ、俄然総合優勝の可能性が高まってきたケースデパニュのバルベルデが5位に入ってきたこと。この選手、山岳は得意そうでしたが、こんな短距離TTでも強いんですね。なるほど総合優勝の候補だけはあります。

それ以外にも、ジョージ・ヒンカピーが2位、フロイド・ランディスが9位、カデル・エバンスが14位、とレースそのものは順当な結果となっています。

明日からはしばらく平坦ステージ、スプリンター達の豪快なゴール争いや、目立ちたがり屋さんの大逃げなどに期待です。

ところで応援しているオスカル・ペレイロはどこに？あぁ57位ですか、う～んトーマ・ボックレーより下とは…

■プロローグ結果

1位トル・ハスホフト（ノルウェー、クレディアグリコル）　　　　　　 8"17'
2位ジョージ・ヒンカピー（アメリカ、ディスカバリーチャンネル）　　+00"00'
3位デイヴィット・ザブリスキー（アメリカ、CSC）　　　　　　　　　+00"04'
4位セバスティアン・ラング（ドイツ、ゲロルシュタイナー）　　　　　+00"04'
5位アレハンドロ・バルベルデ（スペイン、ケスデパーニュ）　　　　　+00"04'
6位スチュアート・オグレディ（オーストラリア、CSC）　　　　　　　+00"04'
7位マイケル・ロジャース（オーストラリア、Tモバイル）　　　　　　　+00"06'
8位パオロ・サヴォルデッリ（イタリア、ディスカバリーチャンネル）　+00"08'
9位フロイド・ランディス（アメリカ、フォナック）　　　　　　　　　+00"09'
10位ウラディミール・カルペツ（ロシア、ケスデパーニュ）　　　　　 +00"10'

結果はcyclingtimeより。

2006-07-02 07:00 nice!(1) コメント(4) トラックバック(0)
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