ESPRIT -Designed to inspire- [Sony・TV]
一昨日は、米Sonyが夏から秋にかけて出すテレビの新製品をお伝えしたのですが、ヨーロッパはヨーロッパで、日本には無い新コンセプトテレビの先行予約が始まっています。
Premium home entertainment system ESPRIT TAV-L1 (英Sony)
このテレビを見て、ピン!と来た方も多いのではないでしょうか、実はこいつの試作品は昨年秋のA&Vフェスタで展示されていたものです。
A&Vフェスタ2005【ソニー/松下/パイオニア編】ソニー、スピーカー可動式液晶テレビなどを参考出展-新SXRDプロジェクタやAVアンプのデモも(impress AV watch)
AV watchの記事にあるとおり、ヨーロッパの展示会で好評だったこのスピーカー可動式液晶テレビですが、約束通り2006年のヨーロッパ発売となりました。
そのスペックはsony style-europeによると、
- 32インチ1366×768ドット ソニーパネル
- FMチューナー搭載
- S-master デジタルアンプ
- S-Force フロントサラウンド
- DVD/SACDプレーヤ内蔵(Div X/MP3対応)
- フロントスピーカ50W×2、サブウーファー100Wの3スピーカ構成
- HDMI/PC input端子(D-Sub?)あり
- 1069×856 ×470 mm 58Kg
となっているようです。しかしこんなスペック云々よりも、TAV-L1の魅力はそのデザインと、可動式スピーカーのギミック。まさにSonyのESPRITを感じさせる出来です。
テレビとDVDを見ているときは、上に液晶パネル、下にフロントサラウンドのスピーカ、というカタチでホームシアターを楽しめるのが、
スタンバイモードかミュージックリスニングモードになると、
スルスルとスピーカが電動で上がっていき、
このようにパネルが隠れて、純粋なアンプ・スピーカ・SACDプレーヤ一体型オーディオとして使えるというわけです。
しかもsonystyle-europeでは着せ替えパネルも用意してまして、
なんと4色/8パターンものデザインが選べるようになっています。米Sonyで発表されたKDL-40XBR2も、5色の着せ替えベゼルが用意されていますし、今期Sonyのテレビは、着せ替えパネルによる多色展開がトレンドになっているようです。
実際各ユーザーがテレビを設置する部屋の好みや、雰囲気、デザインテイストは千差万別、今までみたいに黒かシルバーしかないというのでは、選択肢としてあまりに少ないというところもあるのかもしれません。
ちなみにTAV-L1のお値段は3999ユーロ、最近のレート1ユーロ=144円を当てはめると576,000円になります。32インチ液晶テレビとしてはかなりの高額商品ですが、機能・性能・デザインを考えると妥当なレベルだと思います。
というか、最近の液晶やプラズマに対する「安ければいい、もっと安くしろ。」という風潮は今ひとつなじめないので、こういう良くできたテレビを、安売りせず適正な値段で売ろうという欧州Sonyのやり方には賛成です。
しかしアメリカやヨーロッパのラインアップを見ていると、Sonyのテレビは携帯電話と一緒で、日本市場が一番選択肢が無くて、良い製品が無い状態が続いていますね。
それは例えば「液晶だけど視野角178度(んな横からテレビを見る状況ってあるのか?)」とか「プラズマは何億色(それは計算上の数値であって人間の目にどれほど意味があるのか?)」みたいな無意味なスペックに踊らされてしまって、ちゃんとした「高画質・高品質」なテレビを評価する力が、日本市場から失われつつあるからではないかという気がします。
もっと多様な製品が日本でも買えるように、消費者の側もメーカーの数字やスペック、雑誌の提灯記事に惑わされないようにしたいですね(特に「リアプロ」というだけで「=低画質」と思いこんで記事を書いている、DIM○とかmonoマガ○ンといった素人物欲系雑誌のライターさん、ちゃんとした視聴環境でSXRDリアプロとかVictorのHD-ILAリアプロを見たほうがいいですよ。プラズマや液晶よりよっぽど高画質ですから)。
そしてSonyも日本の会社なんですから、日本が一番テレビのラインナップが充実しているという状態にして下さい。お願いします。
18年間一つのテレビを使い続けています。
「今度買うときは立派なのを買おう」と思っていますが、方式が色々あって難しいですね。
家電量販店で液晶とプラズマを見ると、あまりにも印象が違って
「どっちがどうなの?」とか思っています。
オロオロしているうちにアナログ放送終了を迎えそうな気がしています(笑)。
by Soul_Flower (2006-06-05 05:58)
VAIOもそうでしたが、サイバーショット、テレビ製品も
海外での情報発信の方が先になってきてしまいましたね。
akoustamさんのご意見同様で、私の身の回りでテレビを
購入する人もアクオスをナンの考えもなく選択する人
ばかりだしなぁ。。。日本の会社なんだからラインナップの
充実を求めるってのも難しいのかもしれません。海外での
評判が逆輸入で入ってくるのを待つしかないのかも!?
by 店員佐藤 (2006-06-05 07:55)
一昔前の舶来時計至上主義で、SEIKOなんて、っていう人たちと同じですね。
モノとしての中身や、デザイン、そして買う前、買った後、そういった色んな空気感を味わう余裕がなくなりつつあるのでしょう。
今の液晶テレビで本当に基準になるのはナナオぐらいでしょう。でもこれは直販なので、一般の方は眼になかなか出来ないはずです。
シャープのパネルは凄くても、映像回路が駄目なら本当は酷い絵で見ることになるんですよね。アクオスって。
by Virgo (2006-06-05 11:13)
どこかで書いたかもしれませんが
カシオの黄色い箱型のポータブルTV(画面マッチ箱サイズ)が
私の部屋のテレビです。
もちろん昔々の液晶なのでドットが確認できるほど荒い(笑)
テレビはあった方がいいに決まってるけど
そんなにテレビ自体見ないしなぁなんて思ってました。
・・・この記事を読むまでは。
かなりお値段するけど、これ欲しいです!
着替えパネルもmidnight blossom,sunset bloomなんかとてもキレイ。
見た目ばかりと軽くみられるかもしれないけど
自分の部屋の一部になるものなんだから「馴染む」ものじゃないと置けない。
もちろん画面がキレイは当たり前(笑)
日本発売望む。
by sundayblue (2006-06-05 14:16)
ベゼルが変更できる・・・・
何か、どこぞの携帯電話で両面パネルが交換できるっていうのを最近見た気が・・・(^_^;)
まぁそれは置いといて、視野角や色数競争は日本の「スペック至上主義」の副産物なんですよね。
ただ、以前の液晶の視野角の狭さは閉口ものだったのは事実で、
視野角90度とかでは個人向けではまだ良いとしても、リビング設置で家族でとなるとやはり厳しいと思いますし(かといって、150度越えた辺りで意味は成さなくなっていますが ^_^;)
これだけ見るとパーソナルサイズ?と思うのですが、サイズ32も有るんですね(^_^;)
う~む、少し大きいんですよねぇ。
by arkstar (2006-06-05 17:11)
いや~欧州向けだと、上品で落ち着いたデザインでカッコイイですね、あとはユーザーのお好みの着せ替えパネルでアクセントとか、インテリアカラーとのコディネイトが可能わけですね。
また米国と違い、住宅のスペースも欧州はそんなに広くないと聞きますので、こうした一体化モデルの発想も出てくるんですかね、でもその発想は一番日本向きなような気もしますが。
by (2006-06-05 21:01)
デザインはEIZOのFORISにも似ているような・・・(;´Д`A ```
by ahtoh (2006-06-05 21:27)
900nice!超え、おめでとうございます。
ヨーロッパのTV、デザインがかなりいいですね。Midnight Blossomがお気に入りです。日本で、BRAVIA SAKURAなんて出せば、売れるような気がします。まあ、もう桜の時期は終わってしまったのですが(^_^;)
それにしても、ヨーロッパやアメリカは頑張っているのに、日本は何でのほほんとしているんだろう・・・多国籍企業になるばかりに、自国での展開がおざなりになってしまって。創業者の井深さんたちが浮かばれません。
by Riever (2006-06-05 23:04)
A&Vフェスタに行きましたんで、これはじっくり観てきましたよ~。
製品版はいろいろ模様がついてますね。カスタマイズできるようになった
んですね。この可動式システムはインパクトありました。
スペック至上主義について・・
自動車なんかでも、ちょっと前まで馬力至上主義が盛んで、馬力が1馬力でも
多い方がスゴイみたいなのが雑誌で踊ってましたし、デジカメなんかも
画素数が多いほうが偉いみたいな、そういうスペック数字重視の風潮が日本に
はずっとありますよね。
それにどれほど違いがあるのだって感じで、いろいろなバリエーションを
増やしてもらったほうが、どれだけありがたいか・・
こういう異色のTVも、国内で扱って欲しいものです。
by はまちゃん (2006-06-06 00:59)
>Soul_Flowerさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
うわ~18年選手のテレビですか、物持ちイイですね。何でもさっさと新製品に買い換えてしまう僕は尊敬してしまいますよ。
液晶とプラズマの選択は難しいですね。なにせ家電量販店なんて行っても、全然比較になりませんから(ああいう店の売り場って一般家庭ではありえないような明るさになっていて、とてもそのテレビ本来の画質で視聴できないんです。)。アナログ終了まであと5年、ゆっくりじっくり考えることをお勧めします。
by akoustam (2006-06-06 12:15)
>店員佐藤さん
コメントありがとうございます。
インターネット時代になって消費者側も、どこで何が売っているのかを簡単に知ることができるようになってしまったのですから、こういう地域ごとに売ったり売らなかったりっていう戦略はあまり良くないと思うんですけどね。「なんで日本では売ってないんだ!」って反発は当然あるでしょうから。
アクオスは完全にブランド化してしまいましたね。僕は液晶テレビは東芝のレグザか松下の液晶ビエラの方が画質がいいと思います(BRAVIAは?と言われると、BRAVIA Xならとしか言えないのが苦しい(^^;))。ただSXRDやBRAVIA Eの画質を知っていると、42インチ以上の液晶・プラズマは必要ないというのが本音ですが。
by akoustam (2006-06-06 12:23)
>Virgoさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
なんかこのバブル後の失われた十年で、日本人全体の「余裕」も失われてしまった気がするんです。スペックや値段には出てこない価値に対してお金を払う余裕がないと、今みたいなスペック数値だけで、モノの善し悪しを決めてしまう風潮になっちゃうと思うんですよね。
アクオスは回路もそうですけど、シャープの「高画質」の基準がなんかずれているような気が…放送機器とか業務用機器をやってこなかった会社である以上、仕方のない部分もあるのですが。
by akoustam (2006-06-06 12:27)
>琥珀さん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
まぁ確かに今の地上波テレビ(特にゴールデンタイム)は、下品な番組だらけで一所懸命見る価値がるのか甚だ疑問ではありますね。
でもこういう格好いい機械で、上質な映画や音楽を視聴できたら、なんとなく幸せな気分になれそうですよね。ちょっとどころかかなり高額ですけど、日本でも是非売ってほしいです。僕はSunsetが好みかな。
by akoustam (2006-06-06 12:31)
>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
視野角90度はさすがにつらそうですね、リアプロでも120度はあるはずですから。
このL1小さいように見えて、32インチ横幅1mオーバーなんですよね。はっきり言ってかなりデカい。これで23とか26ならもっと良かったと思うんですけど。
by akoustam (2006-06-06 12:39)
>シマリスさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
欧州と日本の住宅事情なんてそれほど変わらないはずなんですけどね。ただこのテレビに50万円払う、精神的なゆとりが日本には無いから、欧州のみってことなんでしょう。
日本でも反響があれば売るとしていますが、はたしてどれほど反響があったのか…この記事の皆さんのコメントの多さを“反響”と受け取ってくれないかな(^^;)
by akoustam (2006-06-06 12:43)
>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
スピーカーを下にしたときは、大きなFORISって感じですね。それでもスピーカーが上下すると言うギミックだけで、僕は大喜びですが。もし日本で発売されて買ったとしたら、しばらくは意味もなく上下に動かして遊んでしまいそうです(^^;)
by akoustam (2006-06-06 12:48)
>Rieverさん
コメントありがとうございます。
Sonyが出さないのもむかつきますが、今の日本人にこういう酔狂な商品を買うだけの精神的なゆとりがないと思うんですよね。電器製品に限らず、なんでもかんでも安ければいいというような価値観がまかり通りつつありますから。
僕が回転寿司が大嫌いなのはそこなんです。「寿司というのは特別な食べ物であって、安売りするようなものじゃない。何事にも価値に応じた適正な価格がある。」と思っています。
昔のSony製品ってそういうもんだったんですけどね。「高いけど高いなりの価値がある」っていう、それがBRAVIA VやBRAVIA Sあたりを見てると悲しくなってきます。
by akoustam (2006-06-06 12:54)
>はまちゃん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
そうですよね、はまちゃんはA&Vフェスタで見てるんですよね。いいなぁ。
数字ってほんと魔法のようなもので、それで正確な価値が表されてると勘違いしがちなんですよね。クルマも数字にならないフィーリングとかが大切ですし、数字にならない本当の価値を見抜けるような消費者になりたいものです。
by akoustam (2006-06-06 12:57)