決断の時 [東南アジア自転車旅行記]
半年ほど前、この旅行の基本計画を思いついたとき、前半戦にひとつの大きな難問が待ち構えているな、ということは分かっていました。
(1)国道13号線(バンビエン~ルアンパバーン県シェングンまでの区間)及び
その周辺地域(バンビエンを除く)
:「渡航の是非を検討して下さい。」
(イ)国道13号線においては、2003年2月に通行中の路線バスやピックアップ
トラックがライフル銃による襲撃を受け外国人3人を含む12人が死亡した
事件が発生しました。その他にも通行中の車両に対する襲撃事件が頻発
し、多数の死傷者が出ています。
(ロ)これら襲撃事件の発生背景については明らかになっておらず、単なる
強盗ではなく、反政府集団によるテロ活動との見方も依然として強いこ
とから、今後も同種の事件が発生する可能性は排除できません。
(ハ)つきましては、これらの地域へ渡航・滞在を予定されている方は、渡
航の是非を含め自らの安全につき真剣に検討され、渡航する際には安全
確保のため十分準備されることをおすすめします。
明日から自転車旅を再開させる僕が走るルートは、この国道13号線(ルアンパバーン→バンビエン)。まさに危険情報が発せられているルートなのです。
こちらに来てからも、出会う旅行者で、このルートをバス等で通ってきた人もたくさんいるので、安全性について聞いてまわってきました。人によって「ちょっと危険かも」「何も心配なかったよ」と意見は分かれ、僕も今日まで悩みましたが、おおむね危険はなさそうだという判断です。
もちろん真に安全を求めるのであれば、ここはバスで通過してしまって、ということも考えました。なにせ自転車の運搬料金を含めても15$もだせば乗れるのですから、15$で安全を買えるなら安いものでしょう。
でも、そこに道があるのに走らないというのもなんか切ない。
この僕の判断が吉と出るか凶と出るかはわかりません。ただ過去にも色々なルートを通って来た自分の力で、ここも挑戦してやりたいという気持ちが固まったので、行ってみます。
もし凶と出て、「邦人ラオスの山賊に射殺される。」なんて日本のニュースにでもなったら「あ~あ、ばっかだな~」と笑ってやってください(^^;)
ま、大げさに書いてますけど、現地にいるとそんな危険はまったく感じないので、たぶんあっさり抜けると思います。それよりきつい峠がいくつもあるのがつらいかも。
では、今日のルアンパバーンです。ルアンパバーンの中心には「プーシー」という小さな丘があります。
今日はこれに登ってきました。
ところが結構ケチくさくて、半分から上は有料(10000キープ)というのが寂しい。
ここでお金を払って頂上を目指します。頂上には小さな仏塔と寺があって、
眼下にはルアンパバーンの街が広がります。
緑の多いルアンパバーンの様子がお分かりいただけたでしょうか。遠くには、昨日の記事の一番最初の写真で使った寺が見えます。
左上の黄色い建物がそれ。
下山した後、ひとつ面白いものを見つけました。
ルアンパバーンの街一番の銀行「BCEL」なのですが、
今日11月29日にルアンパバーン初のATMが設置されたようです。残念ながら国内専用で、僕の持っているインターナショナルキャッシュカードではお金はおろせませんでしたが、こうやって少しずつ都会化していくんだな~と実感しました。
これは今日のミス・ラオスと言ったら、まるで僕がロリコンになってしまいますが(^^;)、それは冗談で、ラオスの女の子たちは、こういう小さい子でも、長い巻きスカートというラオススタイルの服を制服として使っています。
某国の人から「あれは娼婦のする格好だ。」と酷評された日本の今の女子高生の制服ですが、確かにこうやってちゃんと伝統を守るという上では、ラオスの制服は、日本の制服よりはるかに美しいなと思った今日でした。
では皆様、無事に危険地帯を抜けたら(多分2~3日後)またお会いしましょう。それまでお元気で!
>現地にいるとそんな危険はまったく感じないので、たぶんあっさり抜けると思います。
それでも、過信は禁物ですよ。
道中お気を付けて。
次の書き込みが普通に書き込まれて、笑い話になる事をお祈りしております。
by arkstar (2005-11-30 08:13)
安全そうに感じても、用心するに越したことはないですね。
でもある意味、自転車を選択した方が安全かもしれませんね。
バスを選択しても、そのバスが狙われないという保障があるわけではないですし、自転車の方が臨機応変に対処できる余地がありそうです。
テロを起こす側も政治的な理由によるものであれば、注目されなければ意味がないわけで、自転車に乗ったakoustamさんを狙う意味は薄くなるでしょうし。
とにかく僕は無事に通過されることをお祈りします。
by ahtoh (2005-11-30 12:35)
日本の生活のなかで、平和ボケしていると、とんでもない目に遭いますよ。
向こうは常識が通用しないし、特に現地以外の人って目に付きやすい
ですし・・狙われやすいですし・・
そういう勧告が出ているなら、安全なルートを選ばれたほうが・・
くれぐれも、お気をつけて・・ 見守っております。
by はまちゃん (2005-12-01 00:57)
>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
やはり実際に通った人からの情報が最も当てになるので、旅の最中聞いて回っていたのですが、彼らの情報どおり何とかなるルートでした。
もちろんもっと危険な状態だった時のペルーとかを旅した経験がある僕だから言えることで、普通の人には避けるべきと申し上げておきますが。
by akoustam (2005-12-02 20:40)
>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
ルアンパバーンで会った旅慣れた女の子も、ahtohさんと同じことを言っていました。彼女は歩きとヒッチハイクでこのルートを通った経験のある、超ツワモノでしたが、「歩きみたいな貧乏人を襲ってもどうにもならんと普通考えるでしょう?金持ちバスツアー一台襲った方がどれほど効率いいか。あなたの自転車も大丈夫、自転車なんかで走る貧乏人を襲ったりしないから、逆に応援されると思う。」って。
そのとおりでした。もう毎日毎時間子供から大人まで僕の応援でして、自転車で行ってほんとうに良かったと思います。人には勧めませんけど(^^;)
by akoustam (2005-12-02 20:44)
>はまちゃん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
ご心配をおかけして大変申し訳ありませんでした。このようにぴんぴんして通り抜けられましたのでご安心ください。
ルートは他に無いんですよ、ラオス国外に出るにはこのルートを通る以外にどうしようもないんです。あとは何で抜けるかという手段を選択するだけ。
でも走ってよかったです。世界一子供たちから声援を受けた場所だと思いますから。
by akoustam (2005-12-02 20:47)
うわぁ、えらい選択をされたんですね。
タイムリーに心配できなくて、気の弱いふろすの心臓には良かったかも(*^_^*)
ほんと、気をつけてください! 無事ご旅行が終わられて日本に帰られることをを祈っております。-人-
by floss (2005-12-03 22:45)
>ふろすさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。
そんなご心配なさらなくても、僕も伊達に19カ国旅してませんからご安心ください。
by akoustam (2005-12-04 21:07)