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Time Machine Network 後編 [Sony・VAIO]

新VAIO type X 後編は「VAIO X ビデオステーション」です。(前編はこちら

タイムマシンビデオサーバー「X ビデオステーション」VGX-XV80S / 40S

前モデルの初代type Xは「地上波アナログ放送6chを1週間まるごと録画するパソコン」という触れ込みだったため、いかにもWindowsPCの機能として録画を行うように見えますが、


このtype Xの録画の仕組みをよく見ていただくと分かるとおり、type Xは筐体こそ一つになっていて電源は共有していても、中では完全に二つのユニットに分離していて、3ch録画を担当する「X3 ビデオサーバーユニット」×2で6ch録画を行い、WindowsPCとしての「VAIO type X(PC部)」とは、内部のネットワークハブでLAN接続されているという構造になっていました。

なんでこういう仕組みになったかは、VAIOオフィシャルサイトの開発者インタビューにその経緯が載っていますが、PCの機能として6ch同時録画を実現しようとすると、PCパワーがまるで足りず、他のアプリケーションを起動すると録画が失敗してしまいます。

しかもタイムマシン機能というのは、PCを使う使わないに関係なく、24時間365日録り続けなくてはいけないのですから、Windowsを常時起動したままというのも非現実的です。

その結果、タイムマシン機能は全くPC部とは独立して動く存在になり、PC部はビデオサーバユニット部をネットワーク越しに設定・制御する役目を持って、type Xの箱の中に共存することになったのです。

注目すべきは、この初代type Xの開発途中で、既に「ビデオサーバユニットを外に出す」という構想があったことです。この初期の構想が実行に移され、type XのPC部はtype X Livingに、ビデオサーバユニット部はXビデオステーションになった、というのが今回のモデルチェンジです。

そのメリットとしては、

・(保証外とはいえ)ビデオサーバユニット部をコントロールするPCは、どんなPCでも良くなった。
・実質的に値段が下がって買いやすくなった。

というのがあると思います。

で、このXビデオステーション、前モデルのX3ビデオサーバーから引き続き、MPEG-2エンコーダチップにカナダViXS社の「XcodeII」を採用しています。

このXcodeIIは、一つのチップでSD画質の映像を4本同時にMPEG-2エンコード出来るというとんでもない性能を持っており、低ビットレート時の画質がいいということもあって、各社のハイエンドテレパソに採用例が出てきました。

X3ビデオサーバーでは基板スペースの関係から、チューナーが3つしか載せられず、4ch同時エンコードという能力をもてあましていたのですが、今回は1ユニットにチューナーが4つ接続され、XcodeIIの性能がいかんなく発揮されています。

そしてこのユニットの数を1つか2つか選択することで、4ch録画か8ch録画かをVAIO OWNER MADEで選べるというモデル構成になっています。

それにしてもimpressの小寺さんのレビュー記事をみても、8ch分のSony製テレビチューナー、8ch分のNEC製高画質化回路、二つのエンコードチップに、SH-4CPUという姿はまさに壮観ですね。

というわけで、もともとはtype XのPC部で設定・制御する設計なっていたのですから、このXビデオステーションだけ買っても使うことは出来ますが、ほとんど意味を成しません。あくまでもこのXビデオステーションはVAIO(VAIOに限らずPCならなんでもいいが)の周辺機器でしかないのです。

細かい使い方は、すでに前述の小寺さんのレビューに詳しく載ってしまったのでそちらを見ていただくとして、このXビデオステーションがすごいなぁと思うのは、録画設定が非常に細かくできるため、全チャネルまるごと録画するという全く新しいテレビスタイルを提案しつつも、iEPGから普通の録画設定ができたり、おまかせ・まる録に相当するキーワード予約がSo-netから提供されているなど、「普通のビデオレコーダ」でもあることです。

しかも録ってある番組は、全て素のMPEG-2ファイルとしてネットワーク経由で取り出せるため、後はユーザーの好きなように使い倒すこともできます。

また当然のごとくテレビにつないでリモコンで操作するということもできるのですが、テレビのチャンネルを次々切り換える「ザッピング」が、時間をも次々切り換える「時間ザッピング」に発展しているということで、これを導入した日には、テレビを見るという行為が根本的に変わってしまう、革命的マシンだと思います。

Sonyがコクーンを出したとき、「ああこれで放送局の『番組編成』とか『ゴールデンタイム』という概念は意味を成さなくなったなぁ。もう放送局は、即時性・リアルタイム性の要求されるニュース番組以外は、ただひたすら映像コンテンツを電波に乗せて垂れ流すだけの、番組サーバでしかないや。」と思ったものですが、このXビデオステーションの登場で放送局の地位低下は一気に加速しそうです。

なんたって僕らは、時間も放送局の違いも飛び越えられる「タイムマシン」を手に入れてしまったのですから・・・

そしてこれにVAIO Mediaの「外から視る」機能や、Sonyのローケーションフリーを組み合わせて使ったらどうでしょう、僕らは空間さえも飛び越えて、世界中のどこでもこのタイムマシンから映像を取り出すことができるのです。

さすがに今回は、僕もSonyという会社の底力に胸が震えました。今までのテレビの概念を根底から覆す、まさに「究極のマシン」、とんでもないものが出てきたことに。


しかし、この究極マシンは命日が既に決まっています。


2011年7月24日。この日をもって全く意味を成さない存在になってしまうのです。デジタル放送時代になると、コピーもネット経由の映像アクセスも自由にすることが出来なくなります。もう自由な時代は戻ってこないのです。今の最大限の自由を存分に謳歌するために、このマシンを買う価値があるかどうか、それはユーザーの判断に委ねられました。

発売日の2005年10月25日から問題の2011年7月24日まで約1840日。最大構成の8ch2TB機で299,800円。最後まで壊れることなく動いたとして一日あたり約163円(なんかアホな教材とかアダルトサイトの勧誘みたいな計算ですが(^^;))。

さぁ皆さん、究極のビデオレコーダを買って、究極のテレビ生活をあと5年9ヶ月だけ楽しむのに、毎日163円払いますか?僕は・・・とりあえず検討作業に入りました。


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はまちゃん

8チャンネル同時録画で、番組のタイムマシンを手に入れられるって
凄いことですね。
でも自分みたいな貧乏クセというか、心配性というか
8チャンネルもいつもHDDに記録させると、すぐHDDが傷みそうなので
結局設定は常時2~3チャンくらいしかしなさそう・・笑
でも究極の製品であることは確かですね。
by はまちゃん (2005-10-07 21:24) 

akoustam

>はまちゃん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

HDDはその気になれば結構簡単に交換できるようです(もちろん保証外)。どうせなら8ch・500GB機を買って、あとの3スロットは自分で増設した方がいいかも(^^;)
壊れたらどんどん交換しちゃいましょ。将来1GBHDDとか出てきたら、4GB化するとか。
by akoustam (2005-10-08 10:15) 

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