バガン遺跡とその保護 [ミャンマーちょこっと自転車旅行記]
世界三大仏教遺跡と呼ばれるのは、
■カンボジアのアンコール
■インドネシアのボロブドゥール
そしてこのミャンマーの「バガン」ですが、このバガンだけは未だに世界遺産に登録されていません(申請はしたが審査に通らなかった)。それもそのはず、ユネスコの世界遺産条約は「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」であり、いかにその遺産が保護・保全されているかが重要なのです。
しかし、僕が泊まっているニューバガンという旅行者向けの新しい街にある宿を出て、ほんの少し北のオールドバガンに向かって走っていくだけで、道の脇にこんな光景が出てきます。
遺跡である仏塔が、普通に生活圏のなかにあるため、こんな無造作に隣にグラウンドが作られたりするのです。
いちおう見に行ってみましょうか。
いやいや、こんな状態でいいのでしょうか(笑
人が通れる道はありますが整備された道とは言い難く、ほとんど放置に近い仏塔となっています。
中には仏像が安置され、人々の祈りも行われてそうですが…
それでもここはマシな方。先に走らせるとなんと道の脇から雑草で近寄れなくなっているような仏塔まであります。
一方それなりに大きな寺院や仏塔は、観光地として活用されていて、こんな駐車場兼茶屋があって、
見学できるように整備されているものもあります。
この寺院は中に階段があり、上に登れたのですが、
登ってみると、そこはコンクリで固められていて、まるで「昔のままで修復・保全を目指す」というやりかたになってません。こりゃ世界遺産登録は駄目なわけだ。
そのかわり登ってしまえば景色は素晴らしい。
こんな感じで、森のなかに無数の遺跡が建っているのが一望できます(バガンは3,000を超える寺院・仏塔の遺跡が建ってるらしい)。
ただし、8月にミャンマーで大きな地震があり、バガンの遺跡はかなりのダメージを受けたそうで、そこかしこに修復作業のための足場が組まれています。
で、こんな感じで、森のどの方向に走っていっても「遺跡」「遺跡」「遺跡」。時には迷路のように縱橫につながっている砂の道を自転車で走りながら、目指す場所に行かなくてはなりません。
続いて大きな寺院にやってきました。ここはSulamani寺院。
金色の仏像はいつも通り、
壁の細工なんかも細かいですね。
しかしここも地震のダメージが来ているようです。
一方こちらはThatbyinyu寺院。
これもかなり大きな建物ですが、中にはたくさんの仏像が設置されていて、
非常に立派な建物です。
広い地域に様々な遺跡が点在しているバガンで、色々なものを見るためには徒歩は無理なので、自転車・バイク・電動バイク等の貸出がそこかしこで行われています。そんななかで「馬車ツアー」という選択肢も。
タビニュ寺院の北側に登れる仏塔がありました。
登ってみるとこの景色。
ただし、急峻な階段を登って、壁に張り付くように移動していかないといけないので、かなり怖いです(笑
この電線とかもなんかとしないと、保全としては…
どこを見渡しても仏塔ですなぁ。
タビニュ寺院の隣にはタビニュ僧院というところがあり、
そこにはインパール作戦で一番南側を担当した第33師団(柳田中将の「弓」兵団)の慰霊碑が設置されています。
僧院の人がお線香をくれたので、それをあげて慰霊をしたら、今度はアーナンダ寺院へ向かいます。
で、ここはバガンでもいちばん人が集まる寺院ですが、なんかディズニーのアトラクションの入口みたい…
おいおいLED案内板かよ。
中には大きな仏像が東西南北四面に設置されています。
順番に西→北→東→南。
アーナンダ寺院も地震で壊れたみたいですね。
夕方の日の入りの時間が迫ってきたら、夕景ポイントとして最も有名なシュエサンドー・パゴダに行きます。
ここは登れるんですね。
かなり高いところまで登れるので、360度バガンの様子が見渡せるのですが、
いやはやもうどこを見ても仏塔と寺院の遺跡だらけですな。これには感動。
そして17時23分の日の入りに向けて西側の場所取りを行い、あとは日が沈むのを待ちます。
夕日に照らされてパゴダも美しくなってきました。
なお夕景ポイントとして観光客が大量に集まるので、西面の最上階は満員電車状態になります(笑
ああ、今日も夕日を眺めて一日が終わってゆく…
日が沈んだらみんな一斉に帰りだします。すごい混雑。
素晴らしい遺跡と景色だったバガン遺跡。見どころはまだまだありますが、これちゃんと「保護」を考えればいいのに。
夕食食べて明日に向かいます。
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