復活の時 [メキシコちょっと贅沢自転車旅行記]
一泊250ペソの安ホテルで一晩過ごしたところで、朝です。
このイラプアトに来た最大の目的、自転車屋を目指して走り始めます。
街の中心部にはこんなものも。
Google Mapで発見した、今回行く自転車屋「Bike style Bicicletas y Accesorios」は、ストリートビューなどで外観を見た瞬間に
「ここなら確実に自分の求めるクオリティがある」
と確信していました。
ただ自転車屋というだけなら他にも沢山あるのですが、そこは日本でも街のパンク修理などがメイン商売である自転車屋と、ロードレーサーやルック車(それっぽく見える自転車)ではない本物のMTBを扱うスポーツ自転車屋が、微妙にノリが違うように、海外でも技術はともかく、持っているパーツのグレードや質(シマノのパチモノの可能性もあり)に信頼がおけないと、とても自分の自転車を預けられません(自転車は特にブレーキパーツなんかを軽視すると命にかかわるものです)。
なので、確実性を期してわざわざ郊外にあるこの店を目指したのです。
月曜日の10時からオープン。
Googleにもそう書いてあります。たださすがにメキシコだから朝時間通りにきちっと開けはしないだろうと、10時50分頃に行ってみたんです。すると…
閉まってました(ぉぃ
店頭にも「平日は10時からオープン」と掲げているのにです。
「ははっ、まぁこんなもんか」
とのんびり店頭で待つこと40分。11時30分にスタッフ君たちがやってきて店を開けてくれました。
10時オープンという話は「ま、月曜だし、慌てて開けなくてもいいんじゃね?」みたいな軽いノリのようです(笑)これぞまさにメヒコ時間。
そう「スタッフ君」と呼びたくなるような若い自転車好きで構成されているようなチームです。これも自分の期待通り。
早速、英語も喋れる店主君に相談します。
実際に点検を行ってみて、
店主君はまず微調整でリアディレーラー(後輪の変速機)を直せないか試します。
ダメ。
ならばと両腕で使うような大きなペンチを出してきて、リアディレーラーの歪みが取れないか試してみます。
これでもダメ。
なので、出した結論は
「完全にリアディレーラー曲がっちゃってるね。こりゃ交換しないと無理ポ」
というものでした。こういった自転車のパーツは世界でほぼ同一で、交換となると日本と同じだけの出費になると最初からわかっていましたが、店主君の見積もピッタリその通り、
「このリアディレーラーいくらで付けたの?」
「日本で60ドルくらい」
「やっぱりね、うちで交換しても同じくらいだよ」
「在庫はあるの?」
「同じグレードの在庫はちゃんとあるから、10分もあれば交換するよ」
「ならやっちゃって」
さすがです。こちらの見立て通り、この店には自分の希望するグレードのシマノ正規品がちゃんと在庫されていて、交換もさっとやってしまうというのです。
もう一人の手慣れた整備士君の作業を見つめること10分ほど。
工賃含めて950ペソ(≒7388円)で、リアディレーラーはシマノ「DEORE」という同じグレードの新品に交換され、何の問題もなく走れるようになりました。
交換のために外し終わった前のパーツを見てみると、確かに根元側がぐんにゃり曲がっています。
「これは直すのは無理だよ」
店主君も笑いながら示していましたが、なるほどこれは運搬中に横方向からリアディレーラーの先端側に大きな力がかかって、(多分飛行機の別の荷物が上から乗っかったか、運搬中になにかにぶつけたか、はたまた空港のスタッフが放り投げたか(彼らは普通に放り投げる)でしょう)曲がってしまったんだな。
「ところで、これでメキシコを走るのかい?」
「うん、これからしばらくメキシコを横断するように走って行くつもり」
「そりゃいいな。ぜひよい旅を」
代金を払いながら、そんな会話を交わし、メキシコにはチップの習慣があるので、1000ペソを渡しておつりの50ペソを
「いい仕事だったから、お釣りはとっといてよ」
と受け取らないようにしたら、店主君は
「いやいや、これは受け取れない。君の旅にこの50ペソは使ってくれ」
と笑顔でお釣りを渡してきました。いいやつだなぁ…
そんなこんなで気持ちよく自分の自転車も復活。
ようやく自転車旅行の始まりです。
時間はすでに12時半。ここから次の街セラヤまで80kmほどなので、まずはそこを走ろうとスタートします。
その道は大きな国道で、ひたすら平坦かつまっすぐ。
なので、平均時速27kmというハイスピードでどんどんと走って行くことが出来ます。
途中マツダのメキシコ工場があったり、
OXXOでジュースを飲みながら(郊外のOXXOは日本のミニストップみたいに椅子とテーブルがある店が多数)、ルート検討をしたり、
街道沿いにありながら、ドライブスルーじゃないサブウェイに「それもったいないなぁ」なんて感想を抱いたり、
日差しはとんでもなく強いのですが、湿気がないので昼の暑さはほどほどで、そんな余裕をもちながらの80km。夕方17時半にセラヤの街に到着です。
ただし東の空を見ると、また今夜もスコールになりそう(この近辺は東側から天気が変わることが多い)。
日本円4000円弱のちょっといい宿で気分転換したら、
街の市場に繰り出して、
屋台でタコス(これ1個が7ペソ)を食べて旅は進みます。
これぞ自転車旅行の復活でした。
2015-07-20 23:59
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自転車復活、おめでとうございます!
自転車屋さんにこちらからチップを送りたいくらいです。
by 店員佐藤 (2015-07-22 08:34)
いや~自転車の話はいい話でした。
こちらも嬉しくなっちゃいますね。
どうぞ気をつけて次の目的地へ。
by Santa (2015-07-22 09:51)