SSブログ

iPhone5s/iPhone5cは9月20日発売。日本ではドコモも取り扱い開始へ [携帯電話・iPhone]

日本時間2013年9月11日午前2時より、アメリカで新型iPhoneの発表会が行われ、第7世代iPhone「iPhone5s/iPhone5c」がついに発表されました。

WS000000.JPG

iPhone (apple.com/jp)

WS000001.JPG

この第7世代の最大の特徴は、iPhoneが初めて高級機iPhone5sと中級機iPhone5cの二系統に別れたことです。

高級機iPhone5sは、筐体はiPhone5のアルミを多用したものをほぼそのまま踏襲しており、カラーにゴールドが加わって3色展開となること以外は、

・CPUがA6からA7へ進化
・A7は64bitプロセッサー化
・カメラの画素数そのままに撮像素子面積を大きくし、より暗所に強いカメラにする
・カメラのライトを大型化し、状況によって発光色を変化させることでより自然な色合いを実現
・ホームボタンに指紋センサーを一体化した「TouchID」
・モーションコプロセッサM7搭載(歩数計などを実現するために本体のモーションを検知・処理するもの)

といった、比較的地味なハードウェア進化にとどまっています。

 

一方の中級機iPhone5cは、iPhone5をベースに筐体サイドと背面をバスタブ構造のポリカーボネートに変更、5色のカラーバリエーションを展開するカラフルでカジュアルなものにしています。

その結果、サイズはほんの少しですが大きくなり、質量は132gとアルミ筐体のiPhone5/iPhone5sに比べ20gの増となっています。

CPUやカメラなどの中身的にはほぼiPhone5そのまま。今までAppleの戦略としては、安いiPhoneを求める顧客には、1年前に発売した旧機種を継続販売して販売するという手法が使われてきましたが、今回から「中身は旧機種だけど、見た目を変えて新機種として売る」という方向へチェンジしたようです。

というようにハードウェアやユーザーに提供する機能的には、Sony/Samsung/HTC/LG/シャープ/富士通といった各Androidスマートフォンメーカーが、既に提供しているもののキャッチアップにとどまるものが多く、ティム・クックやフィル・シラーがドヤ顔で登壇した発表会のわりには、ちょっと寂しい、というかさすがのAppleもスマートフォンの新しい方向性に対するネタが尽きて、停滞期に入ってきたか?と思わせるような内容に感じました。

なので、日本のユーザーが最も注目したのがハードではなくこれになるのも致し方無いことでしょう。

NTT DOCOMO & Apple Team Up to Offer iPhone in Japan on Friday, September 20 (Appleのプレスリリース)

なんと、Apple本社がわざわざ独立したプレスリリース文書まで出した

「ドコモがiPhone取り扱い開始!」

です。日経新聞が小躍りする姿が目に浮かぶ。

と言っても、この話は業界内ではかなり以前から認知されていて、個人的にはあまり驚きは無かったりするんですが(笑)。まぁやっぱりこれはセンセーショナルなニュースなんでしょう。

で、そうなると誰もが気になるのが、

「docomo、au、SoftBankのどれを選べばいいの」

ということ。まだ正式な話は今の段階で何もわかりませんが、過去の例から考えて三キャリアともSIMロックはかけた状態で販売すると思われるので(販売後の解除に応じるかは不明。ドコモは応じる?)、日本のユーザーにとっては「何処版を買うか」はそれなりに重要な問題となります。

料金体系やキャリアメールの問題、サービス対応などでいくらか差異は出るとはいえ、基本的にiPhoneであることに変わりはないわけですから、ユーザーにとっては「エリア・つながり」というものが、キャリア選択で一層重要になることが考えられます。

ところが今のデータ通信の主流である日本のLTEは去年のiPhone5の記事で書いたように、ちょっと話が複雑で、わかりにくいものになっているので、改めて整理してみましょう。

WS000000.JPG

ちょいちょいっとExcelで作ったこの図は、今の日本の主要三キャリアの電波割当を示したものです。

ブロック1段分が5MHzの帯域幅を表していて、LTEは一段分(5MHz)の幅があると37.5Mbps、二段分(10MHz)の幅があると75Mbs、三段で112.5Mbps、四段で150Mbpsの通信速度が理論的に出るということになります。

そしてオレンジが今各社がLTEに割り当ててる帯域(あくまで最大を表記したので、場所によってはそこまでLTEに割り当てて無いところも当然あり)、緑が将来LTEに割り当てると言われている帯域、グレーが3Gに割り当てている帯域です。

このうちドコモは2GHz(Band1)をメインのエリアカバー用、1.5GHz(Band21)と800MHz(Band19)をトラフィック対策や高速化といったメインを補完する用に使用。

auは800MHz(Band18)をメインのエリアカバー用、2GHz(Band1)と1.5GHz(Band11)を補完用。

SoftBankは2GHz(Band1)をメインのエリアカバー用、EMOBILEが保有する1.7GHz(Band3)を補完用。

だいたいこんな感じの方針でエリア展開をかけています。

auの旧iPhone5が、何故同社のAndroid機(どころかSoftBank)に比べてLTEのエリアが貧弱なのかといえば、iPhone5がメインカバー用に展開しているBand18に対応してなかったからだったんですね。

で、今回のiPhone5s/5cの電波仕様を見てみると、

iPhone5s仕様(apple.com/jp)

対応電波によって5種類の製品(SKU)に分かれており、その中でA1453(5cだとA1456)という機種が

LTE(バンド1、2、3、4、5、8、13、17、1819、20、25、26)

に対応しています。この「iPhoneがauのBand18に対応する」というのが、先日田中社長が発言した「LTEエリア競争はダントツ勝ち」の正体なわけです。なにせiPhone5では対応できなかった、auがメインでLTEエリア展開しているバンドに対応するのですから。

 

ではSoftBankはどうか。

確かにEMOBILEの買収によって「Band3」が“ダブルLTE”として使えるようになったのですが、異なる二社のネットワークを統合するってのはそれなりに時間がかかりますし、auのBand18に比べエリア・スピードとも見劣りするのは否めません。

では面的展開に向いた通称“プラチナバンド”と呼ばれる、SoftBank割当の900MHz帯(Band8)はどうかと言いますと、これは近い将来SoftBankもここでLTEを始める予定で、iPhone5s/5cともに対応バンドに入っているのですが、そのためには現在同帯域を利用してるRFIDなどに立ち退いてもらわないといけないので、どんなに早くてもサービス開始は来年の4月以降になります。

しかも立ち退きに苦労しているという噂もちらほら(法的には2018年まで猶予があるので、SoftBankは早く立ち退いてもらうために、業者に対する交渉や代替機器購入費用の支援を行わないといけない)。

 

最後にドコモはLTE(Xi)のメインエリア展開をBand1で行ってきており、iPhoneの対応は問題ありません。ただ112.5Mbpsサービスは現状1.5GHz(Band21)で行っていて、150Mbpsサービスも可能な20MHzの幅が確保できる1.7GHz(Band3)は、iPhone側は対応しているものの、通称“東名阪バンド”とも呼ばれる全国展開がまだ出来ない帯域なので、LTEサービスを開始したとしてどこまでユーザーの快適化につながるかは不明な状況です。

 

というように各社様々な事情を抱えていますが、もし仮に日本で販売されるiPhone5s/5cがA1453/A1456の一種類に統一されるとすると、個人的には、

au>ドコモ>SoftBank

というLTEエリア状態でスタートすることになるのではないかと予想しています。

 

それにしても、本当にA1453/A1456が国内で全キャリア販売となれば、SIMロックを外せば、ドコモ/au/SoftBankの三社間を、まともに使えるエリアを維持したまま自由に行き来できるスマートフォンということになりますから、いろいろな意味で期待は膨らみますね。

で、お前は買うのかって?SIMフリーのiPhone5c(A1456)ブルーが手に入るなら、テスト用に買ってもいいかなぁと思い始めています(笑)。それよりiOS7へのアップデートで、自分のSIMフリーiPhone5がドコモのLTE(Band1)を使えるようになるのかが、気がかりだったりしますがね。

なお5sは相当に弾が無いらしく、予約は13日から5cのみ受付開始。20日に日本でも同時発売となるものの5sの入手はしばらく争奪戦になるという情報です。5sお探しの方は頑張って(ぉ


nice!(18)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 18

コメント 2

arkstar

S化なので、ハード進化はゆっくりとですかね。
でも、プロセッサが64bit仕様になりましたが、電力消費量どうなんでしょうね?
OS側で細やかな制御は入れてくると思いますが、
既存OSでも、気の利いた機能をONにすると、バッテリーがみるみる減るので、
iOS7は大丈夫なんだろうか?って思ってしまいます。
(iPadがバッテリー異常に持つので、余計に)

Cは10代後半のユーザーにバカ売れしそうな気がします。
ただ、本体サイズが新規サイズなので、ケースが揃うまでちょっと時間掛かるのが
玉にキズですかね?
by arkstar (2013-09-11 20:48) 

d9ra

docomo版ということは,MVNOのSIMを使えるiPhoneが大量に出回るということでしょうかね.ならばiPad系のdocomo発売のほうがインパクトあるかも.オークションが賑わいそう・・・
by d9ra (2013-09-12 17:11) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

末広がりSony Of The Year 201.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。