Cyber-shot DSC-RX100 Review 開梱篇 [Sony・Cyber-shot]
僕がこのBlogを始めたころ、コニカミノルタと提携して一眼レフ「α」を投入する前だったSonyが、フラッグシップ的Cyber-shotとして「R1」という機種を出したことがありました。
APS-C(23.5×15.6mm)に匹敵する21.5×14.4mmという大型サイズの撮像素子(CMOS)を採用し、24-120mm F2.8-4.8という5倍ズームのVario-Sonnar T*レンズを搭載。コンパクトデジカメとは言い難いレベルの大型筐体で、後継機も出ることなく一代限りで終わったこのCyber-shot「Rシリーズ」は、知る人ぞ知る存在として異彩を放ったまま眠りにつくことにあります。
その後Sonyのカメラ事業はコニカミノルタのカメラ事業を吸収し、一眼レフ「α」、ミラーレスカメラ「NEX」と展開していく中で、Cyber-shotはCanonと世界シェアトップを争いながら、「小さく便利なカメラ」方面を担っていくことになっていきます。
そんなCyber-shotに「大きな撮像素子で高画質なカメラ」が帰って来ました。それもExmor CMOSを搭載した「RXシリーズ」として。
Cyber-shot DSC-RX100 (sony.jp)
Cyber-shot DSC-RX100 (SonyStore)
今回のRX100の特長は撮像素子。
新たに対角1インチ(13.2×8.8mm)のExmor CMOSを開発。これは先代のR1に比べると小さいですが、最近のCyber-shotに積まれている1/2.3インチExmorRに比較すると、面積比で約4倍となり、2020万画素で裏面照射型でないノーマルExmorでも高感度撮影(拡張処理で`ISO25600相当)が可能となっています。
そしてそれを支えるレンズは、35mm換算で28-100mm F1.8-4.9と明るいVario-Sonnar T*レンズで、7枚羽根円形絞りなど「高画質カメラ」にふさわしい内容で、今のCyber-shotラインアップとは一線を画します。
そのためかパッケージも全面黒塗りで、上面は外観写真と機種名が記載されているだけという、高級感のあるシックな印象。サイズもTX9の箱に比べ大きくなっています。
向かって左側面には、スペック表示とZEISSロゴ。
裏面にはSDXCやPlayStationロゴにMacOSロゴもあったりします。
上蓋をガバっと開くと、意外なことに本体が出てくるのではなく、ブリーフケースのような紙製の中箱が収められています。
それを取り出すと本体が登場。これも最近のCyber-shotには珍しくプラスチック製のトレイに載っかっています(通常はだいたい紙パルプ製)
とりあえずトレイをどかすと、下段には付属品類が入っていました。
RX100の付属品はこんな感じ。
バッテリは新開発の「X」タイプ。
またバッテリ形状変えやがって…とウンザリしなくも無いですが、このバッテリはちょっと分厚くかつコンパクトとなっていて、薄く伸ばしたようなNタイプより容量が大きい(630mAh→1240mAh)のもあって、RX用にこの形状が必要だったということなのでしょう。
充電もバッテリーチャージャーがあるのではなく、ACアダプタをUSBケーブルでつないで本体充電する方式。
当たり前ですが100-240Vのマルチボルテージ。5V/1500mAという大きめな出力をするものとなっています。
ブリーフケース上の中箱に入っていたのはマニュアル類。
ついでにSonyStoreキャンペーン限定の「鹿」もあります(笑)
ではトレイの上に載っている、
RX100本体を見て行きましょう。
フットプリントとしてはTX9から特別大きくなった感じはありませんが…
厚さがまるで違います。
まぁ撮像素子の大きさ、沈胴レンズの大きさを考えれば、このサイズに収まっている事自体が奇跡としか言いようのない小ささなんですけど。コントロールリングの出っ張りもあって、やはり「大きい」という印象は与えます。
前に買ったRICOH CX1にサイズの印象は似ているなぁという感じです。
コントロールリングのところにある「Vario-Sonnar T* F1.8」のプリントが誇らしげ。
このコントロールリングは「カチカチ」と刻んで動くタイプではなく、「スーッ」と無段階で回っていく構造になっています。
裏面にバッテリーとメモリーカードのボックス。
Xタイプバッテリーが分厚いのがこれでお分かりいただけると思います。
さらに裏面にはHDMI端子も蓋に隠されています。
ディスプレイ面のインターフェースはオーソドックスなもの。
コントロールホイールは回転による操作も十字方向にプッシュ操作も出来るタイプです。
ストラップホールは左右に付いているので、
ハンドストラップもショルダーストラップもどちらもいけます。
液晶画面からみて右サイドのストラップホール隣に蓋で覆われたmicroUSB端子。
これで転送や充電を行います。
レンズ向かって右上のSonyロゴはダイヤカット加工ではなく、エンボス彫り込み。
右下にはZEISSロゴが見えますが、これはシールなのでさすがに剥がします(いくらZEISS好きの僕でもこんな安っぽいシールではねぇ…)
シャッターボタン、モードダイヤル、電源ボタン、全てスピン加工されていて高級感があります。
特にモードダイヤルの動きの重さは、安っぽさがなくて一眼レフのようです。動画用マイクもこの上面にステレオで付いています。
レンズには「Carl Zeiss」「Vario-Sonnar」といった文字が刻まれていますが、これはさすがにα/NEX用のZEISSレンズと違って、彫り込みではなくプリントでした。
沈胴レンズなので電源をいれるとすぐにレンズがせり出してきて起動します。起動速度は沈胴タイプとしては速い印象。
ワイド端28mmの時に最もレンズがせり出し、
70mm前後の時に最も短くなって、
テレ端100mmになるともう少しだけせり出します。
フラッシュは自動ポップアップ式。発光する前に「パコーン」と出てきます。
液晶画面はなるほどWhiteMagicだけあって明るい。
コントロールリングはデフォルトでは、レンズズームに割り当てられてるので、こんな風に画面に表示されます。
コンパクトデジカメ/ビデオカメラにありがちな「○倍」表示でないので、焦点距離がわかりやすくて良いです。
MENU構成はなんだかCyber-shotぽくないですね。
ここらへんも想定ユーザーが、純Cyber-shotな使い方をする人よりも、一眼レフのサブ機的な使い方をするカメラ好きを見ているからでしょうか。
以上、久しぶりの“画質最重視Cyber-shot”RX100を見てきましたが、ボディの質感、剛性感、レンズの性能、撮像素子の性能、パッケージデザイン、全てが「カメラマニア・写真マニア」に向けたモノになっています。
WiFiやGPSなどを積まず「Cyber」な印象は薄いですが、このコンパクトサイズに1インチ素子を入れ、ZEISSレンズに、Cyber-shotの小気味良い動作を一体化させたRX100は、意外と広いそうにリーチ出来そうな印象です。
後は実際の写真画質ですね。
同じZEISSであるNEX-5+SonnarT*24mmF1.8と比較をしてみるとしましょうか。
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