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akoustamの東北ボランティア日記 第四日「記憶」 [日記]

akoustamのボランティア日記、今日で四日目に入りました。

この「はまセン」ボランティアセンターの特異なところは、ボランティアセンターと地域の避難所が一体化していること。

そのため朝のミーティングも地域の人とボランティアが一緒に行いますし、朝食も地域の避難されている皆さんの後に、ボランティアに配給があります。

「自己完結がボランティアの鉄則では?」という疑問も当然わきますが、そこはボランティアは自分の宿泊日数分に相当する食材を持ち込んで、調理チームに寄付するという仕組みによって、食材不足も起こさず(だいたいみんな自分の宿泊数よりはるかに多い食材を持ち込む)、全てが上手く回るというわけです。

てなわけで、今日の朝食は炊き込みご飯とすき焼き汁。

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朝食をとったら、今度は作業のチーム分け。

これも「はまセン」は独特で、作業分担のコーディネーターはおらず、毎朝各リーダーが「うちは○○をやるので×名必要です。やってみたい方手を挙げて」という立候補式で作業チームが構成されていきます。

さらにそのチームリーダーは引き継ぎ制。

チームリーダーになった人は自分が帰る前日に「明日からの後継リーダー」を指名し、作業を引き継いでセンターを去っていく、というシステムになっており、来て一日目にちょっと仕切り屋っぽい行動をとってリーダーの覚えがめでたいと、ボランティア二日目に早速リーダーになってしまう人さえいます(笑)

僕は作業一日目は危険な作業を伴う「スペシャルチーム」、二日目からリーダーのしっかりしている「個人宅片付けチーム」に所属しているので、リーダーになることもなく、淡々と自分に与えられた役割をこなしていくのが仕事になってます。

昨日からとりかかかった、あのOさん宅。

崩れた駐車場と漁具倉庫の屋根は昨日解体したので、今度は裏庭や崖の竹林に

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散乱している、ホタテ養殖の網をまとめておく仕事にとりかかります。

ところが、これがまぁ数の多いこと多いこと。瞬く間にこんな網の山が出来上がってしまいました。

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でもこうやってたくさんのホタテや海産物を育てていてくれるからこそ、僕らの食卓には安くて美味しいホタテが並ぶわけで、農家や漁師の皆さんには感謝するほかありません。

午前中はこの裏庭片付けで作業が終わったので、昼休憩を利用して、近くの気仙沼線蔵内駅の様子を見に行ってきます。

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ここも海からこれだけ離れている場所なのに、津波は線路も駅も飲み込む高さで襲来。レールはこれだけゆがんでしまっています(流失してないだけマシなのですが)。

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さらにセンターから現場に行く途中にある、あの崩れた大型鉄骨ビニールハウス解体現場には、今日になってボランティアがこんな看板を。

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本来素人集団であるボランティアが、大型の鉄骨を切断して解体するなどという作業はしないものですが、建築現場経験者の方を中心にガッツのある男達が集結。一ヶ月はかかると言われた作業を開始三日目にして、半分以上進ませるという驚異の技をここでは見せつけています。まさに「求む!力」

そしてセンターにはこどもの日に向けて、鯉のぼりがあがりました。

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一方僕ら後片付け作業現場では、こういうものが次々と出てきます。

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この未曾有の震災は子供達にどんな記憶を残すのでしょう。忘れたい、でも未来へ活かすためには忘れてはいけない、この記憶。明日も作業は続きます。


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as

歪んだレールにアンパンマンの玩具・・・涙が出てきます。まだ余震が続くなか、怖い思いをしているだろう子供達のメンタルケアが心配ですね。そして毎日辛い現場で身を粉にして働いている自衛隊の皆さんの精神面も心配です。
by as (2011-05-06 22:23) 

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