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PLAY,neo,pro [Sony・MobileCommunication]

今年も世界最大の携帯電話ショー Mobile World Congress の季節がやって参りました。

2008年のXperia X12009年のSatio2010年のXperia X10mini/miniproと、常にその年のSonyEricssonを担う重要機種が発表される場でもあるこのショーですが、今年は事前にXperia Playの発表を行うことをFacebook上に出していたため、昨年のような「面白サプライズ!」の無いオーソドックスなプレスカンファレンスとなりました。

しかしそのネット生中継がFacebook上で行われるというのも、時代の流れですかね。あまり普及していない日本では、このために慌ててFacebookに登録した方もいらっしゃるかもしれません(笑)

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そんなわけでFacebookって、こんな(↑)高画質なオンライン動画ストリーミングが出来る機能もあるのか!とちと驚きつつ、ノルドベリ社長や坂口副社長のプレゼンテーションを聞いていたわけですが、やはり今回はXperia Playこそが目玉と言うことで、壇上にはSCEのリッジ平井社長が上がったりしてました。

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今日発表された機種は3機種。全てAndroidを搭載したXperiaファミリーで、

・フラッグシップXperia arcの一つ下のレンジを担う Xperia neo
・Xperia neoをベースにスライドQWERTYキーボードを装備した Xperia pro
・PlayStation Suite対応第一弾でゲームに強い Xperia PLAY

となっています。順を追って見ていくと、

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Sony Ericsson expands Xperia family with two new generation Android smartphones (英文プレスリリース)

Xperia neo (英SonyEricsson)

今までこの「ミドルレンジのスマートフォン」というジャンルには、AndroidではなくSymbian S60を採用したVivaz/Vivaz proという製品が置かれていたのですが、SonyEricssonがOS絞り込み戦略の中で、Symbian搭載機の開発を凍結(事実上の撤退?)してしまったため、今回からAndroid機がこのポジションにもやってくることになりました。

フラッグシップ機として最高性能を搭載しつつも、薄型・軽量化を妥協無く突き詰めたarcと違い、ある程度手に入りやすい価格レンジで出すことが使命となるneoは、性能的にはarcに近いものの、画面サイズは3.7インチに小型化され(ドット数は480×854で同一)、ちょっと重い製品に仕上がっています。

サイズを比較してみると、

・Xperia X10 119mm×63mm×13.1mm 139g
・Xperia arc 125mm×63mm×8.7mm 117g
・Xperia neo 116mm×57mm×13.0mm 126g

というように、X10やarcより小型化していながら、質量はarcの9g増しとなっています。これは「そこそこのコストで作る」というのが徹底しているからでしょう。

ただしスペック的には妥協無く、

・CPU Snapdragon MSM8255 1GHz
・Android 2.3
・裏面照射Exmor R採用810万画素カメラ
・arcにはない30万画素フロントカメラ搭載
・DLNA/HDMI出力対応
・FMラジオ搭載

となっていますので、サイズに極限までこだわらないそれよりは安い方がいい、という層はarcよりneoに行くことになるでしょう。おそらくこれが最量販機種になるんじゃないかな?

 

続いてneoをベースに横スライドのQWERTYハードキーボードを搭載したのが、

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Xperia pro (英SonyEricsson)

こちらはVivaz proの後継機になりますね。サイズ的には、

・Xperia neo 116mm×57mm×13.0mm 126g
・Xperia pro 120mm×57mm×13.7mm 140g

ということで、厚さの増加は最小限におさえつつneoにQWERTYキーボードを付ける、という考えで設計されたのがよく分かる数値になっています。

残念なのは140gという質量。X10miniproが120gだったことを考えると、「小さくてQWERTYキーボード付き」を欲していた層には、ちょっと大きいなと敬遠されてしまうかもしれません。まぁ狙っているレンジが違うので仕方のないことですが。

その他のスペックはほぼXperia neoそのままで、ソフトウェア的に

・Document Editor (Officeファイルの編集ソフト?)
・Type & Send widget (メール用のウィジェット?)

の二つがpro専用で積まれています。プレゼンテーションではメールの2ペイン表示(左半分に受信メール一覧を出しながら、右半分で本文表示)のデモもやっていたので、かなり「メッセージング」を意識した端末に仕上がっているようです。

あ、読者の中で赤好きの某さんにお伝えしておくと、カラバリは

・Xperia neo ブルー/レッド/シルバー
・Xperia pro ブラック/シルバー/レッド

になってますよ~(笑) 

なお、この二機種ともプレスリリースには、X10やarcの時にあった「日本を含む世界市場で出す」の一文が無く、周波数もUMTS 800/1900/2100という3バンド対応という表記になっているため(X10やarcはドコモのプラスエリア対応のため800/850/1900/2100の4バンド対応表記)、日本での発売は無いと思われます(本来850になるべきところが800になっているのが気になりますが、ソニエリお得意の誤記でしょう(笑))。発売時期はneoが第一四半期(3月一杯までに)、proが第二四半期(4~6月)を予定。

【2/14追記】

SonyEricssonの開発者向けサイトで、各機種のWhitepaperのPDFダウンロードが出来るようになっていますが、

Xperia pro white paper(SonyEricsson Developer world)

Proの北米版MK16aの対応周波数が、UMTS 800/850/1900/2100の4バンド表記になっています。このうち800(バンドVI)はドコモのFOMAプラスエリア用のものなので、NeoはありませんがProは日本で出る可能性ありです。

実際日本では結局のところハイエンド機に売上が集中するので、ドコモも「arcだけで十分」という判断なんでしょうね。

 

そして今回のメインイベントだったのが、

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Introducing Xperia PLAY – the world’s first PlayStation certified smartphone (英文プレスリリース)

Xperia PLAY (英SonyEricsson)

「なんでこんなに流出しまくってるの、あの会社の情報統制はどうなっとるんだ?」とこっちが心配してしまうぐらい、事前に情報が漏れまくったXperia PLAYですが(発表前に分解写真が載るとかありえね~)、とにもかくにもこれで正式なスペックが確定しました。

それによると、まずサイズが、

・Xperia X10 119mm×63mm×13.1mm 139g
・Xperia arc 125mm×63mm×8.7mm 117g
・Xperia neo 116mm×57mm×13.0mm 126g
・Xperia pro 120mm×57mm×13.7mm 140g
・Xperia PLAY 119mm×62mm×16mm 175g

という超重量級。現行のPSP-3000が189g、PSP goが158gですから、なんとPSP goより17gも重いという携帯電話になっています。

スペック的には、

・CPU 1GHz Scorpion ARMv7 (Snapdragon MSM8255/8655のことか?)
・4インチ480×854ドット液晶
・510万画素カメラ (Exmor Rでは無い)

というように携帯電話としてはちょっと抑え気味で、そのかわりPSP goのようなスライドパッドが出てきて、L/Rボタンやアナログタッチパッドも備えるなど、完全に「ゲーム」を前面に押し出す構成となっています。

肝心のゲームは先日SCE側で発表があったとおり、Android上にSCEが独自の開発フレームワークとPS1エミュレータを構築し、PS Storeでゲームを配信するPlayStation Suiteに対応。SCEが「PS Suiteのゲームが問題なく動作することを保証します」というAndroidスマートフォンに与える、“PlayStation Certified”を認定された第一号機ということになります。

すでに現段階で参入予定のゲームパブリッシャーも発表されていて、SCEやEAだけでなくNamco Bandai Networks(バンダイナムコ)の名前も見受けられます。

今後このシリーズ、ひいてはPlayStation Suite対応スマートフォンというのが、どこまで広まっていくかは不明ですが、Googleとは別のエコシステムをAndroid上に形成することで競争力を確保する、というこの取り組みが、今後のSCE/SonyEricssonの屋台骨の一つになると思うので、Xperia PLAYの成功はSonyグループ全体にとっても非常に重要なことになるのではないでしょうか。

 

そんなXperia PLAYですが、特にゲーム市場の大きい北米市場で大量に売ることを狙っているのか、何と2003年6月をもって撤退したはずの「北米CDMA2000端末」市場に、SonyEricssonが8年ぶりに参入するというサプライズが待っていました。

プレスリリースに出ている対応方式を見ると、

・GSM GPRS/EDGE 850, 900, 1800, 1900 & UMTS HSPA 800, 850, 1900, 2100
・GSM GPRS/EDGE 850, 900, 1800, 1900 & UMTS HSPA 900, 2100
・CDMA2000,cdma One,EVDO

という3種が世界市場に提供予定で、CDMA2000版はどうやらVerizon向けになる模様です。

そしてUMTS HSPAの対応周波数が800/850/1900/2100の4バンド表記となっていることから、日本ではドコモから発売される可能性があります。ただしneo/proに続いてPLAYのプレスリリースにも、おなじみの「日本を含む世界市場に出す」の一文が見あたらないので、もしかしたら日本では出ない可能性もあります。

どうもこのXperia PLAY、ヨーロッパのMWCで発表していますが、かなり北米市場でのSonyEricssonのプレゼンスを取り戻すことを意識した戦略商品、という感じがしてきますね。でもそれだったらCESでVerizon参入と同時に発表した方が良かったような気もしますけど…

なお発売は3月中がアナウンスされており、もし日本でも出るなら2月末に行われるドコモのSO-01C(Xperia arc)の発表と同時に、何らかの情報が出てくるかもしれません。

 

 

以上今年のSonyEricsson MWC向け発表会をお伝えしてきましたが、なにせ事前に情報が漏れまくったせいで、過去3年に比べて「おお!」という驚きはありませんでした。

機種的にはneo/proはヨーロッパで、PLAYは北米で、arcは日本で売れる商品になるでしょうから、とりあえず先進三地域は順当におさえた製品ラインナップになっていると思います。ただ同時刻に行われたSamsungの発表会ではデュアルコアの新Galaxyが発表されていて、発売も近日と言うことで、早くも単純なスペック競争では後塵を拝する結果となっています。

そういうスペック表競争を避けるために、PlayStation Suiteのような「Sonyのエコシステム」を構築する戦略なのでしょうが、わざわざ中途半端な製品にならないよう昨年末商戦の新機種投入をキャンセルしているわけですし、「技術のSony、技術の日本」をとどろかすためにも、一機種ぐらいは“憧れのスーパーハイエンド”な機種を出しても良かったんじゃないかなぁ、と思わなくもありません。

ただいずれにしても、今日の3機種とarcを合わせた4機種が全て今年の上半期中に発売されることから、夏ぐらいにはまた次の新たなXperiaシリーズが多数発表されることになると思います。その時には更に進化したXperiaが見たいところですね。

 

え?で、結局お前は今年何を買うのかって?(笑)。う~ん、arc海外版のブルーか、proのレッドのどちらかですね。本当はX10miniproの正統後継に期待したいところですけど…

 

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Riever

おつかれさまです。

Xperiaシリーズ、かなり事前情報が多かったので、私もサプライズは全くといっていいほど感じませんでした(^^;;
スペックの方は、とりあえずPSSのシステムを優先させたと言うことで後回しになった感じが否めないので、そういう意味でのハイエンドはもう少し待つことになりそうですね。
次、次と言うとキリがないところではありますが、既に次が気になるという状態になりつつあります(^^;;;
by Riever (2011-02-14 14:22) 

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