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2010年以降(このままでは)スマートフォンとケータイは近づかない [携帯電話・全般]

2010年と新しい年になって、ITmediaにNTTドコモ辻村清行副社長のインタビューが掲載されました。

2010年以降、スマートフォンとケータイは近づいていく──NTTドコモ 辻村氏に聞く(前編)(ITmedia +D Mobile)

新たな10年で変わるモバイルビジネス──NTTドコモ 辻村氏に聞く(後編)(ITmedia +D Mobile)

神尾寿氏による業界のキーパーソン辻村副社長へのインタビューは、去年の新春も行われていて(前編中編後編の3部構成)、

・通信インフラという重要な「土管」の部分を担わせていただいた上で、より「スマートな土管」になりたいのです。
(え?確かにエリアとか土管の性能は良くなりましたけど、相変わらず端末の機能・デザインまで口を出す「うるさい土管屋」状態が続いてませんか?)

・我々はそういった多様な選択肢を、お客様に提供していかなければなりません。
(え?去年ドコモから出た携帯電話、PROシリーズ以外はみんな同じような機能とデザインになってませんか?)

・その時々に使いたい端末で、シームレスにコンテンツやサービスを利用できるようにしていきます。
(え?去年投入された新端末・新サービスも、結局はドコモだけで全てが閉じてしまうものばかりだったと思いますが?)

このように1年経ってから見ると苦笑してしまうような発言がいくつかあったりしますが、今年のインタビューも同じような感じで、個人的には「この人何か根本的にずれてないか」としか思えませんでした。

特に印象的だったのが、国産携帯電話(以下和式ケータイ)とスマートフォンの違いに触れたこの一文。

>PRIMEシリーズとスマートフォンを比べた時に決定的に異なるのは「コンテンツのセキュリティ」です。例えば、ダウンロード購入した音楽コンテンツは(携帯電話の外に)持ち出せないとか、音楽・映像をはじめ、多くのコンテンツで著作権管理や(不正利用防止の)セキュリティ確保をしっかりと行っているのです。

>一方で、スマートフォンなどオープンOSの世界は、iPhoneなど特定の企業がプラットフォーム管理を徹底しているケースを除けば、ダウンロードコンテンツの管理・セキュリティが、PRIMEシリーズなど従来型の携帯電話ほどきちんとできていません。この点は両者の違いになっており、特にコンテンツプロバイダーから見た時に重要な差になっています。

これはおそらく「スマートフォンは著作権管理が甘くて、コンテンツプロバイダーがコンテンツを提供しないから、ユーザーがコンテンツの無いスマートフォンに魅力を感じず、ユーザーが増えてビジネスにならないからコンテンツも増えず、という悪循環になっている。」と言いたいのだと思われますが、本当にそうでしょうか。

しかも辻村氏の話はさらにおかしな方向へと展開し、

>スマートフォンも今後DRMが強化されていく流れになるでしょう。現状では(コンテンツ管理は)従来型の携帯電話の方が優れていますが、ここでもやはりスマートフォンとの差は将来的には小さくなっていくでしょう。

スマートフォンにDRM(デジタル著作権管理)を持ち込むことが、和式ケータイとの差を埋めることだと言わんばかりの勢いです。

しかし何年にもわたって営業・販売の最前線でお客さんを見てきた僕に言わせれば、普通の人にとって携帯電話というのは、電話・メール・SNS・ブログ(twitterやいわゆる“リアル”等も含む)で誰かとつながるための“コミュニケーションツール”であって、コンテンツを手に入れたり情報を閲覧するのは所詮は第二、第三の目的でしかありません。ましてや“コンテンツの量”を重視してケータイを選ぶ人は明らかに少数派で、有料サイトの契約数なんて2個以下の人がほとんどを占めます。

では今までiPhone以外のスマートフォンが大きく売れなかった理由は何か、それはコンテンツの量などではなく、もっと単純に、

「使いにくいから」

に他なりません。iPhone発表時のジョブズじゃありませんが、WindowsMobile機は「スタイラス?誰がそんなの欲しがる?片手で使えないし、画面上の小さなボタンに狙いを定めて棒でタップなんて面倒すぎる。」って感じですし、タッチパネル式じゃないNOKIA S60機やBlackBerryといったスマートフォンも、あまりに和式ケータイと作法が違いすぎて、普通の人にとっては「そこまでして乗り換える魅力のあるものなの?」というのが正直な感想でしょう。

しかも世界標準のMMSを使っているので、和式ケータイとスマートフォンでメールアドレスも基本的な使い勝手も変わらないSoftBankならまだしも、iモードメールという独自規格にしがみついているせいで、同じアドレスを維持するのに、追加料金や使い勝手の悪い特殊なアプリを要求されるドコモでは、そもそもスマートフォンはコンテンツの量云々以前に、“コミュニケーションツールとして失格”の存在でしかありません。

まして、今スマートフォンを積極的に選んでる人の中には、単純に自前のMP3ファイルを入れて再生することさえ出来ない、和式ケータイ(海外ではスマートフォンに限らず携帯電話でMP3が普通に使えるのが当たり前)の縛りのきつさに辟易している人も多く、和式ケータイ並のDRMなんて入れられた日には、逆にスマートフォンの魅力は半減するのではないでしょうか。

もし辻村氏が本気で「スマートフォンの一般化には、DRMを強化してコンテンツを増やすことが重要」と考えているのであれば、それはいくら何でもユーザーの感覚とズレすぎですし、レコード業界に配慮してOpenMGで強固なDRMをかけたWalkmanが、後発でDRMが緩かったiPodになすすべ無く敗れ、今ではMP3ファイルのD&Dでも使えるようになったという歴史(Sonyファンとしてはあまり触れたくない黒歴史ですが…)ぐらい学んでおこうよと言いたいところです。

 

それにしても、和式ケータイとスマートフォンの違いって何でしょう?

もともとスマートフォンという言葉は、海外では「通話とSMSしか出来ない携帯電話と違って、Eメールがやりとりでき、Webブラウザでサイトが見られるようになった携帯電話(=賢い電話)」という意味合いで使われており、その意味なら和式ケータイはほとんど全てが“スマートフォン”に分類されるはずです。

しかし、今の和式ケータイは“スマートフォン”と呼ばれることはなく、iPhone / Android / WindowsMobile / BlackBerry / NOKIA S60 / PalmPreといったスマートフォン群とは明白に違う製品として扱われます。それは何故か。僕はこの二つの分かれ目は「アプリ(ネイティブアプリ)をユーザーが自由にインストール出来るか否か」にあり、それは「ワープロ専用機とパソコンの違い」と同じ構図だと考えます。

1980年代、パソコンがまだ高価でビジネスの現場か機械好きなマニアの家庭にしか無かったころ、日本では比較的安価なワープロ専用機が先に普及を始めていました。

東芝「ルポ」、シャープ「書院」、富士通「OASYS」、NEC「文豪」、ソニー「プロデュース」、パナソニック「スララ」等々、各電機メーカーが様々な製品を出して覇を競い合っていたのですが、ワープロはパソコンと違って「日本語の文章を作成・清書・印刷する」という使用目的がハッキリとした製品なので、ソフトを入れ替えることで“何にでも使える”パソコンと違って、

・スイッチオンですぐ起動、文章作成が出来る。
・スイッチオフ時の状態を記憶して同じ状態で再開出来るレジューム機能(当時のパソコンには無かった)
・プリンタ一体なのでケーブル接続不良や相性、ドライバの組み込み作業などの面倒を心配しなくていい。
・ワープロ以外の機能が無いので操作がわかりやすい。
・ソフトウェアの心臓部が半導体ROMで入っているので動作が速い。

といった優位点がありました。一方弱点として、

・各メーカーがファイルフォーマットを統一しなかったため、文書の互換性が低かった。
・低価格化のため液晶画面が極端に狭かったり、モノクロ液晶の状態が長く続いた。
・新しい機能を使おうと思うと最悪ハード丸ごと買い換え。

といった面もあり、時代が進みパソコンが低価格化すると徐々にパソコンに市場を侵食され、90年代になるとインターネット接続重視の流れから、ワープロ専用機もWebブラウザやメーラーを搭載したりしましたが、最終的にはパソコン+ワープロソフト+プリンタの組み合わせに駆逐されました。

このように同じ「情報を処理する機械」であるワープロ専用機とパソコンを分けたのは、『目的のためのソフトウェアは組み込み済みで入れ替え不可の専用設計』か、『ソフトウェアを入れ替えれば目的ごとに姿を変えられる汎用設計』かの違いであり、それが僕には「日本のユーザーの最大多数のニーズを満たすために専用設計・独自規格」の和式ケータイと、「世界中のユーザーがニーズに合わせて自力でソフトウェアを入れ替えられる汎用設計・国際規格」のスマートフォンの違いと全く同じ構図に見えるのです。

そしてインタビューの中で、辻村氏がドコモの戦略的セグメントとして位置づけている行動支援サービス「iコンシェル」も、典型的なワープロ専用機型の設計思想で出来ていて、専用設計なことで最初からバッテリへの負担が少ないよう最適化されているなど、ユーザーには恩恵も多いのですが、それを使いたいと思っても、対応機種へとハードウェアから丸ごと買い換えを要求されるという弱点はそのままです(それどころか同じiコンシェル対応でも、GPSによる位置情報と常時連動する「オートGPS」機能はまた別で、これまたそれに対応した機種への買い換えが必要という蟻地獄状態)。

もし辻村氏の言うとおり「ケータイとスマートフォンが近づく」ということが本当に起こるのであれば、それはiコンシェルのような、ドコモが開発・提供するサービスを一つのアプリケーション化し、ハードウェア買い換えの必要なく、ユーザーの意志で、AndroidやiPhoneなどの各スマートフォンに契約・インストールが出来る状態になった時だと思います。それこそ富士通のOASYSがパソコン用ワープロソフト“OASYS”になったように。

もちろんそれはドコモの意志だけではどうしようもありません。

今のスマートフォンは、Google / Apple / Microsoftといったパソコンの分野からやってきたプレーヤーがOSを作っており、その設計思想はどうしても「スマートフォンは小型パソコンだ」的な発想からくるものに偏りがちで、iコンシェルのように常時ネットワークやGPSの状態、果てはユーザーの行動まで監視・解析し最適駆動させるアプリを、裏でバッテリを食わないまま常駐させる、携帯電話的な発想からくる仕組みがOSに無かったりします(iPhoneに至っては現状では単純な常駐アプリを作ることさえ不可能)。

ドコモは使いやすいUIや魅力的なハードの開発は端末メーカーに任せておき、自分達が考えた新サービスを汎用OS上の一アプリケーションとして提供できるよう、その土台となる機能をOSに組み込むことを、各スマートフォンOSサプライヤーに働きかけることに専念すべきだと思います。このまま日本の電機メーカーに、半年に一回ドコモ用オーダーメイド端末を開発させたり、コンテンツメーカーにばかり配慮してDRMを強化しているようでは、スマートフォンと和式ケータイが近づいていくことは永久に無いと思います。

その結果ワープロ専用機のように和式ケータイは絶滅するか、それとも日本独自のカタチとしてしぶとく生き残るのか、それはユーザーが決めることなので全くわかりませんけどね。

もしかしたらSO-01B(XPERIA X10)の動向がその最初の指針になるかもしれません。

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モーリタイザー

解説とてもわかりやすかったです。
和式ケータイって、わざわざ跨って使わないといけないものって思わせる響きですね。

もう何年も携帯電話はかえてないんです。通話とメールだけできればいいから。あとはいらない蛇口がたくさんついてるだけで、面倒くさくってね。
DRMも機種依存が酷すぎて、携帯の機種をかえると再購入しないといけないとか、それだとNHKオンデマンドの日数制限みたいに「おまえのものはおれのもの。おれのものはおれのもの。」理論じゃないですか。
(このへん改良されてるのかなとおもったんですが、友達や家族が最近かったau/SBの携帯もまったくおなじ轍のままでした。)
iTunesという巨大母艦をもっている強みがあるiPhoneは今月、さらにネットブック(タブレット)分野へも手をのばすようですが、アップルの戦略を解析した本をよんでみても、アップルってとっても長期的にユーザーを取り込もうとする計画、悪くいえばずる賢いまでの取り込み方をしてる、ベンダーならではの遊撃手のような動きで巧みにユーザーを誘導しているのにも関わらず、きちんと使う側へも自由度を与え、それが機器への信頼へ向くようにしてますよね。ああ、おそろしい。
日本みたいに、人間も機械も「1年たてば次がある・次がくる」というやりかたじゃ、永遠にこのままなんでしょうね。

by モーリタイザー (2010-01-04 10:51) 

Riever

腐った圧縮音源をわざわざ買おうとは思わないのですが、端末での縛りのせいでいわゆる「自作着うた」を作るのに制限が出来るのは勘弁して欲しいものです。
これ以上ガチガチにしようものならもう買い換えようとは思いませんし、スマートフォンにも広がったら、私はスマートフォンに移行しようとすら思わなくなりますね(爆)
by Riever (2010-01-04 16:00) 

ショウヘイ

あけましておめでとうございます。
本年もわかりやすい解説宜しくお願いします。

>自分達が考えた新サービスを汎用OS上の一アプリケーションとして提供できるよう、
これやっても誰も使わないのではないでしょうか?
それしかない、またはそれしか使わせないから使っているのであって、他知ってしまったらね。
結局iPhoneがそれを証明してくれていますよね。

年末ついにiMac27インチi7買ってしまいました。
こりゃ良いわ。
今回のテーマではないので、詳しく触れませんが、一言、DRM。
VAIOからデータを移したのですが、ホームシャアリングのすばらしいこと。
購入した音楽、アプリすべて完璧に移りました。
その前に、VAIOの51S2でしたが、あまりに調子が悪く、OSの再インストールをしました。
その際も、iTunesのデータのバッックアップのしやすさでびっくりしました。
今回のパソコンからのデータ移動(VAIOもありますので、両方に同じもの)
さらに、iPhoneの母艦の乗り換え。
とこちらが思ったよりはるかに簡単に出来ました。
自分で買った音楽やアプリ、こうでなくっちゃ駄目ですよ。
こうもまざまざ違いを見せつけられると、携帯だけでなくパソコンも他に変われません。
仕事用のノートもMac Book Proにしてしまいそうです。

ドコモだけ目立ちますが、日本企業(ソニーも)と、グローバルな企業の違いではないでしょうか?
結局、お客様が使いやすいのが広がるのでは。
ブルーレイも同じではないでしょうか?
録画機がPSXですので、そろそろ次のが欲しいのですが、今のブルーレイはね。
確かに画像がきれいですが、不便で。
by ショウヘイ (2010-01-04 17:17) 

コイン

今回の話の主旨とは違いますが、ソフトバンクは2Gパケット対応機種のJ-SH51の頃から
電話番号が同じという条件つきでほぼ全てのコンテンツを次機種以降に持ち越しできています。
ソフトバンクでもボーダフォンでもなくJ-PHONEの功績ですが、今だ継承されているので他キャリアよりは評価してます。
あと最近ウォークマンXを修理に出したのですが、基盤交換でワンセグビデオが再生出来なくなってしまいました。
著作権保護も大事ですが、バックアップ環境を整えるなりしてもっと柔軟な規格を作って欲しいです。
by コイン (2010-01-05 21:25) 

こまどり

 とても興味深く拝見させていただきました。
 私もソニーファンの一人であり、今度発売されるというSO-01Bに胸躍らせていたのですが、今回の副社長のインタビューを読んで非常にがっかりしました。
 NTTDoCoMoは今までの「ワープロ」的ビジネスモデルが唯一無二の成功体験であり、良くも悪くもそこから抜け出せず空回り気味になっているように思います。今回のインタビューで感じたのはそこでした。
 SO-01BをDoCoMoが出すのも、iPhoneが売れているようだから、流行っているみたいだから"なんとなく"出すというのが本音でしょう。サポートも面倒だしきっと本当は売りたくないのでは?Nokiaに制限をかけまくって電話とメールしかできなくした「前科」もあることですし。
 SO-01Bが水を得た魚のように本領を発揮できるのは、iPhoneが普通のケータイ以上にもっともっと売れなければ無理だろうと思います。残念ながら今のDoCoMoにスマートフォンとケータイを近づけるなんて芸当できるわけありません。ホントにSO-01Bは残念なコですよね。出る前から「死亡宣告」されてるんですから。
by こまどり (2010-01-05 23:56) 

・・・

いつも思うのですがSPAさんの意見は極論過ぎる気が。
辻村氏の意見があっているとは言いませんが、
今の日本の現状を考えれば、この流れは普通の事だと思いますが。
DRMに関しても”日本に関しては”国策に近いものもありますし。

逆に今SO-01BをSIMロックフリーで販売したら、爆発的に売れると思いますか?現状のユーザをないがしろにして、imodeをやめて、世界標準に持って行くことが、日本の全携帯電話の半分のユーザにとって良いことでしょうか?

それに最後に書かれていることはドコモにかぎらずauもすでに行っていることだと思います。

こまどりさんの書いていることは論外。とんちんかんすぎる。

ソニエリに関しては自らの不振からシンビアンを離脱してドコモで携帯出せなくなっただけなので、アンドロイドで復活してほしいですが。。。

by ・・・ (2010-01-06 01:04) 

akoustam

>・・・さん
コメントありがとうございます。ただ残念なことにここはソニ☆モバさんではありませんので、お間違えのないようお願いします(笑)

で、いろいろと誤解があるようなのでコメントさせていただきます。

>今の日本の現状を考えれば、この流れは普通の事だと思いますが。
>DRMに関しても”日本に関しては”国策に近いものもありますし。

僕の文章力の無さが悪いのかもしれませんが、僕は「DRMはすべて無くすべきだ。」とは言っておりません。それこそiTunesのFairPlayレベルのDRMなら特段ケチをつける必要もないでしょう。
しかし今までのドコモの行動から考えれば、「DRMを強化」というのは和式ケータイレベルの強烈なDRMをかけることの意思表明としか思えないので、
「ユーザーが持ってるMP3ファイルの再生すら許さない、和式ケータイの“まずCPありき”の論理を持ち込むことがスマートフォンのケータイ化とは思えない。」
と主張したのがこの記事です。

それに“国策”と申されましても、WalkmanはMP3のD&D転送に対応していますし、過去にソニエリもMP3がそのまま再生できる携帯電話をドコモ向けにも投入しています。
今の和式ケータイの異常なまでの縛りつけは、国策などではなく「着うた・コンテンツが売れなくなったら困る」という、キャリア側のCP・レコード会社への過剰な配慮が原因だと思いますが、違うでしょうか。別にユーザーが自分で保有しているMP3ファイルをどのデバイスで使おうが、勝手だと思いますけどね。

>逆に今SO-01BをSIMロックフリーで販売したら、爆発的に売れると思いますか?

僕がSIMロックフリー論者であるのはそのとおりですが、XPERIA X10をSIMロックフリーにすれば爆発的に売れるとは、過去に書いた記憶がありません。
「今のドコモの料金設定とMMS非対応という状況では売れない。ソフトバンクでiPhoneと同等の料金設定で出せればドコモで出すよりは確実に売れるだろう。」とは思っていますが…

>現状のユーザをないがしろにして、imodeをやめて、世界標準に持って行くことが、日本の全携帯電話の半分のユーザにとって良いことでしょうか?

まず僕の中では、Webサービスとしての「iモード」と、メールサービスである「iモードメール」はまったく別物として考えられていて、やめるべきと主張しているのは「iモードメール」のほうだということはご承知ください(Webサービスとしてのiモードは、セキュリティ的な問題もあって時代にそぐわなくなっているので、どうせ放っておいてもPCサイトやスマートフォンアプリと統合されてゆっくり自然消滅すると予想)。

それと本文に書いたとおり、僕はiコンシェルやiチャネルをやめろとは思っていません。「いつまでもハードウェアから丸ごと専用設計してないで、一つのアプリケーションとして独立させて、使いたいユーザーだけがインストールすればいい状態に出来ないの?」っていうのが僕の主張です。

で、iモードメールですが、さすがに今日明日やめることなど不可能だというのは百も承知です。
しかし「(海外並みの相互接続が実現すれば)異キャリア間でも電話番号だけで送受信できる」「無料先行受信ができる」「SMSとiモードメールという似て非なるものがメニュー内に共存している意味不明な状態が解消される」など、MMS移行は普通のユーザーにも大きなメリットがあると思っているので、ドコモはiモードメールサーバとは別にMMSサーバを立ち上げ、まずは海外との共通機種から順次そちらにユーザーを移していき(もちろん@docomo.ne.jpのアドレスはそのままで)、何年かかけて最終的にiモードメールを終了させるのは十分に可能であり、やるべきことだと考えています。

順番的にSIMロックフリーを導入するのはこの後の話でしょう。今導入しても何の意味もありません。

これを「極論である」と断言されてしまうと返す言葉もありませんが、簡単に実現可能な方法なら、何も僕がブログに書かなくてもドコモが実現することでしょう。
一見無謀とも思えることでも、僕はそれこそが最終的なユーザーの利益につながると信じているので、ここに書いていますし、僕と考え方を共有出来ない方の主張を頭から否定するつもりもありません。最終的には市場が決めることですから、僕が間違っていたという結果になることも大いに考えられますしね。

そういえば「シンビアンを離脱」ってのも良くわかりません。海外ではもともとソニエリはUIQでSymbianに傾倒していて、今もS60でSymbianにコミットしてますが…MOAP(S)に愛想をつかしたってことなのでしょうか。
by akoustam (2010-01-06 16:15) 

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