VAIO X-treme Review 開梱篇 [VAIO X-treme]
VAIO X “X-treme” レビュー、今日は第一回恒例の開梱篇をお送りします。
で、今回も箱を開ける前に僕がオーダーした構成をおさらいしますと、
VAIO 505 EXTREMEのスペシャルモデルを持ってる僕としては、プレミアムカーボンは外せません。CPUは迷うことなく最高速のAtom Z550(2GHz)、Intelのロードマップでは、このアーキテクチャはしばらくこれ以上の高速化をしないので、550にしておけば後悔無し。
SSDは当初128GBの予定でしたが(PATA接続で明白に遅い64GBは論外)、今持っているVAIO type Pが64GBなので「軽量化最優先のtypeP/ハードな処理用のX」と使い分ける意味でも、最大の256GBを奢ることにしました。
ワイヤレスは、川崎在住で東京と神奈川を業務圏内としている僕としては、エリアが広いだけで遅くて高いdocomoは不要、なので当然WiMAXを選択することになります。UQ WiMAXのエリアは急速に広がっており、通常使用はWiMAX、どうしてもWiMAX圏外の時だけXPERIA X1+iPhone SIMでカバーとなるでしょう。
ちなみにWiMAXを選択すると、QUALCOMM製のHSDPAモジュール UNDP-1が外れるので、本体重量が20g軽量となり、Intel製のWiMAXユニットWiMAX/WiFi Link 5150(いわゆるEchoPeak)が、802.11a/b/g/n対応のWiFi機能を持っているので、WiMAX非選択時についてくる802.11b/g/n対応のユニットよりも、無線LANも高速化します。
Bluetoothあり/英字キーボードはいつも通りの選択。
今回一番悩んだバッテリーは、最終的にS+Xバッテリー二つ構成を選びました。先ほど書いたとおり「軽いパソコン」はtype Pに任せて、VAIO Xは「軽さよりもパワーとバッテリー」と使い分けるのなら、L+Xバッテリーにする手もあったのですが、なにせSバッテリーがオプションとして市販されないので、入手が難しいということでしかたなくS+Xになったというわけです。とりあえずヘビーな使用の時はXバッテリーの出番かな。Sバッテリ単独で発売してくれないかなぁ>Sony
この構成だとSバッテリー使用時は質量670g。僕のtype P-ZEROより80g重いマシンとなります。ちなみにXバッテリー使用時は1,060gですから、JEITA値20.5時間使用可能なパソコンが、それでもジャスト1Kgという驚異的な軽さで運用できることになります。
というわけで、この構成で届いたVAIO X-tremeの個装箱を開ける前に、今回驚いたことを一つ。
なんとSonyStyleの配送箱もこんな背の低い薄型で届きました。届けたヤマト運輸の人もこれがパソコンのお届けだとは思わなかっただろうなぁ。
個装箱は非常にシンプルなモノリスのようなデザイン。天面にはSONYロゴ・VAIOロゴと共に、英語で「Personal Computer」フランス語で「Ordinateur personnel」、そして「VAIO X」ではなく「X1」と書いてありました。
黒一面な箱の中で、唯一ごちゃごちゃ書いてあるのが向かって左側面。
IntelロゴとかMcAfeeロゴがうざったくて、箱のデザイン台無しです。マカフィーなんて使わないっていうのに(^^;
type Pの箱と比べると、コンセプトの違いが一目瞭然。
箱もVAIO X-tremeの方が薄型っていうのは、らしくていいのではないでしょうか。そしてこの異彩を放つ「黒一色」な箱のデザインは、明らかにデザイナーの森澤有人氏の意向が入ってるからと思われます。
何せ箱のデザイン・構成から、プリセットされる壁紙まで森澤氏トータルプロデュースだった、VAIO NOTE 505 EXTREMEの箱はこうだったんですから。
ね、黒一色でしょ(笑)
当時36万円だった505 EXTREMEほどコストはかけられないとはいえ、それでも何とか「特別なVAIO」感を出すための苦労の後が伺えます。
しかもコストかけられないと言いながら、ビックリしてしまうことがありまして、僕と違うXバッテリー無しでオーダーしたかつぽんさんのVAIO Xの箱と比べてみてください。
明らかに箱の厚さが違うんです。
この後出てきますが、Xバッテリー付きでオーダーすると、Xバッテリーはオプションとして別箱で届くのではなく、本体と一緒の個装箱に入って届きます。そのスペース分だけ箱が厚くなっているんですね。オーダー内容によって個装箱の大きさが違うって、VAIO OWNER MADE史上初の試みかもしれません。
箱は最近のVAIOではおなじみの手前から天面が一気に開くタイプ。
中箱の間にちょこんと保証書が挟まっているのはtype Pと同じです。
上段の中箱を取り出すと、
下に本体が見えますが、中箱の中身はマニュアル類とクリーニングクロスでした。
WiMAXの申し込み方法など、本体説明書以外の紙がたくさんです。
クリーニングクロスは、本体下部のブラウンカラーに合わせたもの。
クロスは自分で持っているので、これは大事にしまっておきます。そういえば505 EXTREMEもクロス付属だったはずなんですが、すっかり行方不明になってます。あれも大切にとっておいたつもりなのに。
ちなみに森澤氏フルプロデュースの505 EXTRMEの中箱は、VAIO X以上に凝ってまして、
マニュアルやリカバリーCDがファイルケースのようなデザインの中箱に入っていて、
このまま本棚にしまっても違和感ないようなかっこいいデザインをしています。お金かけるとここまで出来るんだという素晴らしい見本です。
上段中箱のもう一つは電源ケーブル類が収められていて、
ちょっと大きめのACアダプタが出てきます。
“ちょっと大きめ”と書いたのは、同じ10.5Vであるtype P用ACアダプタどころか、16Vであるtype TZ用のACアダプタよりも大きかったから。
上からVAIO X用/VAIO type P用/VAIO type TZ用
折角のVAIO Xなんですから、ACアダプタももうちょっと小型化して欲しかったところですが、大きくなった理由は定格を見て分かりました。
同じ10.5Vでも、VAIO X用VGP-AC10V4は出力2.9A、type P用VGP-AC10V2は出力1.9Aと、明らかにVAIO Xが大電力を必要としているのです。さすがにこれではVAIO XとVAIO type PでACアダプタを共用するのは不可能です。あきらめて専用のを使うことにしましょう。
ただもう一つ納得いかないのは、VGP-AC10V4にあの便利な「ウォールマウントアダプタ」の設定がないこと。これもACアダプタの形状、メガネケーブルの差し込み口の位置が違うため、type P/type TZ用のウォールマウントアダプタを使うことは出来ません。
VAIO X用VGP-AC10V4
VAIO type P用VGP-AC10V2
これはかなり残念です。あ~あメガネケーブル持ち歩かなくちゃいかんのか…
ついでにこれもコストダウンなのかな?ここ7年ぐらいにわたって、ずっとプラグのところについていたACアダプタの通電ランプが、
VGP-AC10V4では無くなりました(笑)
で、ランプはどこに行ったかというと、
なぜかACアダプタの隅っこに。こんなところで通電確認できるんかいな。
ちょっと残念が多いACアダプタに続いて、本体の乗った段ボールトレイを取り出します。
本体は布の袋で包まれています。
これは通常よくある「ミラマット」という梱包素材に比べてコストがかかるのですが、傷の保護では有利とのことで、VAIOにも採用されたんだと思われます。
そして本体の下に三段目として入っているのが、Xバッテリー。
この分だけかつぽんさんのより個装箱が厚くなっているんですね。こっちはさすがにミラマットに包まれています。
特異な形状をしたこの「Xバッテリー」に関しては、また後日詳細エントリーを別に書く予定です。
では、布の袋から取り出して、
いよいよVAIO X-treme本体を見ていきましょう。
冒頭に申し上げましたとおり、今回僕が選択したのはプレミアムカーボンカラー。
通常のブラックと違って天板には、横方向にカーボン繊維がヘアライン状に走っている模様が見え、さらにブルー系のラメがキラキラと光るような、かなりど派手な塗装となっています。
なので正確には「ブラック」というより「ダークネイビー」に近いボディカラーかもしれません。天板のVAIOロゴはすっかりおなじみになった「ルミナスミラーロゴ」ですが、VAIO X-tremeはプレミア感を出すために、シルバーではなくちょっと金色がかった「ローズゴールド」となっています。
カーボン素材の一枚板なのに、各種アンテナがくる天板上部に、一本彫り込みのラインを入れて塗装を微妙に変えてあるのは、デザイン上のことなのでしょうか。
type Pのようなすっきりした一枚天板(正確にはあれは一枚板ではなく、マグネシウムと樹脂を一体成型(おそらく大成プラスのNMT)した特殊なモノなのですが)にする手もあったと思うのですけど、そこは不明です。
液晶を開くと、そこには奇をてらった感じもない、オーソドックスなノートPCの姿があります。
中もブラック塗装のはずですが、光の当たり方によってはやはりダークネイビーといった感じの色になります。
パームレスト面はアルミによる一枚板のため、手を乗せると若干ひんやりします。
問題はこのパームレスト面が高級な塗装過ぎて、手の平の脂がつきやすいこと(すでに量販店に展示してあるVAIO Xはテカり始めています)。もしかしたらパームレストカバーのようなものを導入しなくてはいけないかもしれません。
エッジ面を凹型に丸く面取りした「リジッドアークデザイン」は、この角度が一番わかりやすいでしょうか。
これで見た目にもかなり薄く見えるようになっています。
続いて各モバイルPCと大きさ比較。
まずは同じ11.1インチ1366×768ドットディスプレイを持ったtype TZと。
さすがに同じディスプレイだけあって、基本的な大きさはほとんど一緒です。type TZのほうがシリンダーデザインによるバッテリ分だけ、奥行きがあることになります。
キーボードはtype TZのほうが一回り大きな感じ。特に縦方向のキーピッチに余裕が見られます。VAIO Xはバッテリがパームレスト下に収まっているため、タッチパッドが小型になっているのが特徴的です。
厚みの差はまさに「圧倒的じゃないか我が軍(ry」状態。type TZの本体部の厚みよりもVAIO X全体の厚みのほうが下回っています。本当にtype Tを圧縮して薄くしたイメージです>VAIO X
続いて同じAtom Z CPUを採用したtype Pとの比較。
こうしてみると明らかにtype Pは小さいですね。よくこれだけのスペースに隣のVAIO Xとほぼ同じ性能を持ったコンピュータシステムが入ってるもんです。
開いてもその差は明白。type Pのほうが「軽快でフレンドリーなコンピュータ」といった雰囲気を醸し出しているのに対し、VAIO Xは「ビジネスできっちり使う実用コンピュータ」といった見た目です。
厚さに関しては、type Pの本体部がVAIO X全体と同じ厚さといった感じ。エッジの効いたシャープなデザインのVAIO Xに対し、カプセルシェイプで柔らかなラインを描くtype Pと、お互いのコンセプト・ターゲットユーザーの違いがよく分かります。やっぱり女性にはtype Pを勧めるかなぁ。
最後はVAIO X誕生の礎の一つとなった、VAIO NOTE 505 EXTREME。
やはり4:3ディスプレイのノートPCは、「一世代前のPC」といった見た目になってしまいますね。使用6年、東南アジア5,000Km自転車旅行も共にしたマシンだけに、傷の付き方が尋常じゃないのはご容赦ください。
同じ森澤有人氏のデザインですが、6年の間があっても「すっきり」「無駄なし」「何も無いフラットな面の美しさ」という氏のこだわりは全く衰えていませんね。
さすが「最薄部のみの厚さなら未だにVAIO最薄」の505 EXTREMEだけあって、先端部はVAIO Xより薄くなっています。そしてこの写真で一番分かるのは、6年の間に最も薄型化が進んだのが、実は液晶パネルであるということ。昔は液晶といえどもこれぐらいの厚みがあったんですね。
そしてtype Pのときもやりましたが、同じ焦点距離で4機種のキーボードを撮影して、大きさやキーピッチの比較をしてみます。
↑ VAIO X
↑ VAIO type P
↑ VAIO type TZ
↑ VAIO NOTE 505 EXTREME
こうやって比較してみると、VAIO Xは全幅がtype TZとほぼ同じなのに、意図的なのか少しコンパクトにキーボードが作られているのがわかります。
カーソルキーが一段下にしてあるのを含め、type TZは「普通のキーボード」を目指しているのに、似たフットプリントのVAIO Xがどちらかというと、type Pのようなキー配置になっているのは興味深いところです。
type Pのキーボードは、限界までそぎ落としたフットプリントの中に収まっている感じで、本当に「もうこれ以上小さくできない」レベルまで、本体が小型化されている感じですね。
あと英字キーボードにもかかわらず、VAIO Xの「>」キーと「?」キーが不等ピッチになっていて、右Shiftキーが若干大きく設定されているのは、実際に使ってみてどうでしょうか。type Pではこの右Shiftキーが、僕にとって一つの鬼門だったので、今後じっくり検証していこうと思います。
では、本体の残りの部分を見ていきましょう。
本体向かって左サイドに、ACアダプタ端子とUSB×2、ヘッドフォン端子があります。
このリジッドアークと端子との合わせ部、カラーリングとパーツの意匠たるや「よくぞここまで」って思います。恐ろしいまでの美しさへのこだわり、参りました。
前面本体部には、各種インジケータ。
これも凹面になっているリジッドアークの中に、小さなインジケータ用の穴が開けられ、アイコンとWIRELESSの文字が見事に刻印されています。すごすぎる。
向かって右サイドは、開発者セミナーリポートでそのこだわりをお伝えした、VGA端子とLAN端子があります。
VGA端子は本体とツライチレベルで美しくきっちり取り付けられ、
信頼性まで踏み込んで設計された開閉式のLAN端子も見事です。
パームレストのVAIOロゴはプリントタイプ。
さすがに505 EXTREMEのように、彫り込んでルミナスミラーロゴとはいかなかったか。
キーボード面左端にACアダプタの端子表示。
反対側の右端にフラットなデザインの電源ボタン。
WIRELESSのON/OFFスイッチは、今回はキーボード上にやってきました。
ディスプレイのヒンジ部には、開閉時のストッパーとなるゴムが付いているのですが、
これが画面を90度ぐらいまで開いたところで接地してしまいます。
これだと画面が見にくいので、さらに液晶を開く事になるのですが、そうすると微妙にVAIO Xの後部が持ち上がって、
このストッパーがVAIO Xのゴム足になる設計のようです。しかしこれだとなんだかキーを打っていて不安定。そこでVAIO Xにはもう一つちゃんとした足があります。
この足が底面後部両側に付いているので、これを起こすと、
先ほどのストッパーではなく、この足でVAIO Xは立つことになります。もともとこの足は、開閉式のLAN端子を使用するときに開いた端子が地面と当たってしまうため、本体そのものを少し浮かせるよう付いているモノですが、机上で使う時はデフォルトで起こしておいたほうがいいかもしれません。
そのVAIO X底面はカーボンモールド樹脂製で、オーダーしたカラーに関係なくブラウン一色に設定されています。
こうやって上下で色を分けるとより薄く見えるというのは、初代VAIO 505でも採用された伝統的手法で、VAIO Xのブラウンもなかなか高級感を醸し出しています。
しかしなんだこのシールだらけな裏面は…
熱に対する注意事項と、
WiMAXモジュールのMACアドレス、Windows 7のライセンスシール、シリアルナンバーが入っています。こんなのは後で自己責任で剥がしてしまいましょう(爆)。なお、サポートとかが怖い方は決して真似しないようにお気を付けください。
出荷時に既にSバッテリーが本体に取り付けられていますが、バッテリは左右にあるスライドLOCKを解除し、真ん中のリリースレバーで外れる構造となっています。
で、バッテリを外してみると、メモリースロットとタッチパッド部が、バッテリを分断するかのように、パームレスト面から出っ張って実装されているのがわかります。
しかもメモリーカードスロット部の外装パーツって、半透明なブラウンなんだ。何もここまで凝らなくても(笑)
いやいや良くここまでやるもんだ。ちなみにメモリーカードスロットは、シャッター式でもダミーカード式でもない、そのまま露出になります。埃の進入が怖い方はお気を付けください。
以上、VAIO X “X-treme” の開梱篇をお送りしました。もうとにかく届いてから開けて見回すに至るまで、驚きの連続で、ここまで細かい部分までよく手を尽くしたなぁと感動することしきりです。もちろん、単純に薄くて軽いことにも改めて驚きました。
Sバッテリー670g状態だと、片手でこういう持ち方をしても全く苦になりません。
今年の一月にVAIO type Pを買ったとき「理想のモバイルパソコンが出てきた」と思ったのですが、今回のVAIO Xは、また違った意味で「これぞ真のモバイルビジネスPC」が出てきたなぁと思った次第です。年に二回もこんなものを出すなんて、VAIO部隊の底力はすさまじいですね。
次回は電源を入れてセットアップ篇をお送りします(つまりまだ電源を一度も入れてない(^^;))。
天板上部に、一本彫り込みは、Tとデザインアイコンを合わしてるんでしょう。
Tへのリスペクトなのかもしれませんよね。
Thinの称号を奪う形になる訳ですから。
by Virgo (2009-10-24 18:31)
カーボンのラインが美しい天板ですねぇ…
日本の製品であることを物語るような極限まで突き詰めたものづくり、素敵です。
(長野テック、ありがとう!!)
by Akihito(・。・) (2009-10-25 00:18)
ご紹介感謝ですm(__)m
しかし今までにラージバッテリーまで同一梱包とか
通常と梱包箱のサイズが違うとか、ありましたっけね?
手が込んでるよなぁ・・・ひょっとしてココまでデザインされてるの??
by かつぽん (2009-10-26 16:06)