トンネルを抜けたら [スペイン・フランス自転車旅行記]
今朝もまたまた9時半スタート。当初計画より30Kmほど距離が長くなってしまってますが、走らないことには始まらないので、とにかく黙々と自転車をこいでいきます。
標高600mのEscalonaを出てから2時間ちょっと、標高1027mのBielsaもすぎ、その先のドライブインでいったん休憩します。
ところがそのドライブインでは怪しげなものが…
スペイン・ピレネーの山の中でこんなものを買う人がいるのだろうか?
このドライブインから先が登り本番となり、平均勾配7%の急坂が続きます。四苦八苦しながら登ること600mほど。ようやく「Bielsaトンネル」のスペイン側入り口に到着です。
ここの表示にある通り、スペイン側の標高が1664mなのに対して、フランス側の標高は1821mなので、この3Kmのトンネルは5%勾配で登っているということになります。
ただでさえ長いのに登りとなると出るまでに何分かかることやら、途中で休むわけにもいきませんし、入る前に十分体力をためて、ヘッドランプを頭につけてGo!
20分かけてようやくフランス側に抜けてきました。
それにしてもEU諸国間の国境越えは係官もスタンプ押しも何もなく、ほとんど日本の県境を越えた程度の感覚です。
それでも8年前は通貨が変わっていた(ペセタ→フラン)のですが、今やその通貨も全部ユーロ。唯一言語が変わったことだけ、変化を感じます。ま、その言語が大変なんですけどね、僕もスペイン語はしゃべれても、フランス語はさっぱりなので…
ここから麓のスキーリゾート基地サンラリースランまでは、約1000mのダウンヒル。
さすがに標高1800mは植生からして違いますね。ここから一気のダウンヒルで下っていくうちに、周りは森に変化していきます。
そこからさらに300m下って着いたArreauの街で道が分岐。
明日のツール・ド・フランス第9ステージでは、選手は右の道からやってきて、鋭角に曲がって左の道に入っていきます。
この先が標高1490m、高低差800m、平均勾配6%でカテゴリー1級に分類されるアスパン峠。ツールマレー峠はさらにその先にあります。
入って最初が少しきつめ、そこから緩めの坂を登っていくのですが、既に明日のツール観戦のために、大きなコーナーごとにキャンピングカーが止まっていて、老若男女・家族連れ入り交じって、ゆっくりとくつろいでいます。
ロードレーサーを車に積んで見に来た組は、この坂を上り下りして選手気分を味わっていたりもします。
そんな中をまずは300mあげて高度1000m。頂上のアスパン峠はまだまだ先です(この写真の凹の字にへこんだところがアスパン峠)。
この道は昔から何度もツールのルートに設定された名所の一つなので、昔のペイントが消えずに残っていたりもします。
(これは既に引退したリシャール・ビランクを応援したもの)
結局峠入り口から頂上まで実質1時間半。ようやくアスパン峠頂上に到着です。
本当はここの峠を下っていったん800mまで降り、その先にあるツール名所中の名所、標高2115mのツールマレー峠に行くつもりだったのですが、今日一日で累計上昇高度2000mに到達し、そこからさらに1000m以上も上がるというのは、昔と違って年をとった僕にはおよそ無理なことだとアスパン峠の頂上で思い知りました。
さらにこのアスパン峠頂上には公式の野宿場が設定され、
なんと簡易のバーまで設置されているという便利さ。
さらに入場者整理をしていたおじさんに(ボランティア?)、「君は日本人か、俺の車は日産だからいつも世話になってるよ。よし、ビール一杯おごってやろう。」なんて言われてしまうと、「こりゃ長年の夢だったツールマレー峠はあきらめて、ここで応援しろということなのかな」などと勝手に自分を納得させてしまいました(笑)
てなわけで、ここにテントを張って明日はアスパン峠で応援することが決定。
暗くなる前に自分が登ってきた道を再確認してみました。
ついでに夕食代わりに簡易バーの即席炭火焼ソーセージサンドイッチなど食べてみたり。
世界の自転車好きとテントを並べて明日という日を待ちます。
ホンと楽しそうですね、旅・・・
昨日もそうでしたが食事も美味しそう♪♪
by かつぽん (2009-07-13 17:43)
スペイン語までOKだったんですか!
・・・すごいです。はい。
by Riever (2009-07-13 19:35)
おじゃまします
「ツール」という共通語にも国境はないみたいですね^^。
by K (2009-07-13 20:03)
なんか、そうやっておごってくれるなんて、事が日本では・・・
いい旅ですねぇ。
やっぱ、こんなになる前に一回は行ってみたかったなぁ。
by Virgo (2009-07-14 01:22)