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テレビを生で見ない人間は金を払え! [気になるモノ・コト]

いまだ納まらぬダビング10の延期騒動ですが、著作“利権”者の方々はついに正気すら保てなくなったのか、唖然とするような見解が飛び出してきました。

今回の震源地はJVA(社団法人日本映像ソフト協会)。6月17日付けで「私的録画問題に関する当協会の基本的考え方について」という文書で自分達の立場を表明しているのですが、その内容がまぁすごいものでして…

私的録画問題に関する当協会の基本的考え方について (JVAのリリースPDF)

「ダビング5でもタイムシフトでも製作者への還元は必要」
-JVAが補償金への基本的な考え方を表明 (impress AV watch)

>放送される映画の著作物については、パッケージ商品として提供されるものとは異なり、タイムシフト目的での録画など一定限度でコピーされることが避けられないかもしれません。しかし、そのコピーが、映画製作者に何らのフィードバックのないままに行われることは正当ではありません。

たとえ「リアルタイムで番組を視聴できないから、後で見るためにレコーダーで番組を録画する行為=タイムシフト」であっても、それは「正当ではない行為」であり、そのようなテレビ放送を録画する機器・メディアを買う人間は利権団体にお金を払わないといけないそうです。

>パッケージ商品の発売が先行することの多い劇場用映画の放送に関しても、パッケージ商品の販売及びレンタル並びに有料配信は一定の時期に終了するものではなく、放送後においても継続して行われているのですから、放送からの私的録画による何らかの「逸失利益」は生じていると考えられます。

テレビで劇場用映画を放送され、それがレコーダーで録画されると、本来買ったりレンタルしてもらえたはずのDVDが売れなくなって権利者が得るべき利益が損なわれるので、テレビ放送を録画する機器・メディアを買う人間は利権団体にお金を払わなくてはいけないそうです。

>必ずしも直接的な売上げ減が生じているかどうかが重要なのではありません。(中略)直接的な売上げ減の発生の有無にかかわらず、映画製作者に対するフィードバックが必要で、それは私的録画補償金によって実現するほか、現状においては適切な方法がありません。

人に補償=損失の穴埋めを強要するくせに、その損失そのものの根拠に対しては「重要ではない、とにかくお前ら金払え。」ということですか、そうですか。

では、いったいどうすれば消費者が補償金を払わなくていいと認めるのか、

>権利者の個別の許諾の範囲内として私的録画補償金が不要になるのは、各権利者が作品ごとに複製可能数を指定できる(当然複製可能数をゼロと指定することもできる)技術が採用され、かつ、上記②の要件が満たされた場合に限られると考えます。(上記②とは『技術的制限を回避等して私的録画が行われた場合に、それが違法とされる』こと)

複製可能数ゼロ=コピーネバー=根本的にビデオ録画不可の状態にして放送することを、権利者が自由に決められる技術が導入されたとき、だそうです。

ま、つまりですね、彼らの本音はこういうことなんですよ。

「テレビ放送は生で見ろ。録画なんて一切許さん。録画したいヤツは黙って金払え。たとえそれがタイムシフト目的でもな。」

そう言えばJVAだけでなくテレビ放送局の連中も「生で見ろ、録画するな。」って考えてるようですし、どうやら彼らにとっては、ビデオレコーダー(ひいては録画・録音できるもの全て)の存在そのものが悪であり、この世にあってはならないものみたいです。

BDZ-X90.jpg

ブルーレイディスクレコーダー (Sony Drive)

いやはやSonyはじめ電機メーカーはとんでもないものを発明しちゃったものですね。世の中便利にするためにモノを作ったら「そんなものは存在してはならない」という扱いを受けるとは(実際30年前のアメリカでSonyは映画会社から「ベータマックスは著作権侵害である」と訴えられています。結果はSonyの勝訴。)

とりあえずJVAの方々へ、

・そんなに映画を録画されたくなければ、最初から放送を許諾せずにパッケージ販売だけやればいいやん。こっちも見たい映画は買うかレンタルするかするし。それならどんぶり勘定の私的録音録画補償金と違って、ちゃんと作品の人気に準じた対価が「製作者」に行くでしょ。

・アニメは放送では製作資金が捻出できないそうですが、それなら最初から放送用アニメじゃなくセル用OVAとして製作すればいいし、放送するのならCMスポンサーとか放送局から製作に必要な資金をきっちり受け取れよ。ちなみにそのCMスポンサーが提供する製作資金も、もとを正せば僕ら消費者がその会社の商品やサービスの対価として払ってる「僕らの金」ですけどね。

普通に考えてもこれぐらいの突っ込みは入れられますけど、これに対するまともな回答はお持ちなんでしょうか?もはや気が狂ったとしか思えない金の亡者の考えていることは僕にはよくわかりませんわ。


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Riever

でも、まだ「テレビを"生で"見ない人間は金を払え!」で良かったですよ(^^;;
極論なんですが、「テレビを見ない人間は金を払う必要がない」ということで、私は2ヶ月間テレビのない生活をして感じましたが、別に私は何ともなく生きていけるようです。この2ヶ月でテレビを必要と思ったことすらありません。テレビがないので当然NHKは追い返しましたし(爆)

ただ、私のことは置いておいたとしても、これは考えられない横暴ですね。タイムシフトを許可しない、というのは、「テレビのために日常生活(の時間配分)を考えろ」ということになるわけで、結局それを守る人間がどれだけいるか、考えただけでもすぐ分かります。

>直接的な売上げ減の発生の有無にかかわらず、映画製作者に対するフィードバックが必要
一番おかしいのはこれですね。売り上げ(収入)が変わるからこそ私的録音補償金制度が存在するのに、ただ新しい収入源を確保するためだけに理屈なんて知らない、となっている。

・・・こういう生臭いところを見ると、どうもテレビは嫌いになってしまいますね。まあ、元々嫌いなんですが更にという意味で(^^;;;
by Riever (2008-06-19 08:18) 

蔵三

話にならないお粗末さですね。
じゃ…みんなで不自由な『放送』は見捨てて
『オンデマンド』の普及に力を注ぎましょうか?(笑)
by 蔵三 (2008-06-19 12:31) 

かつぽん

まさに金の亡者。
あきれ果ててモノも言えません。。。

日本でもレコーダーによる著作権侵害はないことの確認を求めて
提訴すべきなのかもしれませんね。奴らを被告に。
by かつぽん (2008-06-19 13:56) 

ショウヘイ

みんなが見れるテレビで放映しておいて、録画するなとは開いた口がふさがりませんね。
大体、現実的にどれくらいの家庭で録画機があるのかわかってるのでしょうか。
既存の事実です。
それを今更録画するなとは。
HDDとDVDは今更どうしようもないので、新しい企画であるBDに的を絞りましたね(笑)。
やるなら全部でしょう。
もっともらしい言い訳言ってますが、あまりに見苦しい。
ようはやるかやらないかでしょう。
元々矛盾しているのに、BDだけだと余計に矛盾ですね。

一番の根本は、録画されるのが当たり前なので、放映する時点でその分著作見料上乗せしておけば簡単じゃないですか。
そんなこと言ったら、録画しない人の不公平だとか言いそうですね、こいつらは。
by ショウヘイ (2008-06-19 15:53) 

Drilliant

自分たちの儲けしか頭にない団体なのでしょうかねぇ…。

生で見られない人のほうが多いでしょうに、金を払えとは、呆れますねぇ。
by Drilliant (2008-06-20 23:55) 

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