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あの男が還ってきた~インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国~ [日記]

前作「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989)から19年、インディファン待望の新作「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の先行オールナイト上映に行ってきました。

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中学生のころ「レイダース/失われた聖櫃」(1981)のテレビ放映を録画して以来、VHS→LD→DVDで台詞を覚えるくらい繰り返し鑑賞し、「ジャンル・洋画/邦画問わずに好きな映画を一本上げろ。」と言われたら、迷うことなく「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984)を上げるほどインディ・ジョーンズ好きの僕にとっても、今回の新作は待ちに待ったもの。

すっかり“おじいさん”の域に達したハリソン・フォードが、恒例のド派手なアクションを果たして演じることが出来るのか。第1作以来久々に戻ってくるマリオン・レイヴンウッド役のカレン・アレンが、どうストーリーに絡んでくるのか。注目点がたくさんあった今回の作品でしたが、内容は僕にも十分満足のいくものでした。

冒頭から終わりまで止まる事の無いアクションの連続、遊び心がちりばめれたユーモアの数々、ルーカスとスピルバーグのコンビらしい色々な映画のパロディシーン、まさに「これぞインディ・ジョーンズ!」と言ってよい出来だと思います。

とはいえファンとして厳しい指摘をせざるを得ない部分もいくつかありますので、良かった点・悪かった点含めて、映画の感想なぞ…

この先ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これぐらい開けておけば大丈夫かな?まずは良かった点から。

 

◎これぞエンターテインメント!これぞインディ・ジョーンズ!なノンストップアクションぶりは健在。

このシリーズに共通しているのは「映画はとにかく面白くなくっちゃ」というコンセプト。インディ・ジョーンズには心に残る印象的なストーリーも、思索に富んだ哲学的教訓も、観客を泣かせる感動的場面もありません。それこそディズニーランドのアトラクションのように、とにかく最初から最後まで息もつかせず観客を楽しませることに徹した映画なわけですが、今回もその旺盛なサービス精神は健在で、観ているとあっという間に2時間が過ぎてしまいます。

ルーカスやスピルバーグが落ち込んでいるときの製作だったので、全体にアクション多め・ユーモア少なめでダークな出来になってしまった「魔宮の伝説」や、ショーン・コネリー演じる父ジョーンズとの絡みがメインになって、アクション少なめ・ユーモア多めになってしまった「最後の聖戦」と違って、アクションとユーモアのバランスが絶妙な「レイダース」に近いモノになったと思います。

◎映画好きほど思わずニヤリ。パロディシーンも満載。

「レイダース」のトラックチェイスのシーンが、ジョン・フォード監督の西部劇「駅馬車」へのオマージュであるのは有名な話で、こうやって様々な映画のパロディやオマージュが出てくるのはこのシリーズのお約束。特に最後のクライマックス直前で、ハリソン・フォードがSTARWARSのあのおなじみの台詞を言ってしまうのには大爆笑してしまいました。

○悪役ケイト・ブランシェットがすごくいい!

「レイダース」のルネ・べロック博士(ポール・フリーマン)、「魔宮の伝説」のモラ・ラム(アムリッシュ・プリ)、「最後の聖戦」のエルザ・シュナイダー博士(アリソン・ドゥーディ)と、毎回いい味出してる悪役が出てくるインディ・ジョーンズ。しかし今回のイリーナ・スパルコ(ケイト・ブランシェット)の突き抜けぶりは過去最高の悪役と言って良いかもしれません。予告編を観たときから期待はしてましたけど、まさかこれほどとは。

普段のイメージとは真反対の黒のおかっぱ頭に冷静なしゃべり方、それでいてマット(シャイア・ラブーフ)との激しい殺陣まで演じてしまうのにはただただ脱帽です。

○お帰り!カレン・アレン。

「レイダース」公開から早27年、すっかりおばさんになってしまったカレン・アレンですけど、やっぱりこの人がいると「ああ、インディ・ジョーンズだなぁ」と感じます。レイダースと同じくインディとマリオンの、噛み合ってるんだか噛み合ってないんだかわからないドタバタなやりとりが展開されるのには、第1作のファンほど楽しめるものだと思います。

 

引き続いていただけなかった点を、

×インディ・ジョーンズはいつからB級SF映画になったんだ?もはや考古学の話じゃねえし!

ロズウェルがどうとか、エリア51とか出てきた段階で「もしや…」と思いましたが、そういうオチには「それは無いだろ~」と言わざるを得ません。

過去三作は「モーゼの十戒の石板を収めた聖櫃」「インドの邪教集団が崇拝するシヴァ神の性器を模した石」「十字軍の騎士が持ち帰ったキリストの血を受けたとされる聖杯」など、突拍子も無い古代の遺物を追いかけるのをテーマとしながらも、B級くさくならないような最低限のラインは守られてたと思うんですけど、今回は越えてはならないラインを越えてしまったような気がします(全くの余談ですが、インディ・ジョーンズをパクッた「これぞB級映画!」と言うべき「ハムナプトラ」の最新作、「ハムナプトラ3」の予告編を本家インディの上映前に流してしまうTOHOシネマズのセンスには驚愕しました(笑)。しかもその予告編からしてB級映画感たっぷりなのはさすが「ハムナプトラ」です(^^;)。)。

×アメリカではギャグで済むかもしれませんが、日本人には笑えません。

序盤なぜか脈絡もなくインディが原爆実験に巻き込まれるシーンがあります。ストーリーの本筋にはほとんど影響ない部分で、作ってるスタッフも「深刻な題材」とわかっているのならばカットしてよかったと思います。

それにしてもあれで軽傷で済むって、インディ・ジョーンズの不死身ぶりはさらにアップしてるなぁ。

△やっぱりハリソン・フォードはおじいさんだった。

これはしゃあないですね。「レイダース」の時には39歳だったハリソン・フォードも今や66歳。激しいアクションを次々やれというのはどだい無理な話です。いちおうハリソン・フォードも頑張ってはいますが、本当に激しいアクションはシャイア・ラブーフが担当しますので、「インディ・ジョーンズの大活躍」な感じが薄まってしまった感は否めません。ちゅうかハリソン・フォードって母akoustamと同い年なのね、よくこんな映画やるわ…

△お約束とはいえ、小さい子や女性にはちとキツいシーンあり。

飛行機のプロペラに巻き込まれたり(レイダース)、破砕用のローラーに引きずり込まれたり(魔宮の伝説)、熱で溶けたり(レイダース)、人が一気に腐敗したり(最後の聖戦)、敵役がグロい死に方をするシーンは今回もありますし、ネズミだのサソリだの虫だのミイラだのが次々出てくるのもいつもどおりです。

しかしこの19年間でCG技術が大幅に進歩したため、グロさのリアリティはさらに向上しており、シーンによってはちょっとキツい部分も散見されます。小さな子供でも楽しめる単純な冒険活劇がインディの良さなのですから、もうちょっと抑え気味でも良かったんじゃないでしょうか。

 

以上「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の感想をお送りしてきましたが、なんだかんだ言いながらもやっぱりインディは良い!頭空っぽにしてスカッと楽しめる2時間でした。来週の本公開から見に行く皆さんもあまり深く考えず、遊園地のアトラクションに乗りにいくような気軽な感覚で、この極上のエンターテインメントを楽しまれたら良いと思います。

あとは早いとこ4作まとめてBlu-ray化されないかなぁ。

パラマウントは180億円の裏金でHD DVDに一時転ぶという失態を演じてしまったのですから、せめてもの罪滅ぼしに、高ビットレートなMPEG4-AVCハイプロファイル/ロスレス音声かリニアPCMで早期にリリースして、マニアの信頼回復を図ったほうがいいと思うんですけどね。


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コメント 4

as

私もインディ大好きです!!映画館に行く前に、これまでの作品を復習してから行かねば、と気合はいってます。しかし、あのSWおなじみのセリフ言っちゃうんですかぁ!?それ、絶対見たい!!
by as (2008-06-15 09:34) 

店員佐藤

ネタバレのところから、ここまでジャンプしてきました。
が、この見出しのところがどうしても目に入ってしまって。。。。
結局、全部エントリーを読んでしまいました。

見に行きたい、見に行きたい。。。
by 店員佐藤 (2008-06-16 13:01) 

Virgo

ふぅううーー、ネタバレジャンプしてきました。

今週末、見に行けるといいのですが・・・
by Virgo (2008-06-18 17:01) 

kozy

B級SFは困りますよね。B級になり得ないし、それはハムナプトラでやればいいし(笑)
次回作の構想もあるようで。これからも楽しみです!
by kozy (2008-06-24 11:04) 

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