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Panasonic ブルーレイDIGA DMR-BW800 Review AVCREC篇 [minpos Review]

ブルーレイDIGA DMR-BW800レビュー、今日はDVDにハイビジョン解像度の映像を書き込むAVCREC篇をお送りします。

 

 

 

※レビューに使用したDMR-BW800は、minpos Review用にWillvii様&松下電器様より貸与されたものです。

2007年の年末商戦、Sony/PanasonicというBDレコーダー二強は、双方示し合わせたかのようにH.264エンコーダを搭載し、ハイビジョン映像を圧縮、BDに長時間記録するレコーダーを発売してきました。

「たっぷりハイビジョン録画」「フルハイビジョン4倍録り」と銘打たれたその機能は、本来は“一層25GBディスクにBSデジタル放送レベルで2時間15分録画”というBDに、もっと長時間録画を行うために積まれたものですが、その副産物として、まだメディア代の高いBDではなく、安いDVDにもハイビジョン映像を書き込めるようにしたら、より気軽に光ディスクを使える環境をユーザーに提供出来るだろう、ということでPanasonicがBDの新たな規格として提案し、「AVCREC」が策定されたというわけです。

ところがSonyは「ハイビジョン映像=BD、通常画質の映像=DVD」というメディア使い分けの図式を徹底させたほうが、ユーザーがわかりやすいと考えたのか、AVCRECには対応せず、DVDにはDVD規格として通常画質でのみ書き込むというかたちとなり、結果的にAVCRECはPanasonic独自の機能としてスタートすることになってしまいました。

個人的には光ディスクの値段は、一度生産設備を導入して軌道に乗ってしまえば、生産量の増加とともに瞬く間に低下していくものなので(東芝はDVDの設備が使えるHD DVDのほうが安く作れるという主張をしていましたが、それが詭弁だったことは既に証明されてますね。)、メディア代をケチってまで、あえてDVDプレーヤーで再生できない規格のディスクを焼く必要もない、AVCRECは不必要な機能だなと思っているのですが、せっかくのPanasonicの目玉機能をテストしてみるのもよかろうということで、買ってきましたDVD-R。

Sony 一層DVD-R 「音匠」

これをBW800に入れると、BDと同じくフォーマットを要求してきます。

「予約録画」からフォーマットメニューに入ると(しかしなんで「録画予約」から?)、

フォーマット段階で、このディスクをAVCRECディスクとするか、DVD-VRディスクとするか、DVD-Videoディスクとするか選ぶことになります(間抜けなことにCPRM非対応のディスクを買ってきたので、「デジタル放送は記録できない」となっていますが、ちゃんとCPRMのディスクならデジタル放送も入れられます。)。ここでは当然AVCREC方式でフォーマット。

 

次はこれに入れるハイビジョン映像の用意。

先にネタをばらしてしまいますと、このAVCRECのテストの後、今回のエントリーではH.264によるハイビジョン圧縮の画質比較テストを行っています。しかしテレビ放送はコピワンがかかってる上、BW800はH.264圧縮をしてしまうと元ファイルが消去されてしまうので、元画像のDRと、DR→HG/DR→HX/DR→HEの画質を比較するには、同じ映像を四つ用意しなくてはいけません。

そこでテレビ放送ではなくハンディカムで撮った映像を元素材として、同じシーンを複数回取り込み、それをH.264変換して画質テストに使用することにしました。

で、僕の持っているハンディカムといえば…

Sony 業務用HDVカムコーダ HVR-A1J

テープにMPEG-2記録するHDV規格のハンディカムです。HDV規格の賛同企業と言えば、Victor/Sony/Canon/SHARP。そうです、松下のハイビジョンビデオカメラはAVCHD機しかなく、HDV機は出していないのです。

当然BW800もHDVと接続してiLINK経由での映像の取り込みなど非対応(DVならOK)となっており、どうにもしようがありません。

が、

BW800の「操作一覧」→「初期設定」

「テレビ/機器の接続」

「iLINK機器モード設定」とたどっていき

ここで設定を、他のレコーダやD-VHSからのMPEG-2TS信号の取り込み用である「TS1」にしてから、リモコンの入力切換で外部入力を「iLINK(TS)」に変更、

HVR-A1JのHDVテープを再生してみると…

映っちゃいました(^^;

当然録画ボタンを押すと、そのままHDVの映像がMPEG-2で取り込まれます。

どうやら公式にはHDVには非対応のPanasonicレコーダですが、つないでしまえば普通に使えるようになっているようです。

というわけでこれでHVR-A1Jからハイビジョン映像を取り込み、「おまかせダビング」を起動、MPEG-2であるDRからH.264変換しながら等速でDVDに書き込んでいきます。

書き込みが終了すると、BDと違ってファイナライズが必要なのでしばらく待たされることになります。

これでAVCRECディスクが完成、AVCREC対応のBW800なら当然再生も出来ます。

しかし、問題はこのAVCRECディスクをPanasonic以外の機器に入れたらどうなるか、まずは比較的柔軟に対応できそうなVAIO type R masterに入れてみましたが、WinDVD BDは起動されるものの映像は再生されませんでした。ディスクの中身を開いてみると、ルートにはBDAVというフォルダが作成されていて、

その配下のSTREAMフォルダの中に

映像本体となるm2tsファイルが出来ています(MPEG-4AVC/H.264映像なのに、なぜにm2ts?)。

このファイルをクリックするとWindows Media Playerが立ち上がって再生しようとしますが、「対応コーデックでない」と警告が出て再生されません。

次にこれをPLAYSTATION3に入れてみると、「データディスク」として認識され、

VAIOと同じくBDAV、

STREAMフォルダの中に、

非対応ファイルとしてm2tsを認識しています。

しかし、これをクリックしてみると音は出ませんが映像が出てきます。そこで前回取り上げた音声設定を「オート」から「固定」に変更して再度AVCRECディスクを作ってみると、

おおおおおお、本体ファイルがAVCファイルとしてちゃんと認識されてるじゃないですか、クリックしたら映像も音声も問題なく再生されました。

結果、BW800で作成したAVCRECディスクの再生互換性は、

<DMR-BW800で作成したAVCRECディスク(音声設定「オート」)>
  DMR-BW800 [
  PLAYSTATION3 [×] 
  VAIO type R master [×

<DMR-BW800で作成したAVCRECディスク(音声設定「固定」)>
  DMR-BW800 [
  PLAYSTATION3 [](AVCRECディスクとしては認識しないが、映像ファイルは再生可能)
  VAIO type R master [×

ということになりました。

※注:再生できるのはコピーワンスによるプロテクトのかかっていない、ビデオカメラ素材だからということが判明しました。現状デジタル放送を録画してDVDにAVCREC記録したものは、PS3に入れても再生できないようです。今後のアップデートに期待といったところでしょうか。

いやはやPLAYSTATION3の柔軟性は恐ろしいものですね。これが4万円のゲーム機とはとてもとても…というわけで現状Panasonic同士のやり取りか自己録再にしか使えないAVCRECですが、PLAYSTATION3ならかろうじて再生可能となっています。

このAVCRECにどれほど価値があるのかわかりませんが、BDのメディアが高いと感じている人には、一つの選択肢としてありかな?とも思います。でも、BDの値段は日に日に下がってきていますし、有機材料を使ったLtHタイプのディスクならもっと下がると言われていることを考えると(LtHは昔のBD機器で再生できない可能性あり)、おまけ機能の域を脱しないかなぁ。

 

では、最後にBW800のH.264エンコーダの画質比較テストです。元素材は2年前の東南アジア自転車旅行でHDV撮影した、スコータイのお祭りでの打ち上げ花火の映像。細かい光がいっせいに出てくるためMPEG圧縮にはかなりつらい条件となります。

これをMPEG-2 TSで取り込み、再生ナビから、

「番組編集」→「録画モード変更」で、

 

DR→HG/DR→HX/DR→HEに変換したものです。

元映像がHDVのため解像度は1440×1080となっており、H.264変換後も1440×1080の解像度が維持されています(Panasonicは1920×1080のフルハイビジョン4倍撮りを強調していますが、元ソースが1440の場合は1440のままでH.264圧縮を行うようです。)。

これをBRAVIA X2500に映し、Cyber-shot T30の700万画素モードで撮影。リサイズした全体画像と、切り抜いた等倍画像を載せておきます。

↑DR(MPEG-2 約24Mbps)

↑HGモード(H.264 約12.9Mbps)

↑HXモード(H.264 約8.6Mbps)

↑HEモード(H.264 約5.7Mbps)

↑DR(MPEG-2 約24Mbps)

↑HGモード(H.264 約12.9Mbps)

↑HXモード(H.264 約8.6Mbps)

↑HEモード(H.264 約5.7Mbps)

やはりHEモードだと細かい部分のノイズが激しくなってきますね。画質にこだわる人だとHXモードでも厳しい人がいるかもしれません。ビットレートから考えればかなり頑張った画質だと思うんですけど。

 

というわけでAVCRECとH.264についてお送りしました。このAVCRECと言う機能、本文でも触れましたが、おまけというレベルを超えるものではないと思います。

そこまでしてDVDメディアを使わなくても、BDも下がってきてますし、今年中にビット単価で逆転するのはほぼ間違いない状況ですから、「DVD-Rをたくさんまとめ買いしちゃった」って人でもない限り、素直にBDを買ったほうが良いと思います。

Sonyがつけなかったわけだ。


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コメント 1

店員佐藤

なぜかテストDVD-Rに「音匠」を使っているところがnice!です。
by 店員佐藤 (2008-01-23 01:15) 

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