Panasonic ブルーレイDIGA DMR-BW800 Review 筐体篇 [minpos Review]
これ大手量販店では約20万円で売ってる製品なんですよね…
といきなり結論めいた一言で始めましたが、この年末minposさんのご紹介で、PanasonicのブルーレイDIGA DMR-BW800をお借りすることが出来ました。貸出期間は一ヶ月弱あるので、普段あまりテレビ放送を見ない僕もこれから年末年始使い倒してみて、果たして最新のレコーダがどれほどのモノなのか見ていこうと思います。
※レビューに使用したDMR-BW800は、minpos Review用にWillvii様&松下電器様より貸与されたものです。
さて冒頭の一言の続きはこうなります。
「その割に筐体を安っぽく造りすぎでは?」
もちろんまだ中身を見ていませんし、レコーダたるもの外見ではなく、いかに使いやすく綺麗にテレビ番組を録れるかが問題なわけで、20万円の価値をもった製品であるかどうかはここでは判断しませんが、箱から取り出してみて「う~ん」と首をひねる部分が多いんです。
文句ばっかり言っていても仕方ないので、とにかく見ていきましょう。
BW800の特長はその薄さ。
カタログ数値で見ると高さはわずか59mmしかなく、最大のライバルになるSonyのBDZ-X90の100mmと比べると、驚異的と言ってよい薄さです。この薄さの秘密はどこにあるのか、プロフィール・プロすら分解したことのある僕としては、自分で箱を開けてしまいたいところなのですが、なにせ借り物なのでそれは不可能(^^;)、しかしやる人はいるんですね、某所で分解記事を発見しました(リンクは張りませんよぉ)。
で、その薄さの原動力となっているのは、Panasonicの共通プラットフォームUniPhier。最新の45nmプロセスルールを採用し、ほぼワンチップでありながら、レコーダとしての処理プロセッサ、ハイビジョン対応のH.264/MPEG-4 AVC High-Profileエンコーダまで内蔵してしまうという、高性能チップです。
これでデジタル処理部分は一つの小さなボードに収まってしまい、あとはドライブとアナログ回路と電源回路を載せるだけという構造なので、高性能でありながら、薄く・コンパクトなレコーダを安く作れるようになったというわけです。松下の技術力まさに恐るべし。SonyもせっかくCellプロセッサという化け物チップを作ったんだから、うまく活用できればいいのに…
付属品は、リモコン、アンテナケーブル、コンポジットAVケーブル、電源ケーブル、B-CASカードになります。
電源ケーブルは1TB HDD版のBW900が、有極性OFCケーブルを使っているのに対し、なんの変哲もないメガネケーブルなので、あくまでも中位機という位置づけのようです。
前面左に電源ボタン、
右にBDドライブのイジェクトボタンがあるのですが、
まずここで疑問が一つ。BDドライブは左側にあるのに、何故に真反対の右端にイジェクトボタンを持ってきたのか。
これってデザインを優先しすぎて、あまりユーザーフレンドリーでないような気がします。ユーザーがトレイを開けたいと思ったときに、直感的に開けられるようにするには、センタードライブではなく左に偏ったドライブ配置であっても、トレイのすぐそばにイジェクトボタンを配置するべきではないでしょうか。
疑問点その二が前面真ん中にあるSDHCランプ。
デフォルトでは電源ON時に常時点灯という設定になっているので、実質的には電源ランプのようなものですが、
設定によってSDカードが挿入されたときのみ点灯、ということも出来るようです。
しかしBW800の本質はBD+HDDレコーダにあるわけで、SDカードによる連携はあくまで付加機能の域にあるはず。それがこんな良い場所を与えられるってのもへんな感じです。個人的にはBDドライブが真ん中にあるセンタードライブが理想的だと思うんですけどね。前のBW200なんてど真ん中にSDカードスロットがあったし、松下はSDカードに執着しすぎだよなぁ。
上面には各種対応規格ロゴが入っています。
AVCRECは今のところ松下だけの機能ですから、これは是非試してみたいところ。
右側のパネルをあけると、いくつかの操作ボタンやB-CASカードスロットが出てきます。なおこのパネルはBDZ-X90あたりと同じく手でパタンと開けるタイプ。20万円もする機械なんですから、もうちょっとお金をかけてくれてもいいのではと思うのですが…せめてBW900は電動パネルとかにして欲しかったですね。
パネル内にはMPEG-2TSにも対応したiLINK端子。
SDカードスロット。
録画・再生・停止・チャンネル切り替えというシンプルなボタン構成となっています。
左側のドライブのほうは、トレイに押されてパネルが開くタイプ。
ドライブは、殻付きのBDやDVD-RAMにも対応した形状をしています。
続いて背面を見ていきます。
背面右側にはアナログ系の入出力端子。地アナのアンテナもこちら側にあります。
真ん中はデジタル系の入出力端子。HDMIやLAN、光、iLINK、地デジのアンテナ端子など、デジタル系がアナログ系と離れた場所に集約されているので、端子の接続がわかりやすい配置といえるでしょう。
一番左が電源端子。
ここに何故かポツンとJavaロゴがあるのに笑ってしまいました。
で、この背面で大きな疑問なのが、いかにも後付といったようにしか見えない外に出っ張ったファン。
(OKのシールは貸出機だから貼ってあるものと思われます。)
Panasonicのレコーダにはありがちな配置なんだそうですが、他メーカーのレコーダーを使ってきた人間には、正直「これは何?」という感想しか出てきません。
しかも外に出ているので、ファンの風切り音だけでなく、「キューン」というモーター音まで漏れ聞こえてきます。普通のユーザーが実際に使用する時は、ラックに納められるから問題ないのかもしれませんが、PS3ほどの大音量ではないとはいえ、BDパッケージで映画を鑑賞するプレーヤーとしての役目も背負うAV機器が、20万円なのにこのファンというのは無いよなぁと思います。
筐体にスペースが無いわけでは無さそうですし、外出しすることで直径の大きなファンを低速回転で使い、ファン音を減らそうというねらいなのかも。薄型筐体採用とのトレードオフで、技術者さんも苦労したんでしょうか。
で、ファンに驚いた僕をさらに驚愕させたのが筐体裏。
電器店で初めて姿を見て以来「こいつの足はどうなっているんだ?」とずっと気になっていたのですが、このレコーダーを支えているのは、わずか4個の小さな小さなゴム足でした。
いや、もう何度も言いますけど、
「これ、20万円のAV機器ですよねぇ。」
これは無い。マジで無いです。13万円のBDZ-T50でもそれなりのインシュレータが付いているというのに…いくらなんでもコスト削減しすぎでは無いですか?松下さん。
というわけで、冒頭の感想に行き着きます。
Blu-rayはまだまだこれからが普及期で、お手頃な値段で市場に高性能な機種を投入していかなくてはいけません。ですから、以前SDC2007の感想で書いたように、エントリー機がコスト優先で安い造りなのは全く問題ないです。
しかしこのBW800だけでなく、最上位機で30万円のBW900までこの筐体を使っているわけで(そのかわり中のアナログ回路はお金かけてますが)、いかにも「マニアよりも普通の人重視」「コスト削減こそ最優先」という僕が持っている松下製品へのイメージにピッタリな出来なのには驚きました。
外面やデザインはともかく、中の技術力には定評がある松下ですから、使ってみたら素晴らしい製品という結論も出るかもしれませんが、果たしてこれからどうなっていくのか、以下次回!
CELL放熱問題の解決が一つのポイントかなぁって思います。
7コア中3コアDisableのクアッド動作CELLとか作ったら放熱量減るのかも?
トレイのイジェクトボタンですが、もしトレイ下にイジェクトボタンが来るのなら使い辛いです。オープンはまだしもクローズが非常にやり辛いので。
ただ、現実問題として全操作をリモコンで行えば何の問題も無いのですが(^_^;)
私DVDレコーダ使う時に本体を一切触らないですねぇ。
全部リモコンで済ませます。
外観は「お!松下製だね!」ってわかるので、これはこれで有りだと思うのですが(^_^;)
by arkstar (2007-12-29 16:03)
・背面のファンの出っ張り
・一見してわからないイジェクトボタンの配置
・プアなインシュレーター
・・・アリエナイですな(爆)
by かつぽん (2007-12-29 23:04)
まったく、持って本日、開梱して思いました、同じことを。
でも、書けるのは、来年になってからです、私の場合、きっと。
by Virgo (2007-12-29 23:56)
SDスロット様、なんていうレイアウトがどうかなと思いますね。
ユーザーとしてはSDを使って動画を持ち出すよりもDVDやBlu-rayを使う方が多そうですから。
by Riever (2007-12-30 00:21)
さすが、天下の松下!
幸之助翁が泣いてるぞ。
by sakusan2013 (2007-12-30 14:59)