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CEATEC 2007 “勝ったとは言わないが、圧勝” [Sony・全般]

CEATEC 2007に行ってきました。

↑なんか広角端だと樽型歪みが激しいなこのカメラ

会場に入ったら一目散にSonyブースへ…って読者の皆さん思われたでしょ?でも違うんですねぇ、今年の第一目的地はこっち。

ホール6で出展していたエフ・イー・テクノロジーズのFEDです。このFED、以前記事で紹介しましたが、元々はSony社内で研究されていたものが、有機ELへの経営資源集中の方針決定によって社外に出たもので、今でもSonyが開発に深く関わっています。

ブース正面では消費電力の少なさをアピール。

26インチフルHD相当のパネルでも、20W平均の消費電力しかないようで、思ったより低消費電力なデバイスであることがわかります。

今年のCEATECは、アホなマスコミのせいで、テレビの画質競争ではなく薄さ競争にされてしまいましたが、薄さはそれなりといった感じでした。

そして展示の本命は、ポリフォニーデジタル&SCE提供による、GT5“秒240コマ映像”のデモンストレーション。

これがまぁ恐ろしく滑らかな映像でして、インパルス駆動しているのにフリッカーとかも感じませんし、当然ながら動画ボケも皆無です。このパネル、スペック表にあるとおり19.2インチでフルHDではないので、精細度は今ひとつでしたが、「次世代映像」というのにふさわしいパネルだと思います。

何せ写真に撮っても、カメラのシャッタースピードが追いつかないので、結局映像がぶれてしまう始末。

まずは業務用マスターモニターの置き換えを狙って開発しているので、ブース裏ではブラウン管業務用マスモニ(ロゴとか隠してましたけど、当然SonyのBVM-Aシリーズ)と並べて比較してましたが、同じ蛍光体を使っているので、色再現性は全く同じ。原理的にハレーションが無い分、暗所コントラストはブラウン管よりもいいぐらいです。

見たところ弱点は、外光反射対策が出来ていないので、明るいところでは黒浮きしてしまって明所コントラストが低いところでしょうか。これは家庭用としてはかなり大きな弱点なので、ここは改善を急いでほしいですね。

エフ・イーの方にお話を聞いたところ、一部の部材はTFT液晶の製造ラインを転用して製造出来るらしく、量産はあまり難しくないみたいなので、是非とも開発パートナーを見つけて(出来ればSonyがいいな)、家庭用のパネルも出して欲しいです。

で、次に行ったのがSonyブース。

当たり前ですが、有機ELの前は人・人・人。近くに寄るまでえらく時間がかかってしまいました。

で、問題のXEL-1はこんな感じ。

いやいやいや、先日SDC2007で試作機は見ていましたが、市販版もものすごい画質ですね。特に黒の表現が素晴らしくって、まさに完璧なまでの“黒”。黒地に白のSONYロゴの映像になっても、液晶のように黒浮きすることなく、額縁の黒と同じレベルの黒を出しています。

それと階調が豊かなので、微妙な黒色の差もちゃんと表現されています。黒近辺の階調表現が苦手で、黒っぽい色が全部同じ一色の黒色になってしまう液晶とは、根本的に出来が違うという印象を持ちました。コーヒーのブラウンと黒の違いも見事に描き切っています。

このあとシャープの“自称未来のテレビ”や、

PioneerのKUROも見ましたが、

シャープのは強い色が出ているだけで階調がガタガタ。微妙な色表現が出来ないのは相変わらずで、とても未来を感じるモノではありませんし、PioneerのKUROも、周りが暗い環境ではさすがの黒を出していましたが、周りが明るくなるととたんにコントラストが低下し、輝度も不足気味なので、テレビと言うより、プロジェクターのような取り回しが必要なディスプレイだと感じました。

結局各社が出してきたディスプレイは、Sonyの引き立て役ぐらいでしかなく、“問題さえ解決すれば次は有機EL(とFED)の時代だ”と感じさせる展示になってしまいましたね。

いちおう27インチ有機ELの写真も貼っておきます。はやくこれ市販に辿り着かないかなぁ。

その後XEL-1のデモンストレーションが始まったのですが、

なんだかシュールな図ですねぇ(^^;、このナレーターのお兄さん、たぶん俳優業をやってる方だと思いますが、しゃべり方からして大げさで…

その後はVictorのブースで4Kプロジェクタのデモを見たり、

DLA-HD100の試聴もしましたが、これまたSonyのVPL-VW200にはとても勝てる代物ではなく、ちょっと期待はずれ。

あと気に入ったのは、たまたま通りがかったBlackBerryブースでいじったBlackBerry8707h

これ右サイドのジョグダイヤルが使いやすかったです。

やっぱスマートフォンはいいですね。

 

というわけで駆け足で今年のCEATECを見てきましたが、このイベント年々注目すべき見どころが減ってきてる気がするのは僕だけでしょうか。

大手電機メーカーは、毎年のように大型テレビのデモンストレーションを繰り返すだけで、有機ELのような未来を感じるモノが出てきやしませんし、BD対HD DVDなんてありもしない規格戦争をでっち上げて(全体の展示を見ればすでにBDで決着がついていることは一目瞭然)、デジタルレコーダーをなんとか盛り上げようとしても、なにせあの使い勝手最悪の「ダビング10」になるのが濃厚な現状では、とても人にお勧めできません。どうせなら「コピーワンス」「ダビング10」じゃなくて、「コピーフリー」「EPN」仕様だったら、こんなに楽しい未来がやってくる的な展示で、消費者を味方につけて、強欲な著作利権団体を牽制でもしてくれればいいのに。

あとMicrosoft呼ぶならAppleも呼ばないと。iPodシリーズは今や一大コンシューマエレクトロニクス機器ですからねぇ。ってもAppleはプライベートショーしかやらない主義か。

電機の総合展ということで、AVもPCも通信も全部集まってしまうのは致し方ない部分もあるでしょうが、あまりに総花的で焦点がぼけてしまっているのは、かなり問題では無いでしょうか。僕も来年は行くのかなぁ。

とりあえず今年のディスプレイモノは、Sonyの有機ELがあまりにすごすぎて一人勝ち状態。まさに“(大きさでは)勝ったとは言わないが、(画質は)圧勝”のCEATECでした。


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コメント 3

kazu

はじめまして。
今回のネタからはずれていて申し訳ないのですが、
最近ソニエリの海外端末のカメラでパノラマができるというのを知ったのですが、W880iはできるのでしょうか?
もしできるのであればレポお願いできませんか?
by kazu (2007-10-08 01:48) 

nimoom

はじめまして。
いつも見てるだけなのですが、私も今日ソニーのショールームでXEL-1を見てきたところです!
ホント「液晶はどのメーカーがキレイか?」なんて比較がバカらしくなるくらいキレイでした!はやく27が出ることを祈ってます。
by nimoom (2007-10-08 01:57) 

かつぽん

確かに最近のJASRAQは本来の目的から離れて
利権を守ることだけを目的にした団体に変貌しちゃってますからね。



あ~あぁ、ダビング10かぁ・・・



そそ、3人家族*3回ってのがベースなんでしょ?
ウチに来るのは”ダビング16”にしてくれるんですよねぇ??
父母+子供3人の5人家族なんですから、ウチは( ̄ー ̄)ニヤリッ
by かつぽん (2007-10-09 14:26) 

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