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BRAVIA第二幕 開演! part 1 “終わり無き進化” [Sony・TV]

既報の通り、今やSonyの顔と言っていい最重要ブランド、“BRAVIA”のフルモデルチェンジが発表されました。

BRAVIA〈ブラビア〉

昨年9月、平面ブラウン管の代名詞的存在として君臨した“WEGA”を捨て、新たに立ち上がった“BRAVIA”ですが、登場直後から北米市場を中心に世界中で人気となり、今では金額ベースなら世界シェアNo.1というトップブランドになりました。

昨年の年末商戦では大型機だけだったラインナップも、今年春商戦では小型機に拡がり、W杯前にはVシリーズ/Sシリーズがマイナーチェンジをすることで、液晶テレビ全体の大画面化を強力に推進し、単価下落を食い止めることにも成功します(だからSonyのシェアは台数ベースでは低いのに、金額ベースではトップになる)。

そしてBRAVIA誕生から一年、フラッグシップとなるXシリーズも今回ついにフルモデルチェンジを果たし、テレビ事業担当の井原勝美副社長をして「BRAVIA“第二幕”がここから始まる。」と言わしめる、新しいBRAVIAがスタートします。

 

では、その新しいBRAVIAを一つずつ見ていきましょう。

BRAVIA Xシリーズ KDL-52X2500/KDL-46X2500/KDL-40X2500

さすがフラッグシップというべきでしょうか、結局モデルチェンジまでに一年も待たせたXシリーズですが、ヨーロッパでは半年も前に既に発表されていたので、デザイン的には目新しくないものの、「さすがはXシリーズ」と言っていい内容になっています。

1.高画質化、広色域化技術

<ブラビアエンジンプロ>
前のX1000シリーズでは「ベガエンジン」という名前が使えなかったせいか、「DRC-MFv2エンジン」という何とも締まらない名前が付いていましたが、今回のX2500シリーズでは、バージョンアップされた「DRC-MFv2.5」を心臓部に持ち、前段部のアナログ/デジタル変換部「CCP-XA」、後段部の映像の明るさ処理部「IFP2」と合わせ、「ブラビアエンジンプロ」という映像回路に進化しました。

DRC-MFv2.5は以前お伝えしたとおり、「通常画質の映像信号を“補う”のではなく、信号を一からハイビジョンレベルに“作りかえる(創造する)”ことで高画質化する。」というSonyが誇る独自の映像技術“DRC(デジタル・リアリティ・クリエーション)”の最新版なわけですが、図にあるとおり今回のv2.5では作りかえられて次の段階に出力される信号が、1080pという固定画素ディスプレイに向いた信号になっているので、よりちらつきやノイズの少ない映像を実現していることが期待できます。

<フルHD液晶パネル搭載>
Xシリーズ=フルHD解像度のソニーパネルですから、これは引き続き継続ですね。

<アドバンスト・コントラストエンハンサー>
プロジェクターではよくある「後ろから照らすライトの明るさを、映像信号に合わせて変化させて、パネルレベル以上のコントラストを実現する。」機能ですが、なんと普通の直視液晶であるX2500シリーズにこの機能が付きました。

バックライトの光が漏れて黒が締まらない、という液晶ディスプレイの原理上の弱点をどこまで改善できるか、これは注目です。

<ライブカラークリエーション>
X1000シリーズから搭載されている、広色域バックライト「ライブカラークリエーション」ですが、今回さらに色域が向上して、X1000比で120%、NTSC比で102%というレベルに到達しました。

その昔はQUALIA 005のようなLEDバックライトじゃないと難しいと思われた、広色域バックライトですが、技術の進化とはすごいもので、これを普通のCCFL(冷陰極蛍光管、ようは蛍光灯みたいなもの)で実現しちゃったんですね。

<動画色空間の国際標準規格“xvYCC”に対応>
この“xvYCC”あまり馴染みのない言葉ですが、これからの新時代のテレビに向けて、より自然界の色を忠実に撮影・記録・再生できるよう、新しく定義された色空間規格です。xvYCCが普及すれば、今まで見たことも無いような完璧な色をした映像をテレビで見ることが出来るようになるのです。

実は今回一番驚いたのがこれ。今年のCESでSonyが“xvYCC対応の82インチの液晶テレビ”を参考出品してましたが、まさかこのタイミングで民生用テレビに搭載するとは思いませんでした。

なぜならxvYCC規格に対応したカメラが実験機レベルでしか存在しない以上、デジタル放送でもBlu-ray Discでも、xvYCCの色を記録した映像信号というのはないのです。

つまり“現時点”では何の役にも立たない、完全に将来に向けた機能というわけ。

このxvYCCに対応した映像信号を伝送するにはHDMI1.3規格が必要なので、今回のX2500シリーズは入力端子にHDMI端子を3系統装備していますが、それは部分的にHDMI1.3規格に対応しているということになります。

今まで液晶テレビを買ってもすぐに陳腐化するからと敬遠していた方でも、このX2500ならかなり長く使えると安心できそうです。

2.デザイン

どうも日本人というのは冒険するというのが苦手なようで、車にせよ、携帯電話にせよ、売れるのはシルバーとかホワイトのような無難な色ばかり、テレビもご多分に漏れず無難な色しかメーカーが用意しないので、電器店のテレビコーナーに行くと、どこを見渡してもシルバーかブラックという有様でした。

しかしX2500は受注生産ながら「ホワイト」「ブルー」「レッド」「ブラウン」という4色を加え、テレビとしては異例の6色展開ということになりました。

残念ながらアメリカのように“着せ替え”とはいきませんでしたが(アメリカでは$299.99で色が選べる)、やはりデザインのSonyここにありという頑張りには拍手を贈りたいです。

3.高音質技術

X1000は「S-master」デジタルアンプ搭載だったんですけどね、コスト削減のあおりでしょうか。そういえば「S-Force」も消えてます。まぁそこまで音にこだわる人だと、最初っからテレビ内蔵のアンプやスピーカに期待なんてしないでしょうから、削られても仕方のない部分ですね。

4.その他の機能

様々な機能を快適に操れる使いやすい“シンプルリモコン”を採用
ベガHVXから続いてきた折りたたみリモコン&XMBインターフェースが消えてしまいましたね。全波ダブルチューナーが全波シングルチューナーにもなってますし、「削るべき所は削る」という思い切りを感じます(単に久夛良木さんの影響力が消え去っただけ?)。

しかし簡単リモコンはいいんですけど、僕が期待した「VIERA LINKのようなレコーダとの連携」は無しですか。使い勝手の向上や、Sony製品同士の売り上げの相乗効果を考えると、絶対に必要な機能だと思ったんですけど…

あと「DLNA対応」や「TVホーム」のような、ネットワーク系の機能が見あたりません。これらもごっそり削除されたのでしょうか、LAN端子はありますね。

どうも今回のX2500は純粋な「テレビ」に回帰したようなコンセプトで出来ているようです。

 

続いては売れ筋一番人気、デザインのVシリーズと、価格が武器のSシリーズです。

BRAVIA Vシリーズ KDL-46V2500/KDL-40V2500/KDL-32V2500

BRAVIA Sシリーズ KDL-46S2500/KDL-40S2500/KDL-32S2500

もともと黒を基調とした「落ち着いたデザイン」で大人気となったVシリーズですが、今回はデザインの良さでなく46/40インチ機は、フルHDパネルまで手に入れて、「高画質」のVシリーズに生まれ変わりました。

そしてお手頃なデザインと価格で、多くのユーザーを引きつけるSシリーズも、より高画質路線で突き進んでいます。

1.高画質化、広色域化技術

<ライブカラークリエーション>
昨年はXシリーズのみの搭載でスタートし、W杯前のモデルチェンジでVシリーズに降りてきた「ライブカラークリエーション」ですが、今回ついにSシリーズにも搭載となり、32インチ以上のBRAVIAは全機種ライブカラークリエーションとなりました。

しかもXシリーズと同じNTSC比102%の広色域タイプ。色再現性という面なら、全機種最高レベルの高画質を達成したわけですね。

<ブラビアエンジン>
グレードの差はここに出ました。ブラビアエンジンはブラビアエンジンでも「プロ」ではありません。

これ前回のモデルチェンジでも言いましたが、ブラビアエンジンはHD映像は良いけれども、SD映像はかなり苦手(というか画質が悪い)な傾向があるので、ここは少しでもいいので改善して欲しいところです。

<アドバンスト・コントラストエンハンサー>
これもXシリーズと同じ機能が搭載ですね。それにしても今回の各機種、コントラスト比がバラバラなのはどうしてでしょう。

X2500シリーズ=1500:1、V2500シリーズのフルHD機=1800:1、V2500とS2500の32インチ機=1700:1、S2500の40/46インチ機=1300:1

<フルHD液晶パネル>
Vシリーズの目玉はこれですね、40インチと46インチはフルHDとなりました。32インチもフルHDだったら諸手を挙げて評価したのに。

2.デザイン

もともとデザインの評価の高いVシリーズですが、今回はより黒く美しくなりました。単にSシリーズのブラックに見えなくも無いのですが(^^;)

3.その他の機能

様々な機能を快適に操れる使いやすい“シンプルリモコン”を採用
こっちもシンプルリモコンでXシリーズと統一ですね。しかしX/Vシリーズ用はアルミヘアライン仕上げですか、変にコストかかってますね。

1080p対応HDMI入力端子2系統(V2500シリーズ)
おそらくこちらはHDMI1.2相当と思われます。それ以上にSシリーズの1系統というのはいかにも少ない。PS3の存在を考えるとやはり全機種2系統以上は欲しいところですね。

 

以上、直視液晶タイプ3シリーズを見てきましたが、フラッグシップ機X2500シリーズに関しては、画質とデザインの面は今回も合格点といった感想です。とりあえず最終判断は実物を見るまで分かりませんが、「画質のSony」という面目は保てたかなと安心しました。

画質のいい“46インチ以下”の薄型テレビが欲しいという方、高くてもX2500シリーズがお勧めですよ。ただし“46インチ以上”はあれのほうが絶対お勧めですけどね(^^;)。

一方のVシリーズは、40/46インチ機がフルHD解像度化されて、いよいよフルHD時代が本格的に始まった感じがします。もともとデザインはいいので、この年末商戦もBRAVIAの中で人気No.1になるでしょう。

でも40/46インチでソニスタ価格の場合、X2500との価格差はわずか5万円。個人的にはそれならX2500買った方が絶対お得だと思います。

Sシリーズはボトムラインを受け持つわけですが、ハッピーベガ時代から継承しているデザインも大きく変えて欲しかったところです。

 

こうして色々と苦言はありますが、BRAVIA第二幕、このラインアップなら順調なスタートが切れそうです。特に人気のVシリーズがフルHD化されたのは、最大のライバルAQUOSにとっても結構な驚異となりそうですし、フルHD化が難しいプラズマのVIERAに至っては戦々恐々といったところでしょう。

でも今回のBRAVIAの真打ちはこのシリーズではありません。

part 2ではその“真打ち”を見ていきましょう。

【追記】part 2をこちらにアップしました。


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コメント 3

 いつもながら、明解な商品と性能のご説明、大変参考になります。
ちなみに我が家の住宅環境では、32型でぎりぎりってとこですが、32型だけが画素数が1,366×768となっておりますが、随分見劣りするものでしょうか。
by (2006-08-31 20:53) 

akoustam

>シマリスさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

計算してみましたが、1366×768で32インチのテレビだと、解像度は48.98dpi、1920×1080で46インチだと解像度は47.89dpiなので、XGAクラスの32インチ機と、フルHDの46インチは、画面の広さが違うだけで解像度的には一緒ですね。

逆に言うと、1366×768で46インチのKDL-46S2500なんかは、かなり「ドットが粗い」と感じると思います。

解像度的にはフルHDの40インチ機が一番鮮鋭に見えるでしょうね。
by akoustam (2006-09-01 17:58) 

 akoustamさん、お手数かけていただきましてありがとうございます。
by (2006-09-02 15:11) 

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