見たくなかったシーン [Le Tour de France 2006]
ツール・ド・フランス、第14ステージでピレネー・アルプスの“つなぎ”ステージは3日目、このステージが終われば休息日がやってきます。それだけにこのモンテリマール→ギャップ間180.5Kmでは、昨日に続く大逃げが出ることが予想されました。
そして最終的に逃げアタックを成功させたのは…
J SPORTSより
この写真の6人。写っている順に左からカニャダ、ベルブルッヘ、フェドリコ、コメッソ、ケスラー、(ケスラーの後ろに隠れてしまっているのが)アールツです。
この6人なら、総合争いに大きな影響を与えるメンバーでもないので、集団も本気で追うことはなく先行する6人の中でゴールが決着する、と思われました。
しかし、何の意図があったのか、メイン集団はクイックステップやリクイガスなどが中心になって、逃げる6人を本気モードで追いかけ始めます。
これで差が縮まり始めたことに焦ったのか、逃げていた集団が下り基調の右コーナーで大きな転倒・落車をしてしまいます。
これで最初に転倒してガードレールの向こうに吹っ飛んでいったベルブルッヘは、大腿骨複雑骨折で全治6ヶ月(T_T)。ベルブルッヘの後ろで転倒し、ガードレールに叩きつけられたカニャダは、右鎖骨骨折でリタイア。カニャダの転倒に巻き込まれるカタチでガードレールを飛び越したケスラーは、不幸中の幸いか大きな怪我はなく、ヘルメットの穴に石が挟まったままという、痛々しい姿でゴールを目指していきます。
僕もここらへんの南仏の田舎道を自転車で走ったことがあるわけですが、フランスの田舎道は、意外と舗装の状態が悪く、アスファルトが細かく剥がれて小さな砂利が撒かれているような路面になっていることが多く(夏の暑さが原因らしい)、コーナーでブレーキのタイミングを失敗すると、リアがあっけなくブレイクして転倒しそうになることが、何回かありました。
2001年7月ギャップ近くを走行中。ここは比較的いい道。
ましてプロレースとなると、スピードは僕の倍以上で、MTBと違いロードレーサーのスリックタイヤ…細心の注意を払っていかないと、ああなってしまうのもうなずけます。
それにしても落車はつきものとはいえ、やっぱり見たくなかった。それもあんな激しいのは目を背けたくなるようなシーンでした。
そんなアクシデントに見舞われながらも、残った3人はめげることなく、ひたすら逃げ続けます。
最後のゴールを勝利したのは、ブイグテレコムのフェドリコ。真後ろに集団が迫っていたのを気にすることなく、隣のコメッソに勝つことに集中したレース運びはお見事でした。
今日は総合成績には大きな影響なし。ペレイロもマイヨジョーヌを守っています。このままパリまでマイヨ・ジョーヌとは、行かないかなぁ。
■第14ステージ結果
1位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、ブイグテレコム) 4h14'23"
2位 サルヴァトーレ・コメッソ(イタリア、ランプレ)
3位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、CSC) +00'03"
4位 クリストフ・モロー(フランス、AG2R) +00'07"
5位 ゲオルク・トーチニヒ(オーストリア、ゲロルシュタイナー)
6位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、リクイガス)
7位 マイケル・ボーヘルト(オランダ、ラボバンク)
8位 クリスチャン・モレーニ(イタリア、コフィディス)
9位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダビタモン・ロット)
■個人総合成績
1位 オスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ) 64h05'04"
2位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) +01'29"
3位 シリル・デッセル(フランス、アージェードゥーゼル) +01'37"
4位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) +02'30"
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダヴィタモン・ロット)+02'46"
6位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +03'21"
7位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル) +03'58"
8位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、Tモバイル) +04'51"
9位 ファンミゲール・メルカド(スペイン、アグリチュベル) +05'02"
10位 クリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル) +05'13"
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