SSブログ

発表会三社三様 [日記]

先日、3月31日なのに自信満々でウソ発言してしまった東芝の発表会のお話をお伝えしましたが、今日もなかなかぶっ飛んだ発表会の様子が報道されまして、ある意味楽しい一日となりました。

まずはその一つめ。

マイクロソフト、Ultra-Mobile PC発表会開催~VAIO type Uは高すぎた(impress PC watch)

先月ドイツで開かれた見本市CeBITの会場で、大々的に発表された、Microsoftの“origami”プロジェクト、正式名称Ultra-Mobile PC(UMPC)の国内での展開に関する発表会です。

このUMPCの構想が発表されたとき、Sonyファンの皆さんなら「それってVAIO typeUじゃん。」って突っ込みが入ったと思いますが、当のMicrosoftもそれはわかっているようで、発表会に登場したMicrosoftのWindows Mobile Platforms Division担当・ビル・ミッチェル氏は、VAIO typeUについて、

>「価格が高すぎた」とコメント。「小型化、バッテリ駆動時間の延長、そして低価格化すべてを満たすのは大きなチャレンジだが、我々はリファレンスデザインを策定することで、低価格化を実現できた」とし、UMPCという新市場の開拓に自信の一端を覗かせた。

ほほう、それならUMPCはさぞかしお安い?と思いますよね。で、今日発表のPBJ株式会社の「SmartCaddie (スマートキャディー)」のお値段はというと、

99,800円

…(´д`)

いや、確かにVAIO typeU(VGN-U50)の179,000円(発売当時のソニスタ価格)よりは安いですけど、3万円の携帯電話やPDAの発表会で「VAIO typeUは高すぎた。」と言われるならまだしも、この内容で10万円のPCの発表会で、それ言われてもねぇ。

ちなみにこの二つの機種を比較してみますと、

VAIO typeU VGN-U50

  • 幅167mm×高さ108mm×奥行26.4mm 質量550g
  • 5インチ800×600ドット液晶
  • バッテリ駆動時間 2.5時間

Smart Caddie

  • 幅228mm×高さ146mm×奥行き25.1mm 質量880g
  • 7インチ800×480ドット液晶
  • バッテリ駆動時間 2.5時間

と、typeUより二回りは大きく1.6倍も重い本体。その割に画面の精細度が低いので表示能力に劣り(その分字は大きく表示できる)、バッテリ駆動時間は一緒、とtypeUより2年も後に出てきたのに、SmartCaddieが進化したのは、メモリとHDDが倍になって価格が下がっただけと、日本人にしてみれば「何を今さら」なスペックになってしまっています。

それにしても880gって重いですねぇ。僕の持ってるこれ、キーボードもXGA液晶もついて重さ785gです(値段3倍ですけど)。一方我が国には重さ999gですが、バッテリ駆動時間が9時間もあるモバイルPCもありますし(これなら値段2倍に収まります)、日本のメーカーが作り、ユーザーが求めるモバイルPC像の厳しさを、完全になめてると思います。>Microsoft

モバイラ歴14年の僕が初めて買ったノートPCは、富士通製のこんな迷機ですが、現代の技術でこれぐらいのモノ(重さ990g・単3乾電池2本で8時間駆動)を作ってくれないと、持ち歩くPCとして全然魅力ありませんよ。

Windows XP Media Center Editionもそうですが、日本では何を今更なこういう企画を、「最先端」とばかりに自信満々に発表してしまえる、Microsoftという会社って、ある意味凄いなと思います。

 

で、もう一つ面白かったのが、こっちの発表会。

「かっこいいカードがほしかった」──ブランドにこだわるDCMX(ITmedia Mobile)

ついに登場となったNTT DoCoMoの新たな収入源、クレジットサービス「DCMX」の発表会です。

この「DCMX」、月の限度額1万円でおさいふケータイOnlyとはいえ、買い物の支払いを携帯電話の請求に混ぜ込むやり方で、なんと中学生にまでクレジットサービスを提供して、利用手数料を得よう、というサービス内容からしてトンデモなものなんですが、それより笑えたのがこの人。

かの有名なiモードの生みの親の一人、NTT DoCoMoプロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長夏野剛氏です。

>クレジットカードには「どうもかっこいいカードがない」と嘆く。「普段あまり使っていないものも含めて、今自分が持っているカードをいくつか思い浮かべてみても、みな今ひとつだ」

>だからこそ「DCMXでは、あらゆるフェーズでデザインにこだわった」(夏野氏)という。カードのデザインからカードリーダー/ライターの形状、動作時の音、DCMXアプリや入会用Webページ、請求書などのデザイン、そしてDCMXが体験できるDCMX SITEや表参道にオープンするDCMXコンセプトカフェまで、デザイナーを起用してトータルにプロデュースしている。

ほほう、確かに、あんまりかっこいいクレジットカードやキャッシュカードって見かけません。それほど見せびらかせたりするもんでも無いですし、こんなもんかなぁと思っていたのですが、かっこいいならかっこいいにこしたことはない。それもデザイナーまで起用してトータルプロデュース、これは凄そうです。

で、出てきたエンブレムが、

( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)

あ、あの~、こ、これってかっこいいんですか?もしかして僕にセンスが無いだけ?

なんでもブランディングを担当した人曰く、

>「ロゴをデザインする際には欧州、特に中欧や東欧の、昔からある金融機関をイメージした」と話した。「古さの中で信頼感を抱かせ、それでいて古くさく感じられることのないよう、先進性が感じられるデザインに仕上げている。」

だそうです。でも昔からあって、伝統があるロゴやエンブレムって、本当に歴史がある会社が使うから重みやかっこよさが感じられるんであって、ドコモのような新興企業の、それもこれから始まるサービスにそんなイメージを持ち込まれても、「何勘違いしてんの?」って僕は思ってしまうんですが…

この夏野剛という人、こういった新機種・新サービスの発表会で、詳しい内容よりも、「かっこいい」とか「かわいい」といった、表面的なことを自慢げにペラペラ喋る軽い印象の人なんで、僕は好きじゃないのですが、今回もああやっぱりって思ってしまいました。

 

Microsoft、NTT DoCoMo、とトップ企業の面白発表会が続きましたが、同じトップ企業でも、こっちはそのセンスの良さが十分に発揮された、おしゃれな発表会があったようで、

ノキア・ジャパン社長にタイラー・マクギー氏が就任(ITmedia Mobile)

Nokia印のマカロン(ITmedia +D blog)

世界最大の携帯電話メーカーNOKIAの新社長就任発表会ですが、会場からして「東京国立博物館の法隆寺宝物館」という、およそ考えられない場所で開かれまして、出てきた軽食も、

こんなのだったそうで(マカロンってお菓子なんですか?>女性陣。僕にはAIBOの名前としか…(^^;))、その他の食べ物も、全てNM850iGのイメージカラーである「白と青」で完全に統一されていたそうです。

こういう徹底したイメージ構築と、細やかな気遣いこそ「おもてなし」って感じですね。おもてなしの意味わかって欲しいぞ、SonyのウォークマンA関係者の方々。

ま、作っている製品からしてセンスいいですから、NOKIAという会社は。

これ(NOKIA3250)日本で売ったらかなり売れそうな気がします。日本の女性も実は今の携帯電話には不満があるようですし。

 

こうして見ていくと、発表会にも各社のカラーが出ていて面白いですね。


nice!(6)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 6

コメント 10

arkstar

戦略を間違っている上記2社と、ノキアとの比較良いですね。
MSは昔から方向性が「は?何を今更?」なので、驚かないのですが、
ドコモはやっちまったって感じですね(^_^;)

ITMedia の女性も不満がある携帯電話の記事見て、
「スケルトンを好む」・・・・・
おい、「シースルーを好むだろうが!」と突っ込んでしまいました。
「スケルトン=骨格」じゃなくて、
「スケルトン=透けるとん」と間違っている日本人大多数なんですよねぇ(^_^;)
by arkstar (2006-04-05 08:17) 

艶☆2号

はじめまして!
いつも楽しく拝見していました
エンブレムを見て、我慢出来ませんでした(笑)
いったい、何ですかこれ(苦笑)
こんなのが付いてるの、絶対持ちたくないです~!
by 艶☆2号 (2006-04-05 09:32) 

ahtoh

やりますね、このエンブレム(笑)
展開からしてさぞかし変なものだと期待して見てみたら、
想像をはるかに超えていました(;´Д`A ```
何だかドコモってセンスに欠ける会社だと思っていましたが、
その疑惑は確信に変わりつつあります。
by ahtoh (2006-04-05 21:52) 

haru_one_of_a_kind

このエンブレム、ハリーポッターに出てきそうです(^^。
by haru_one_of_a_kind (2006-04-06 08:20) 

akoustam

>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

なんかこう、根本的な社風の違いというか、センスの差というものを感じてしまう三社ですね。こうしてみるとドコモとMSってそっくりだなぁ。メーカーに任せておけばいい領域まで口を出してきて、ユーザーにはうざいことこの上ない会社ってところは似てます。

「透けるとん」…確かに。「シースルー」の方がただしいですね。
by akoustam (2006-04-07 04:59) 

akoustam

>艶☆2号さん
はじめまして&コメント&ナイス投票ありがとうございます。

どうも、ご愛読ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

やっぱり艶☆2号さんもそう思います?これを「かっこいい」と言い切っちゃうんですから、夏野氏のセンスのはずしっぷりは相当なもんですね。

しかしあのエンブレムがデカデカと入ったプラスティックカードはマジ持ちたくないですね。自分の美意識が許さない(^^;)
by akoustam (2006-04-07 05:03) 

akoustam

>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

問題はそのセンスに欠ける会社が、携帯電話の端末のデザインを決める会社であること。日本の携帯電話がかっこよくならないわけですよ。
by akoustam (2006-04-07 05:05) 

akoustam

>ハルさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

ぐはっ、ハリーポッターに出てきそうって、なんかとても最新鋭のサービスのエンブレムとは思えませんは。

しかもDCMXのiアプリでは、このエンブレムがくるくる回るらしいし、もうめまいがしそう(^^;)
by akoustam (2006-04-07 05:07) 

yk

今さらですが、今日初めてDCMXの記事を読み「DCMX デザイン センス」で検索してここに辿り着きました。代弁ありがとうございました。スッキリです。

私は製品のセンスというものは会社の上層部のセンスによって上限が定まるんじゃないかと思っています。MSしかりAppleしかり。日本ではさらに年功序列先輩後輩大御所先生義理人情に成金趣味と勘違いジョブズワナビーが合わさって現在の惨状を招いているように思います。

日本の会社風土で非保守的なデザインを採用するには周囲の反対を押し切る豪腕の政治力が必要なので、デザイナー選定の決定権はその人の元に来る。よってその人自身のセンスが間接的に最終デザインを決めてしまう、という事だと考えています。真面目な大企業ほどひどいデザインになりがちな現状と符合する仮説なので。天が二物を与えてくれればいいんですが。

平均的にセンスの良い若者世代が上層部に昇るのを待つか、デザイナー自身が政治力を身に付けるか、人材配置の奇跡を待つか。街を歩く人々は皆センス良い服装なのに、組織の問題で世の中の平均以下のデザインばかり市場に出る現状、やるせないです。

突然長々と失礼しました。今後もおもしろい記事期待してます。
by yk (2006-05-08 20:11) 

akoustam

>ykさん
はじめまして&コメントありがとうございます。

ykさんに賛同頂けて良かったです。このDCMXのエンブレムを見るたびに「これをかっこいいと思えない自分のセンスは外れてるのか?」と思ってましたから(^^;)

まさにykさんのおっしゃるとおりで、結局どんな会社のプロダクツも社風や経営者のセンスが反映されてしまうんですよね。特にドコモの場合は若い社員はともかく、上層部はどうしても旧電電公社、お役所体質が抜け切れてない感じです。

ただ同じ「元・親方日の丸」でも、国鉄時代からなかなかのセンスを発揮していて、名作CMを生み出していた現JR各社は、今でもいい線行っていると思うので、会社の社風が与える影響はやはり大きいなぁと思わざるをえません。

日本人全体で見れば、何百年昔から美的センスは世界の最先端を行っているのですから、日本企業の風通しが良くなることを期待するしかないでしょうね。
by akoustam (2006-05-09 10:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。