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タイからあえてウォークマンを応援する。 [Sony・Walkman]

今日はネットカフェも余裕があるので、久しぶりにIt's a ...の本分をやってみます。

 

9月8日の発表から2ヶ月以上待った今日、ようやく日本にて待望のWalkman Aシリーズが発売となりました。すでに何度も公表している通り、僕の今回のシリーズに対する評価は「0点」、はっきり言ってしまえば、もう今回は無かったことにして、来年の春商戦にでももっとすごいの出してくれというのが本音です。

かといってSonyが、このポータブルオーディオの分野のトップカンパニーの座をあきらめるなど、考えられないことなので、あえてこの遠く離れたタイからコネクトカンパニーに応援のメッセージをお送りします。

今、僕のいるタイでは、iPodというかシリコンオーディオそのものがほとんど普及していません。そらあたりまえで、海賊版CDとテープが音楽流通の大半を占め、パソコンの家庭への普及率や、ブロードバンド回線の状況を鑑みれば、そもそもPCとオーディオが一体提供される環境など望むべくも無いことでしょう。

タイの電気屋に行っても、あるのはテープデッキとCDを搭載したコンポと、デスクトップPCで、高値の華であるノートPCすら見かけません。彼らにとって音楽を自分の家で聴くこと自体がまだまだ珍しいことであり、「どう聴くか」という手段を問う暇などありゃしません。

でも、このタイでも中高生から大人まで持っていて、どんな小さな電気屋でも憧れの商品として店頭の一等地にガラスケースで置かれている電気製品があります。もうおわかりですね、

携帯電話です。

今回のWalkman Aと第5世代iPodを比較して、こういうビデオ対応はSonyが先にやるべき商品だろう、といった論が見受けられます。

でもそれはどう考えても、日米欧の先進国で豊かな生活に慣れきった(音楽なんて簡単に手に入る生活)人間の発想でしかないと思います。世界の大半は、これから「音楽を自由に聴ける」という環境が手に入る段階に、なりつつあるところでしかないのです。

僕はポータブルビデオ視聴という市場は、世界的にはほとんど無いと考えます。

ですから、次のWalkmanが目指すべきは、日本などの一部市場を除いてはビデオWalkmanではないと主張しておきます。

世界の音楽視聴のスタイルを変えるのは、

携帯電話ウォークマンである。

というのが僕のみかたです。

世界的な普及率・需要どれをとってもモバイル機器の主役は携帯電話です。これとWalkmanがいかに綺麗に融合できるか、これが次のSonyの命運を握っているのではないでしょうか、だから以前から言っているように、SonyEricssonはSony本体が再買収して、Sonyのもつモバイル技術のすべてを携帯電話に投入すべきだと思っているのですが、中鉢さんやストリンガーさんはどう思っているのでしょうか。

ポータブルオーディオは、テープ→MD→シリコンというように進化してきました。残念ながらテープとMDで天下をとったSonyは、シリコンの世代では敗北した(過去形)と言わざるをえません。

しかし、世代交代はいつかはやってきます。シリコンの次「携帯電話」の世代を制してWalkmanが大復活することを期待して、今日の発売日を締めくくりたいと思います。


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コメント 10

はまちゃん

発展途上の国では、ウォークマン単品でやるより、ケータイに集約して
しまったほうが、圧倒的に普及するだろう・・ということですね。
それほどやっぱりケータイというのは、世界どの国でも爆発力をもってる
んですね~。
ソニーはソニエリの買収を考えてるとは思います。今はエリクソンの方が
通信に関してはノウハウがあるので、それをいろいろ勉強させてもらってる
段階なのかも・・でもいずれは考えてるでしょうね・・
そうすればソニーのやりたいことを盛り込んだケータイがラクに出せますから・・
by はまちゃん (2005-11-20 01:50) 

店員佐藤

携帯+音楽。。。そういえば私もドコモのSO502wmに
すぐに飛びつきました。

ハードウェア的側面からみるとそうでしょうね。
今回の「A」シリーズはソフトウェアの進化と
私は見ています。(それがうまくいかないんで
今回は、ちょっと焦ってますが。。。(^_^;) )

これから試用させてもらいますが、新機能の
アーティストリンクにわくわく、どきどきです。
by 店員佐藤 (2005-11-20 12:03) 

floss

まさか、旅中にレビュー記事かかれるとは思いも寄りませんでした。\(・o・)/
0点、きびしい・・・。愛情のこもった0点、ということですね。ソニーがんばれ!
携帯電話付きウォークマン、自分も絶対売れるとおもいます。ipodってなんだったっけなんていえるぐらい。がんばれソニー!
by floss (2005-11-20 16:28) 

ahtoh

この記事を読んで、アジアメーカーの品質はさておき多機能化するという土壌が見えてきた気がします。
気になるのは、携帯電話にウォークマン機能をつければシェア自体はかなり伸びるでしょうけど、単品のウォークマンを売るのに比べて収益はどうなるのかということでしょうか・・・。
一度試験的にでもやってもらえたら、面白そうなんですけどね(笑)
by ahtoh (2005-11-20 16:59) 

akoustam

>はまちゃん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

ウォークマンで「世界のポケットを制した」なんて言っていた時期もありましたけど、今や世界の人々のポケットは明らかに携帯電話に制覇されてますからね。

タイでも家庭にテレビと冷蔵庫は必ずありますが(洗濯機と掃除機はそれほどでもないらしい)、PCもオーディオコンポもなくても、携帯電話だけは持ってたりとか、その浸透率は恐ろしいほどです。

僕としては、実はアップルはライバルとは思っていないんです。未来のSonyの最大のライバルはNOKIAだと思っています。早いとこ携帯電話での存在感を高めておかないと、あの開発力とアイデアとブランド力はすごいですよ、NOKIA。
by akoustam (2005-11-21 20:32) 

akoustam

>店員佐藤さん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

その問題のコネクトプレーヤが予想通りひどい状態のようですね。ディーラーコンベンションで、触らせもしなかった段階で「これはまずいぞ」と思ってましたから・・・

なんちゅうか「需要があるのはそっちの方向じゃねえよ!」ってコネクトカンパニーの人たちには言いたい。
by akoustam (2005-11-21 20:34) 

akoustam

>ふろすさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

こうして先進国じゃない地域に来ると、やはり「PC抜きでは何もできない」iPodはもうこれ以上普及はしないな、とつくづく感じます。

世界でPCが自由に、しかも音楽のために使えるなんて贅沢な国がどれほどあるか。

PCありきの発想からはやいとこ脱却して、Sonyの得意のAV機器市場と携帯電話をくっつけることに注力すれば、絶対「世界のウォークマン」は復活できます。
by akoustam (2005-11-21 20:39) 

akoustam

>ahtohさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

多機能化というより、中・後進国でテレビの次にくるメディアは携帯電話(無線通信インフラ)なんだな、と思うのですよ。決してHDDやメモリで音楽を聴くということではなく、ラジオやテレビのようなメディアとして、携帯電話が圧倒的な力を持つことになるんじゃないかと。

利益を出すためにも、着うたのような無線でのどこでも音楽配信(電話会社も国も問わない世界中でアクセスできる音楽サーバとか)や、ハードまでを一体提供するのがSonyの強みだし役割なんじゃないかなと思いますし、それでまとめて利益があがればOKかと思います。
by akoustam (2005-11-21 20:43) 

DaVaD

携帯は本体の価格を、長時間かけて通話料で回収している。
この基本スタイルは今後も変わらないであろう。
つまり本体で利益は出ない。
ところで「着うた」などのサービスがヒットして注目されている。
こいつは別の利益につながるか?
答えはNo。
実際はすべての曲を通信手段でのみ買う人はいるまい。
やはりCDで買うのが主流なのである。
携帯会社は世界で乱立しており、音声フォーマットも様々だ。
他社へ乗り換えると今まで購入した「着うた」は聞けなくなる。
これは立派なハンデではないか?
仮に世界共通の「着うた」規格が出来上がったとして、
しかも全携帯会社が、「着うた」を自由に転送することを許したとしてもそれはナンセンスだと思う。
なぜなら、携帯はその特質上手軽に携帯できなくてはならない。
小型でないとならないのだ。
その小型の端末で、貴方はすべての曲を管理できるとお思いか?
結局のところ曲を何で管理するのか?ということだと思う。
コンポ?テレビ?ゲーム機?
拡張は性は?データがいっぱいになったらどこに移すの?
必ず同じメーカー品?
すべてメーカーのしがらみがからんでおりお互いの共通性がない。
私はそれはパソコンだと思う。
確かに携帯の爆発力はすごい。
しかしパソコンの爆発力だってすごい。
昨今、日本では携帯のシェアにパソコンが追いつかんとする勢いだ。
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/7370.html
皆、パソコンを持っていないユーザーをいかに取り込もうかとやっきになていたりするが、
実は意外にパソコンの壁は低かったのだ。
何より共通規格が確率されいぇおり、大容量であり、
更に進化する無限の可能性を秘めている。

確かに、発展途上の国ではそうそうパソコンは普及しないという意見もある。
しかしながら最近になって発展途上国の子供向けに「100ドルパソコン」なるものが開発された。
日本円にして約1万1900円。
私の携帯電話の半分の値段だ。
いいですか、パソコンはこんな可能性も秘めているということです。
発展途上の国では「着うた」を配信するメーカーはそうそういなくても、
CDは普通に流通していることでしょう。
管理は自由がきき、共通性があり、大容量のパソコンで行われるのが自然な流れだと思う。
それこそがパソコンの特性である。
そして音楽はそれを持ち運べる専用機で聞くべきであろう。

携帯は、大容量化すれば専用機になりうると思うが、
あくまでパソコンを母艦にすることが前提だと、私は考える。

そして、我々の本当の幸せを願うならば、
一企業にこだわることはないと思う。
by DaVaD (2005-11-21 22:46) 

akoustam

>DaVaDさん
コメントありがとうございます。

私、なにぶんタイをのほほんと旅行中なので、ここから議論を発展させていくのがかなり困難です。このコメントを最初で最後のお返事とさせてください、大変申し訳ございません。

とりあえず前提条件となるお話をしていませんでしたね。僕は9年ちかく携帯電話業界にかかわってきたものですが、僕が常に持ち続けている持論として、日本独特の販売手法である

「インセンティブ販売と電話会社のメーカー全量買取の仕組みの禁止」

というのがあります。ですので、携帯電話会社は業界標準の携帯電話規格の策定とインフラの提供にのみ徹し、メーカーはメーカーのブランドで規格にそった端末を開発して、自由にメーカーと電話会社を組み合わせられるようにする、というのが理想であると思っております。

ですから
>携帯は本体の価格を、長時間かけて通話料で回収している。
>この基本スタイルは今後も変わらないであろう。
これは「変わる」というより「変えないといけない」という前提と思ってください。

そして僕自身、こうやってPCの力と恩恵を受けてBlogを運営し、旅の日記までつけているのですから、PCのもつ可能性や力はすごいものがあるというご意見には、まったくもって「ごもっとも」というほかありません。僕の今後の生活の中心に、PCはずっといつづけると思います。

しかしPCが世界の主流になれるかというと、どうしても疑問を持たざるをえません。僕がPCを使い出したのはもう22年も前です。そのときに比べればパーソナルな存在になりましたし、使いやすくなってはいるのですが、果たしてテレビや携帯電話のように「万人が使いこなせるメディアインフラになれたか?」と言われると、とてもそうは思えません。

そして今後もおそらくPCが万人に受け入れられる存在となりうるか、といわれると多分無いと思うのです。今のDVDレコーダや携帯電話の中身ははっきり言ってPCです。でもPCであることをいかに隠すかに躍起になっている現状を見ていると、PCであることはハンデにしかなっていません。

安い高いの問題ではなく、何でもできる汎用機ということが、結局何に使うかわからないという難しさにつながっているのでしょう。汎用機であるPCよりも、各使用目的に応じた専用機の組み合わせのほうが容易に万人に受け入れられるように思います。

あともうひとつ
>小型の端末で、貴方はすべての曲を管理できるとお思いか?
>結局のところ曲を何で管理するのか?ということだと思う。
>コンポ?テレビ?ゲーム機?
>拡張は性は?データがいっぱいになったらどこに移すの?
>必ず同じメーカー品?
これはローカルで管理する必要は無い、という考えです。サーバー上に曲の権利だけ管理しておいて、都度携帯電話の画面でブラウズして引っ張り出せばいい、第4世代携帯電話と次世代Wi-Fiを組み合わせればコレぐらいは可能ではないかと思っています。

そもそも1曲何円という販売方法よりも、いわゆる月額いくらで聞き放題みたいな、サブスクリプション型サービスの方が音楽を楽しむのには向いていると思いますし。

SonyにこだわるのはSonyファンですから、ご容赦ください(^^;)ま、これは僕の個人的意見表明でしかないですから、気楽に受け止めていただければ。
by akoustam (2005-11-22 18:51) 

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